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住宅内外装リフォーム

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2023年10月30日(月)
最強の塗料

■最強の塗料 無機塗料

本日は弊社で最近良く使っている最強の塗料を紹介します。
弊社施工の最高級グレードの菊水化学工業(株)の「スーパー無機ガードZ」仕様です。私も塗装工事を30年近くやっていますが、この塗料は凄いです。今までなら常識外れのもので、私の塗料への考えを一変させた商品です。

一般の住宅塗装で最強と言えばフッソが普通です。非常に高い耐候性能と紫外線に強い為20年近く持ちます。そこで、塗り替えの困難な鉄塔や橋などに良く使われます。
しかし、雨汚れなどの汚染に対しては普通の塗料と変わらないので、雨水の水汚れなどによりドンドン汚れてしまいます。いくら強靭な塗膜でも汚れが酷いのは住宅としては困ります。
そこで菊水化学工業(株)の「スーパー無機ガードZ」をお勧めします。


普通の塗料は有機系で化学式に炭素がはいっていて構造的に紫外線に弱いのですが、コンクリートやセメントなどの無機系は、紫外線や酸性雨などに非常に強い性質があります。
しかし今までは無機系で艶ありの塗料は考えられませんでしたが、ナノテクノロジーを使うことにより、無機の艶あり塗料を作ることが可能になりました。


無機なので不燃性で防火性能も高く、環境に優しい水系塗料で、ナノテクによってスムーズな緻密で強固な表面膜を形成する為まったく汚れません。

つまりフッソ系以上の耐久性がありながら、写真のように汚染に強いという理想的な塗料です。

仕上がりは陶磁器の釉薬をかけたような深みのある艶仕上げになります。これは汚染しづらそうだと思わせる仕上げです。

最新の高機能塗料なので材料は高いです。一般塗料の5倍程度高額ですが、㎡当たりの施工単価はシリコンの2倍強で、全体のリフォーム工事金額からすれば1.5倍以下の工事金額程度です。すこしグレードの高い改修をお求めのお客様にはピッタリです。

足場を掛けるのに多額の費用が掛かってしまう住宅や、リフォームの回数を減らしたいお客様にも良い商品でしょう。


もうひとつの欠点は、あまりに長期間持ち過ぎるので、次回のリフォーム工事が来なくなりそうで業者として困ることです、、、(汗)

2023年10月23日(月)
クラックの補修

■モルタル壁住宅はクラック(亀裂)補修が重要

外壁面に亀裂(クラック)が入ってしまった。見た目も悪いですし、放置しておくと亀裂から雨水が浸透し、壁面が破壊されてしまう事もあります。
写真は亀裂を放置していたため、壁面が剥落してしまった建物です。
ここまで進むと補修費も高額になってしまいます。


コンクリートやモルタルは含有した水分が抜けていき、化学反応を起こしつつ固まっていくので、収縮過程で亀裂は起こりやすいです。新築して間もなく出てくる亀裂はこの収縮タイプのものです。
また、最初は無かったのに気が付いたら太い亀裂が入ってた場合は、建物のユガミによって発生するケースが考えられます。地盤沈下、近所に交通量の多い道路がある、構造的に弱く建物が歪む等々原因はいろいろありますが、改修時には正しく直すことが必要です。

弊社では亀裂の巾を測り、0.3mm以上と未満によって補修方法を変えています。
基本的には0.3mm以上はVカットシーリング、0.3mm未満はフィラー刷り込みで補修しています。

Vカット(Uカット)シーリング工法とは、亀裂に沿って機械工具によってV字型に壁を掘って、シーリングをする工法です。
これは開き続ける亀裂には、塗装だけしてもスグに亀裂が出てきてしまうので、弾性力のあるシーリングで亀裂を止ます。
ただ、壁を掘る事によって壁面の強度にダメージを与える工法なので、施工には注意が必要です。


また、シーリングしてそのまま塗装すると、壁面に掘った筋がそのまま見えてしまうので、旧下地との模様合わせも必須になってきます。Vカットシーリングしてそのまま塗装してしまい、壁に溝が見えたままの仕上げしてしまった建物がよく見られます。
写真は模様合わせの工程です。

0.3mm未満の亀裂に関しては、フィラー摺り込み工法で補修しています。細い亀裂はこれ以上開かないだろうと予想し、微弾性のフィラーによって亀裂を埋めます。
壁面に対してダメージは与えませんが、将来また亀裂が発生してしまう可能性はあります。

鉄筋コンクリートの建物の亀裂の場合、これ以外に低圧注入工法による亀裂補修があります。これは専用器具によって長時間をかけて亀裂にエポキシボンドを浸透させ、亀裂内を密着させる工法ですが、高額なものとなってしまいます。鉄骨や木造の建物では使用しません。

亀裂は新築から5年程度が一番発生しやすいです。建物の立地条件などから考査して、その建物に最適な補修方法を、ノウハウや経験から選ぶのが施工会社の良否に繋がります。

2023年10月16日(月)
鉄錆びについて

■鉄製品は錆びだしたら至急塗り替えを

人類と鉄の付き合いは長く、剛性が高く、造形しやすく、廉価なため建築にも良く使われてきましたが、錆びてしまうという致命的な欠点があります。

錆びは鉄の酸化です。酸素と水があればスグに結合したがるんですね。血液のヘモグロビンもこの鉄の酸化によって体の隅々まで酸素を運ぶ。生物にとっては大事な反応ですが、構造物には大敵になります。

いったん錆びが発生すると、短期間で全体に進行し、鉄自体をモロクしてしまい、見かけも汚くなってしまいます。
穴が開いたり、欠損したりすると、新規に交換しなくてはなりません。たとえ溶接による補修が出来ても、塗装の数十倍の金額がかかりますので、早めの塗り替えが必要です。塗装によって鉄と酸素が結合しないようメンテナンスする事が大事なのです。

写真は階段の鉄骨の錆が進行し、段裏まで錆が進行している状態です。

段裏に水が回りだすと、日光が当たらず乾燥しない場所なので、錆がどんどん進行してしまいます。このまま進行すると階段の段が落ちてしまいます。


アパートなどによくある鉄骨で作った2階廊下で、鉄骨の錆が進んでしまい廊下が落下し大事故につながるなど、鉄の錆は大きなトラブルにもなります。
弊社ではケレンRB種の機械ケレンで下地の錆を完全に落とし、2液性エポキシ錆び止めの「ハイボン20ファイン」の上「ファインウレタンU-100」によって錆に強い工程を標準仕様にしています。だから鉄部にも5年保証を出しています。通常は3年までですね。

写真は溶融亜鉛メッキのデッキプレート天井によく見られる、塗装に花が咲いたように剥離してしまう現象ですが、これは錆ではありません。
新しい亜鉛メッキは表面に油が浮いている為、下地処理しないと塗装が剥離してしまいます。
全体に脱脂剤で脱脂を施し塗装すればこのような状態にはなりません。


オーパーツ(存在自体が不思議な物)の有名な1つの、インドデリーの鉄柱「アショカ・ピラー」です。鉄製で1500年前に建造されたのに錆びないことが不思議に思われています。実は偶然にも表面が酸化鉄に覆われている状態、つまり錆びているんですが、奇跡的に本体を守るように錆びているんです。

一般の建築塗装では、アショカ・ピラーのように偶然や奇跡に頼ることは出来ないので、錆が出てきたらすぐに塗装しましょう。

2023年10月9日(月)
外壁サイディング住宅のリフォーム

■外壁サイディング住宅のリフォームのポイント

今回は、現在主流である外壁サイディング住宅の塗り替えを取り上げます。

サイディング壁で一番重要な工事はシーリング工事になります。サイディング・窓回りの取り合い部に漏水防止とユガミなどの圧力吸収の重要な部材です。
モリタ建装のシーリング工事は、お客様からもシーリング工事が綺麗で丁寧と言われます。
工事で見た目は大きなポイントで、見た目が悪い良い工事はあり得ません。
もうひとつサイディング目地は必ず既存シールを撤去してから新しいシーリングを打設します。
今あるシーリングの悪くなっている所だけ打ち直して、劣化していないところは上からかぶせる[カバー工法][ブリッジ]工法は避けてください。
打ち替えと比べて耐久性が極端に低くなります。


川口市のY邸です。築12年で外壁からの漏水が見られるため調査を依頼されました。木造三階建てでアルミサッシは黒色です。

物件はサイディング板の旧塗装膜がチョーキングし、汚染も進行中です。屋根はコロニアル屋根で部分的に苔がむした状態です。

サイディングは半永久に持つと思っている方もいますが、新築時も塗装してあるわけで、塗装の劣化からは免れません。古いタイプのものだと、サイディングを下地に止めるビスが錆びたり、ビス頭に塗ったタッチアップ塗料が劣化し目立つ現場もよくあります。


一番の問題は目地のシーリングが全くなく、サイディング同士を繋ぐジョイナーが見えてしまっています。青いスジがジョイナーです。これでは内部へ漏水してしまいます。サイディグの場合板どうしの目地と、窓回りにもシーリングされてます。これを完全に撤去し、新規に打ち直すことが重要です。今回はシーリングも塗装する為ポリウレタン系を使用しました。

ジョイナーが見えてしまっている物件は新築時のシーリング工事に何らかの問題があったのでしょう。通常は亀裂が入る程度です。

写真は工事完了後です。
外壁には接着力の強い微弾性フィラー、上塗りに高耐候の「シルビアNADシリコン」を使用しました。この「シルビアNADシリコン」は、そこらのシリコン系塗料とは格が違う高性能で、弱溶剤2液型塗料に高い技術力を有する日本特殊塗料(株)の最高級シリコン塗料です。


7年前に自社施工した物件でも、汚染もなく、艶もまったく引けていません。
弊社は日本特殊塗料(株)との代理店契約により、一般塗料とあまり変わりない金額で「シルビアNADシリコン」を提供することができます。


2023年10月2日(月)
賃貸物件のリフォーム

■賃貸住宅のリフォームはコスパが大事

築30年程度の賃貸集合住宅の外部改修工事を取り上げます。
 
築30年ともなるとアチコチ痛んできますが、痛んだままにしていると、住民のモラルも下がってしまいます。廊下・階段にはゴミ袋が散乱し、落書きや意図的な破壊行為がある事も。建物が汚いと「まぁいいか」となってしまうようです。
 
人は精神の状態に左右される生き物なので、暗く汚れた建物だと倫理的にも精神的にも悪影響があるんでしょう。モラルの低下により、安定した生活の居住者は移転しまい、次第に不安定な居住者ばかりになり、家賃未納や近隣トラブルなどが多くなる傾向があります。このような事態に憂慮される大家さんはリフォームを検討してはいかがでしょう。
 
20年ほど前に1回、外装の塗り替えをしたそうですが、すでに全体的に汚染され、シーリングの劣化から漏水し、鉄部は錆が発生とリフォーム時期としてはギリギリの段階でした。建物が汚いので入居率も低く、空室も数軒ありました。
 
そこで今回の外部改修工事では、懸念箇所を徹底的に直しながらも、賃料との兼ね合いもあるので、なるべくコストパフォーマンスの高い仕様としました。
 
屋上は既存が砂付アスファルトルーフィングでしたので、旧防水を撤去しないで施工できる改修アスファルトトーチ工法で、ベランダはモルタル仕上げだったので、比較的安価なウレタン防水。外壁はALCなのでALC目地はポリウレタンブリッジ工法と工事金額がやすくなる工夫をし、他業者より2割安い見積書を提案できました。
 
外装改修工事もお金を掛ければ、いくらでも良い仕様が組めますが、一般的に仕様が良くなるとコストパフォーマンスが低下する傾向があります。賃貸物件の場合は特に、工事を実行して予算を回収しやすいバランスの良い工事提案が重要だと思います。
 

2023年9月25日(月)
悪徳リフォーム業者にはご注意

私が普段営業してお客さんと話すと、悪徳リフォームに対する不安を口になさる方が多いです。埼玉県は特に多く、数年前に富士見市の認知症の老姉妹を騙して5000万円の無駄な耐震工事を行なったなんて事件もありました。
真面目に良い仕事をしているリフォーム会社にとっては大変迷惑です。

このようなリフォーム業者はあの手この手で近寄ってきますので、悪徳リフォーム業者の手口を見てみましょう。 

一般的なリフォームでの注意点は

■「無料耐震調査」「無料床下の点検」「屋根の点検」「白蟻調査」などさまざまな言葉で近寄ってきます 
■近くで工事をやっています。毎日お宅の前を通るので… 
■雨どいに落ち葉が詰まっていますよ。このままだと屋根が腐ります。1万円で取ってあげます。 
■床下・屋根裏が湿気で腐っています。このままでは家そのものも腐ってしまいます
■屋根の瓦を調査しますと、屋根に乗せたら足でワザと割られたり
■地震でダメージを負ってないか調査しますなとど
 現在の日本で震災を口実に悪徳営業するような会社は、火事場  泥棒と言えましょう。

等々の手口を良く聞きます。


外装塗り替えリフォームでの注意点は

■お宅は目立った所にあるので、モデルホームで格安に。
■しつこい営業はお客様がお金に見えているからしつこいんです。
■施工会社の工事経歴書や保証書の内容についてよくたしかめる
■建築工事全体に言える事ですが、合い見積もり(複数の会社から見積もりを取る)は基本です。内容をよく見比べて工事金額を確かめましょう。

外装塗り替えで良くある手抜き工事は、下塗り工程を抜くことと、上塗りの材料を減らしてしまう事です。仕上げ材が薄いとすぐ黒ずんだり汚染します。

■外壁・屋根洗浄していきなり仕上げ色で塗りだしたら、下塗りを抜いています。

☆外壁や屋根の上塗りの使用量は通常、㎡あたり0.25kg以上と決まっています。
仕上げ材の容量が16kgだったら16÷0.25=64㎡以上塗ったらいけません。
たとえば外壁が200㎡の住宅でしたら16kgの仕上げ材だったら、4缶以上持ってこないといけないという事です。(カタログに塗布量は書いてあります)

DANフレッシュ、ニュートップレスクリーン、Be-ニューなどの単層弾性材なら㎡あたり0.8kg以上使わないといけない物もあります。200㎡の住宅でしたら16kg缶で10缶以上持ってこないといけません。
それにプライマーやペンキを含めたら15缶前後の総材料になります。

安心できる業者を選んで、安心な工事を!

2023年9月18日(月)
工事の各種資格

■国家資格の有無にご注意下さい

今回は弊社の持つ各種資格の話をします。

■1・2級施工管理技士 弊社 1級-1人 2級-2人

1建築施工管理技士は、施工管理技士国家資格のうちの1つで国土交通省管轄になります。
1級、2級共に高い要求品質という観点から建築施工における緻密な要求精度を確保し、施工計画、安全管理、品質管理、工程管理という時に相反する事項を達成しつつ、建築全般について精通し技術的応用力ととも高い倫理観およびマネージメント力も求められます。

■一級塗装技能士 弊社 1級-3名

建塗装技能士は、国家資格である技能検定制度の一種で厚生労働省管轄になります。
一級塗装技能士とは色の調合や、各塗料メーカーの特性を熟知した塗装のプロです。
複雑かつ繊細な塗り方が出来る職人に与えられる称号で、全国でも数少ない選ばれた塗装のスペシャリストです。

■一級防水技能士 弊社 1級-1名

建塗装技能士は、国家資格である技能検定制度の一種で厚生労働省管轄になります。
一級防水技能士とは止水のプロで、漏水した現場を熟練した技能と経験で完全に止水します。正確な防水工事をお約束します。

施工管理技士は国土交通省、技能士は厚生労働省の管轄で国家資格になります。


そのほか樹脂接着注入施工技能士、有機溶剤取扱い主任、職長・安全衛生主任者などの資格を持っています。国家資格で信頼のおける技術と知識で、安心なリフォームを。


2023年9月11日(月)
高圧水洗浄工事について

■塗り替え工事で高圧洗浄工事は非常に重要です

塗り替え時に屋根塗装や外壁塗装には、汚染やコケ、チョーキングの粉などが付着しているので、そのまま塗装するとすぐにハガれてしまいます。塗り替え後2-3年で塗膜が剥離してくる場合は、この洗浄作業がキチンとしてなかった可能性が高いです。
 
手作業では難しい下地洗浄も、高圧水洗浄機を使えば迅速かつ綺麗に施工できます。洗浄機の水圧の単位は現在Mpaで表示されます。1Mpaは10kgf/c㎡で10気圧と同等です。テレビの通販などで販売しているケルヒ○ー等の家庭用洗浄機は3~5Mpa程度ですが、弊社は15Mpa(150気圧)の高圧洗浄機をしています。これは官公庁の仕様もクリアします。
 
この15Mpaの水圧は、服などに当たると生地が裂けてしまうほどの圧力で、洗浄する作業員も大変で注意しながら施工しています。
弊社の場合、水噴出器の先端にターボノズルを装着し渦巻き状の水流を発生させ、ムラ無く綺麗に洗浄しています。この高圧水により汚染やコケ、チョーキングを除去させ、次の工程のプライマーやフィラー等の材料に性能通りの接着力を発揮されることが出来るようになります。
 
また高圧洗浄により、壁・屋根の旧塗膜の脆弱な部分も吹き飛ぶため、目視しづらい劣化部の除去もできます。ただ、住宅の外部に設置されている電気設備や光通信設備、火災報知器などは洗浄によって故障・誤作動してしまう場合があるので、事前に養生する事も大事です。以前マンションの塗り替え時に火災報知機に水がはいり誤作動してしまった苦い経験があります・・・・
 
高圧洗浄時の注意点としては、戸締り窓締りをキチンとしないと、スキ間から洗浄水が室内に入って被害が出るので戸締り窓締りは注意します。
普段雨漏りがある部位は、ものすごく雨漏りしますので事前に教えてください。
 
良い塗り替え塗装は良い下地作りから!

2023年9月4日(月)
改修工事の見積書・契約書

■塗り替え工事の見積書・契約書の注意点

住宅のリフォーム工事を計画すると、施工業者から見積書を取りますね。
この業者から見積書が提出された際の注意事項を列記してみます。
 
●見積書の注意点

1.一式見積書での契約は絶対やめましょう

2.使用塗料・材料のメーカー名・商品名はきちんと書いてあるか

3.内訳書の内容をよく読み分からない所は業者に徹底的に質問しましょう

4.工事途中での追加工事はどうなるか決めておきましょう
 
見積書は業者によって異なります。会社の顔になりますので、内訳書がいいかげんな物は論外です。細かく見積もってあるものを選びましょう
 
契約書なしでの工事も危険です。見積書だけの契約も成立しますが、工事金額の支払いなどキチンと決めておいた方が安心です
 
●契約書の注意点

1.工事の内容が正しく明記されている(見積書・仕様書が添付されている)

2.追加工事の取り扱いが明記されている

3.工事金額の支払い時期が明記されている

4.工事事故がおこったばあいの責任が明記されている
 
よくリフォーム工事でトラブルになるのが追加工事の取り扱いです。口約束だけでなく、追加工事も契約しましょう。弊社の場合、見積書提出後追加工事はまずありません。調査で追加工事のでない見積書を作成するのがプロです。お客様から「カーポートの屋根を取り換えたい」等、特別な依頼を除き追加工事は発生しません。
 
また工事金の支払い時期にも注意が必要です。普通は契約時に30%前後、工事完了後にオーナー検査を経て竣工後に残金支払いが多いようですが、工期が1~2週間と短いので、弊社の場合ほとんど工事完了後に一括払いが多いです。
 
信頼できる見積書・契約書で安心な工事を!

2023年8月28日(月)
天然石調吹付塗装 ナチュラルトーン

■お安く簡単に住宅のアクセントに石貼りを

塗り替え時に、玄関周りを少し豪華にしたい!メリハリの無い住宅外観に重厚感がほしい!等どうせ模様替えするなら、おもいきって劇的に変えてしまいましょう。

写真の住宅の1階部に使用したのがナチュラルトーンです。
 
今回は弊社が得意とするセラミック系天然石調塗装「キクスイ ナチュラルトーン」をお話しします。
通常改修時に天然石(みかげ石、大理石等)を貼ろうとすると、石は重量があるので、そのままでは下地が持ちません。下地強化に費用が掛かるのと、天然石自体もとても高価で大変高い工事金額になってしまいます。
 
そんな場合は「キクスイ ナチュラルトーン」をお勧めします。特徴は

■下地はそのままで施工可
■天然石を貼るより1/3~1/10の工事金額
■下地が円柱でも複雑な面でも施工可
■セラミックとUVカットシリコンクリアで長寿命
 
ようは天然石のフェイク(にせもの)ですが、一般の方は目の前にしても偽物とは気づかないでしょう。色調もたくさんあり、お宅の意匠にピッタリの仕上がりがになります。石目地も自由に設計可能でお好みの大きさの石になります。
 
弊社も数多くのお客様のお宅に「キクスイ ナチュラルトーン」を施工してきましたが、すべてのお客様に喜ばれ、近所の方に「新築に建て替えたの?」と聞かれることもあるそうです。
 
写真のお宅も大きな住宅でしたが、正面壁にメリハリが無く、お客様はそのノッペリ感が不満でした。そこで「キクスイ ナチュラルトーン」をお勧めしたところ、大変豪華な外観になりとても喜んでいただけました。
 
「キクスイ ナチュラルトーン」は天然石の細粉と樹脂の複合材で大変強固なものです。仕上げにはUVカットのシリコンクリアを塗装するので、耐用年数も15年以上期待できます。改修工事には天然石調塗装いかがですか?

2023年8月21日(月)
住宅の色について

■住宅外装工事で最初に問題になるのが、建築の色のコーディネイトですね。

一般の住宅でも、外壁・屋根・破風板・軒天井・雨樋・雨戸等さまざまな色を決定しなければなりません。
今のままの色(既存色)で良いよといわれる事も多く、新築時のカラーコーディネイトは設計士さんが考えた物ですから、色選定の失敗が少ないです。
 
でもせっかく外装すべての塗り替えをするのなら、思い切ってカラーチェンジしてみてはどうでしょうか?
ここでは住宅塗り替えでの色のお話をしたいと思います。
私も色について専門に学んだ事はないので、今までの住宅塗装に関する経験と独学でのお話をします。専門に学んだ方は間違いがあれば是非コメントをお願いします。
 
●膨張色と収縮色
色には膨張色と収縮色があり、住宅の色の場合大きなウェイトを持っています。
真っ白が一番強い膨張色で、色が濃くなるにしたがって、暖色から寒色にいくにしたがって収縮色になっていきます。
 
外壁を真っ白にすると、大きく見えて清潔感が出てきます。逆に濃茶等の収縮色を使うと重厚感や高級感が出てきます。
 
この効果を使い、1階壁を収縮色で重厚感をだし、2階壁に膨張色で明るく軽い感じの、ツートンカラーで安定感のある住宅を演出したりします。
逆に1階壁に明るい色、2階壁に重厚感をだしてしまうと安定性とバランスが悪くなります。

●色相 
色には色相があります。詳細は割愛します。あまり詳しく知りません(汗)
ただ住宅の色に関しての色相環で役立つことは、隣り合った色を使うとポピュラーな安定した色の取り合わせとなり、180度違う色(補色)の2色を使うとショッキングな刺激的な配色になるようです。店舗など集客には良いですが、一般住宅の方には補色の組み合わせはお勧めできません。
 
また、色相は暖色系と寒色系に別れ、暖色系は明るい南欧風の住宅に使われ、寒色系はクール感と落ち着き感がある色相だとおもいます。
 
ここで取り上げた色相図はすべて原色ですが、原色のまま一般住宅に使うことはあまりありません。この原色を淡くしたり濃くしたりして実際の塗り替えで使用しますので、あくまで色系統のイメージとして捉えてください。

また弊社でも良くお勧めするのですが、黒から明るいグレーの無彩色だけの塗り替えも、クールで冷静な感じで特に若い方に喜ばれています。
 
最後に建築塗装の色は日本塗料工業会色見本(日塗工)がスタンダードです。この色見本の番号によってやり取りをしています。日塗工色見本はインターネットで公開されていますので興味のある方は下記ページまでどうぞ。
http://www.toryo.or.jp/jp/color/color.html


2023年8月14日(月)
塗り替え工事でのシーリング

■シーリングの種類について

建設業界ではシーリングとコーキングは同じ意味に使われています。私はシーリングと呼ぶことが多いです。窓回りや構造目地、最近ではサイディングの目地などに使われる、壁の隙間をゴム状の物で埋めて防水する為のものです。
 
現在最も多い外壁サイディング住宅では、このシーリングの劣化による漏水が多いです。鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨ALC造もシーリングのトラブルが多いです。
 
改修工事では下記のシーリングが主に使われます
  
改修工事の場合、シーリングの上に塗装するかしないかで、使う材料が異なります。ポリウレタン系は露出すると紫外線に弱く、すぐに寿命が来てしまうため、上に塗装することが必須です。塗料との相性は最適で、値段も安めです。
 
変性シリコン系は露出しても大丈夫なタイプで、塗装も出来る万能タイプです。だだし値段が若干高めです。
 
シリコン系は露出しても大丈夫で防水性能も高いですが、改修工事では使いません。それは塗装が出来ないことと、打ち替え時に撤去するのが困難な事、後で説明するブリージング汚染が強い為です。設備屋さんなどが、外壁にあとで取り付けた設備にシリコンをよく使いますが、あれはダメですね。うちの事務所も光通信にした時に、室外機の取り合いにシリコンシーリング使われてしまい、すぐに外壁が黒く汚染されてしまいました、、、透明なものはシリコンシーリングです。白いものもあります。
 
シーリングには高モジュラスタイプと低モジュラスタイプ(中モジュラスもあります)がありますが、基本はゴムの硬さの違いです。
高モジュラスはタイヤのゴム、低モジュラスはスポンジのように硬さと伸び率が違います。
大事な点はサイディング壁等に高モジュラスタイプを使うと引っ張り強度が強いので、サイディング自体を破壊してしまう事があるます。部位ごとに選定しなくてはなりません。
写真はサイディング目地に高モジュラスシーリングを使ったためサイディング自体が破壊されてしまったものです。
 
シーリングでもう一つ大事な事はブリージング現象です。シーリングの上や回りが黒っぽく汚染されている建物がありますが、これはシーリング材に含まれる可塑剤が外部に染み出て埃を吸着してしまう現象です。
 
可塑剤とはシーリングを柔らかく保つためのものですが、シーリングの上に塗装しても表面まで染み出てくるやっかいな物です。イメージ的にはネバネバしている為、汚れを吸着してしまうようなものです。
この為、弊社は対策されたノンブリードシーリングを使います。
写真は目地のシーリングの可塑剤が塗装を突き破って染み出て黒く汚染されたもの。
 
なにかわからないけど、部分的に汚れすぎているって時はブリージングの可能性がありますね。
 
壁面は頑丈で20~30年大丈夫!なんて建物でもシーリングの寿命は10年程度なので注意が必要です。

2023年8月7日(月)
シーリング工事

■実際のシーリング工事について

シーリングの話が続きますが、小さいけれど建物には重要な部分です。今回は実際のシーリングの工程をお話しします。

外壁のシーリングは寿命が10年程度です。窯業サイディングや窯業タイルなど寿命が長い外壁材でもシーリングは先に劣化してしまいます。
一般的にはサイディングやタイルなどの構造目地と窓回りの目地に使われています。
小さな部分ですが注意が必要です。

シーリングの改修時期は、指で押しても弾性力が無い。表面に微細な亀裂が走っている。厚みが薄くなっている。などで決定します。

シーリングが劣化したら撤去・打ち直しが基本です。既存のシーリングをそのままに上から新しいシーリングを増し打ちするブリッジ工法はお勧め出来ません。シーリングの性能は、その厚みに左右されますので、なるべく厚みを確保したいからです。

●撤去・打ち直しの工程を順をおって説明します。


まず、古くなって劣化した旧シーリングを撤去します。カッターや電動工具を使って撤去します。ここではサイディングとシーリングの接合していた小口面に、旧シーリングが残らないように綺麗に撤去します。


つづいて表面にはみ出さないように、紙テープで両側をマスキングします。
そしてシーリングプライマーを塗布します。これはサイディングと新シーリングの接着剤になります。これをしないと打ち直してもすぐにサイディングと剥離してしまう等のトラブルが起こります。続いて必要ならバックアップ材やボンドブレーカーを挿入します。

シーリングを充てんします。専用のコーキングガンを使います。シーリング材の中に気泡が入らないよう、充填不足による隙間のできないよう注意が必要です。


シーリング材を目地内に間隙のないよう、両側のサイディングにしっかり圧着させるようヘラで押さえ込む。また滑らかな仕上がり面が得られるようヘラでならします。
写真の場合はシーリングの上に塗装するので、ポリウレタン系を使用しました。
露出される場所なら変性シリコンシーリングを使用します。

小さな部分ですが、防水上大事な部位です。正確な施工を心がけています。

2023年7月31日(月)
一般住宅のサイディング壁


■住宅のサイディング壁の特徴

近年、一般住宅では外壁はほとんどサイディングボードになっています。
工場で作られたボートで金属系と窯業系とがあります。
今の住宅で使われているのは、ほとんど窯業系になりますがその種類は、非常に多く代表的な物としてはケイ酸カルシウム系・石綿スレート板系・炭酸マグネシウム系などがあります。  
     

サイディング壁の構造

たて張りか横張りかにより違いますが、一般的に多い横張りの場合500mmピッチ以下の間柱や胴縁の上に透湿防水シートを張りその上にサイディングを、釘で直接止めるか金具で引っかけて留めるかしたものです。

そして、サイディングとサイディングの継ぎ目にはジョイナーを入れコーキングで仕上げます。
写真の青の金具がジョイナーです。
シーリングが劣化してコレが見えてきたらかなり状態が悪くなっているのでシーリングの打ち替えが必要です。

■サイディング壁の劣化

よく使われるサイディングの厚みは、14mmが主流ですが厚い物は20mmを超える物もあります。

サイディング壁の耐久性
基材そのものは工場で生産され、品質は安定しているのですがその基材の厚みと基材に塗装された塗料の違い(アクリル・ウレタン・フッ素・光触媒・無機質)などによって、大きく違ってきます。

傷みの種類としては、シーリングの亀裂・ハズレ・基材の割れ・ハズレ・浮き上がりなど、塗料の劣化としては、汚れ・変退色・光沢の低下・チョーキング・藻・カビの発生などがあります。
     
●シーリングの劣化
シーリング自体の経年劣化から目地幅の不適切や充填不足・シーリングの選択ミス・三面接着・充填不足などいろいろな原因により外れてしまったり切れてしまったりした状態です。


●基材の割れ・浮き
建物そのものの振動や施工ミスなどによりサイディングそのものが浮いたり・割れたりしている状態です。

●汚れ
ゴミ・ホコリの付着・人為的な汚れなど通常の洗浄ではとれない状態です。

●光沢低下
塗装の仕上げ材が、紫外線等により劣化し光沢が低下した状態です。

2023年7月24日(月)
モルタル壁の構造と特徴

■住宅のモルタル壁の特徴

5~20年前までは一般住宅の外壁といえばモルタル壁でした。
丁寧に施工すれば亀裂にも強く、無機物なので紫外線による劣化にも強く、断熱性能が高い材料ですが、施工が悪いと亀裂は入り易く、表面が凸凹の外壁になってしまうため、左官屋さんの技術に大きく依存する為、近年は簡単な施工のサイディング壁に駆逐されています。

モルタル壁の構造
そもそもモルタルとは、一般的にはセメント・砂・水を練り合わせたセメントモルタルのことを言います。  

   
住宅のモルタル壁仕上げには一般的に柱・間柱の上にフェルトと呼ばれる防水紙を貼り、その上に金属製のラス金網を貼った下地に、現場調合したモルタルを、左官がコテで仕上げた壁です。

このラス金網はモルタルが壁に付きやすく亀裂防止のために貼りますが、ラス金網は45度の斜めに重なり合っていてるので、これに沿って斜めに亀裂が入ることが良くあります。    
 
モルタル壁の劣化    
モルタル壁は、乾燥収縮によるヒビが入りやすく、塗り厚等が薄かったりするとそれが顕著に表れ、これを防止することは困難です。
傷みの種類としては、ひび割れ・モルタルの浮き・欠損など、塗料の劣化としては、汚れ・変色・退色・光沢の低下・白亜化・藻・カビの発生などがあります。  
   
●汚れ
ゴミ・ホコリの付着・人為的な汚れなど通常の洗浄ではとれない状態

光沢低下・塗装の仕上げ材が、紫外線等により劣化し光沢が低下する現象です。

●白亜化
チョーキングとも言います。紫外線や風雨など年数経過により塗装材が劣化し塗装表面に粉が浮いたような状態になることです。

●藻・カビ
日が当たらない北面壁などに見られる黒色や緑色などの藻やカビの発生による壁が汚れた状態です。

●亀裂・はがれ等
付着力不足や何らかの原因により塗膜がはがれたり、浮いたりする現象のことです。

■木造モルタル壁住宅の外壁補修

●モルタル欠損
接着力の非常に強いカチオン系モルタル材で成形し補修します。

●モルタルの亀裂(クラック)
0.3mm未満のヘアークラックはフィラー材をラスター刷毛によって摺り込みます。

0.3mm以上の大きなひび割れは、ハンドスムーサーという器具によって強力エポキシ接着剤を充填補修します。


※一般住宅のモルタル壁にUカットシーリングを施工する業者がいますが、これは壁厚のある鉄筋コンクリート造の補修方法です。
壁モルタルの塗り厚が薄い木造住宅では、外壁に大きなダメージを与えてしまうため、弊社ではUカットシーリングは使用しません。
 
モルタル壁自体に防水性はありません。現在塗装されている塗料が防水性がないものなら防水性が高い材料をお勧めします。
また亀裂の防止の為、弾性系塗料をお勧めします。 


2023年7月17日(月)
自然系塗料

■珪藻土塗装

ケイソウ土とは、太古の植物性プランクトン(珪藻)が長年にわたり、海底や湖底に堆積し、化石化した天然の鉱物です。
自然素材・・・珪藻土の成分はすべてからだに優しい自然素材。石油系化学物質、有害物質は一切使用していません。

調湿機能・・・空気中の湿気が多いと吸い、乾燥すると吐き出し、快適湿度を保ちます。結露を防ぐことにより、カビ・ダニの抑制にも大変効果的です。

消臭機能・・・タバコやペットの嫌なニオイや、空気中に放散される揮発性有害物質を強力に吸着、脱臭します。

蓄熱・断熱性・・・多孔質の珪藻土は、吸放湿機能により、蓄熱性と断熱性を発揮します。

珪藻土商品は、様々なメーカーから出ていますが、セメントや石膏など多く入っている製品もあり、その性能は各社バラバラです。
珪藻土は、コテ仕上げが多いようですが、最近では、ローラー・吹き付けなどの仕上げも多くなりました。ビニールクロスの上から施行できる製品も出ています。

■欧州の自然塗料

日本で普及している自然系塗料は、ドイツから輸入されているものが多く使われているようです。自然系塗料は、従来塗料の合成樹脂を、植物油・樹脂に置き換えていますが、100%天然原料とは限りません。
例えば、多くの自然系塗料で溶剤に石油精製品のイソパラフィンを使っています。また、天然の成分であっても人体にアレルギー反応を誘発するものもある、あえて化学物質を使っているものもあります。

オスモカラー

ドイツの無公害塗料で人体への安全性を優先し、天然素材でもアレルギー反応が心配なものは避け、溶剤として安全性の高い化学物質を使用している。
においが非常に少なく塗りやすいが、乾燥時間がかかる。製品の中のフロアークリアーラピッドは、乾燥時間が4~5時間と短く、1日で仕上げられるようになりました。

リボス

ドイツの自然塗料、植物成分と密蝋ワックス、無毒無害の顔料から成る浸透性塗料溶剤として安全性の高い化学物質を使用している。
人体への安全と同時に、製造から廃棄までエコロジー性も追求している。発色がよく、自然な感じに仕上がり、塗りムラになりにくく施行性は良いが、乾燥時間がかかる。

アウロ

ドイツの自然塗料、60種以上の原材料はすべて天然素材、溶剤にも石油精製品を使わない。原料を有機栽培するなど人体への影響に加え、環境へも配慮している。
溶剤臭がなく施行しやすい、光沢がなく植物油を自然乾燥させるため、乾燥時間がかかる。

と以上の自然系塗料はドイツ製ばかりですが環境先進国と先端工業国の面目躍如たるものがあります。
有害な乾燥剤を使わないため、乾燥時間が長く、最低でも12時間程度は見込んでおいた方が良いでしょう。また、天然素材は合成樹脂より弱いため、耐久性が劣ることは否めず、その後のメンテナンスが不可欠です。つまり数年(1年~)ごとに塗り替えが必要になります。

2023年7月10日(月)
塗装工事におけるVOCの注意点

■臭いに敏感な方はVOCに注意を

室内塗装の場合は、建築基準法に準じたものはもちろんのこと、VOC成分の少ない水性系塗料を中心に選択した方が良いでしょう。
現在塗料メーカー各社、環境配慮型塗料を各種開発していますし、100%天然原料とは限りませんが、自然系塗料などもありますので、塗装する前に塗装業者に仕用材料の環境性能などを見せてもらい十分説明してもらうと良いでしょう。
下記の室内健康塗料の勧めにもいろいろな塗料をご紹介しています。
実際にシックハウス症候群の方が家族にいる方は、内装工事完了後有償でVOC測定検査を受けることも可能です。

室外の 外装用塗料については、現在内装用塗料のような規制はありませんが、地球環境への影響や近所への影響を考えればできるだけVOC成分の少ない水性系塗料の選択が望ましいと思われます。
しかし、外装塗装の場合は、気象条件・下地の材質・メンテナンスなどを考慮しなくてはならない場合もあります。
できるだけ環境に配慮した水性系塗料をお勧めしますが、耐久性の見地から溶剤系塗料を必要とする場合もあります。
いずれの場合も塗装業者にきちんと説明してもらうのが良いでしょう。

■塗料の環境問題

塗装工事で環境問題に関して大切なことは、私たち塗装業者が地球環境への負担の低減と安全・健康に対する配慮を怠らず、プロとして常に問題意識を持って工事を行い、お客様に使用する塗料の安全性など情報の提供をきちんと行うことだと思います。


全てVOC環境対策済の水性塗料を住宅の内部外部とも使用すれば、環境的には一番良いのですが、外部特に鉄部の仕上げ塗料に水性塗料を使用すると、金額が高い割に耐久性の無い塗装になってしまいます。

そこでコストパフォーマンスや保証期間の問題から、外部に関しては溶剤系塗料を使用しています。
家族にシックハウスなどの症状がある方は、塗装業者に施工計画の段階で相談するとよいでしょう。

2023年7月3日(月)
揮発性有機化合物

■塗料のVOC シックハウスにはご注意を

平成15年7月より、建築基準法の改正により、シックハウス対策が強化され、ホルムアルデヒド放出量に対して厳しい制限ができました。
このホルムアルデヒドは、揮発性有機化合物(VOC)の中の1つです。そして塗料の化学物質の中にもこのVOCが含まれています。

近年官庁工事では建物内部の塗装工事にはVOC測定が義務付けられています。

Volatile Organic Compoundsの略語で、数百種類の揮発性を有する有機化合物のことで、常温常圧で蒸発し、空気中に容易に揮発する有機化合物の総称です。
人体に対する影響としては、特有のにおいがあり、過剰に吸い込むと過労感、頭痛や吐き気などを引き起こし、特に過剰に反応する人なども見られ、化学物質過敏症の原因と考えられています。

塗料の化学物質のVOCとしては、
トルエン・キシレン・パラジクベンゼン等を言います。 塗装中のVOC成分は、塗装時にその大半が放出された後、塗膜に残ったわずかなVOC成分は徐々に放出されます。

下のグラフは、代表的な塗料を塗装した場合に塗膜に残ったVOC成分が徐々に放出されていく状況です。

塗料は大まかに何で希釈するかにより、溶剤系(シンナー臭がするもの)と水性系に分けられます。

現在の塗料は溶剤系でも、弱溶剤が主流なためVOCも抑えられています。

塗料の選択には、気象条件・下地の材質、その他いろいろな条件に合わせて選択しなければなりませんので、人体への影響など考えると室内を塗装する場合と、室外を塗装する場合とに分けて考えた方が良いでしょう。

2023年6月26日(月)
遮熱屋根用塗装

■屋根の塗り替えには遮熱塗装を

鉄製屋根は真夏の炎天下に晒されると、表面温度が60-70度に達することもあります。特に近年の夏場の酷暑ではなおさらです。

こちらの工場も真夏時で屋根裏温度が60度以上ありました。
この気温をクーラーで下げようとしたら大変ですね。光熱費のロスも大いに気になります。
 
埼玉県川口市K工場
築20年の鉄板屋根の工場で全体的にチョーキングし、塗り替え時期でしたので今回は遮熱塗装にすることになりました。

材料は日本特殊塗料のパラサーモシールド+パラサーモシリコンを使用しました。

鉄板屋根は遮熱塗装の効果が一番出やすいのでお勧めになります。

一般住宅のコロニアル屋根ですと厚みが薄く熱が透過しやすいので、遮熱塗装は効果的です。

8月真夏の屋根下温度は塗装前が62℃で工事後には48℃になりました。
光熱費等を考えると良い効果が出たようです。


2023年6月19日(月)
サイディング壁の住宅はシーリングにご注意を

■サイディングの改修はシーリング工事が最重要

以前の住宅では外壁はモルタル壁の上に塗装していましたが、最近の住宅は乾式サイディング壁がおおくなりました。サイディングの構造上、繋ぎ目と窓周りにはシーリングが必須となります。サイディング自体の耐久年数が長い場合でもシーリングの耐久年数は7年~10年程度なので、築年数がこれを超えたら注意が必要です。
 
一般的にシーリングはウレタン・シリコン・変性シリコン・ポリサルファイド系が使われていますが、露出が可なもの、塗装が可なものと部位によって使い分けます。しかしシリコン系は塗装が出来ない事と、ブリージング現象(汚染しやすくなる)が激しいので、外装に使うことは避けたほうが良いです。
シーリングの種類とブリージング現象は改めて報告します。

基本的には上に塗料を塗らない露出する場所には変成シリコンシーリング。上に塗料を塗る保護する場合はポリウレタンシーリングになります。
また新規のシーリングは5mm以上の厚みが無いと耐久性が無くなるので、サイディング目地に関しては現状のシーリングを撤去してからやらないと、厚みが得られないため耐久性が無くなってしまいます。

シーリング工事の増し打ち・ブリッジ工法は旧シーリングを撤去せず新しいシーリングの厚みが確保できない工法なので注意が必要です。
 
サイディングの目地から漏水するとサイディングの裏側に水が廻り、サイディング板が反るなど変形したり、柱や梁の構造体が腐ったりと重大事故につながるので、今のシーリングに小さな亀裂が見えたなど変異を発見したら当社に調査をご依頼ください。

サイディング系住宅にお住まいの方はシーリングにご注意してください。

2023年6月12日(月)
塗料の歴史-3

■日本の塗装の歴史

1999年発刊の『日本近代建築塗装史』や塗装関連図書には、日本におけるペンキ塗装の始まりを「日米和親条約が締結された横浜談判所(応接所)外壁のペンキ塗りが本邦初である」と紹介されています。 
日本人の眠気を覚ました黒船は、ペンキも運んでくれました。

もし江戸時代設定の時代劇でペンキを塗ったものがあったら、時代考証がおかしいといえましょう。

明治の始まりと共に日本に入ってきたペンキは、洋館建築の隆盛とともに日本中に広まっていきました。またこれは「和色」といった朱色・よもぎ色などに慣れた日本人にとって、「洋色」との出会いでもありました。

黒船と共にやってきたペンキを文献から調べてみます。種子島に渡った火縄銃も数十年経ると日本全国に行き渡ったように、日本人は海外の文化を取り入れることに積極的でとても速いですね。

日本の塗装工たちが海外のペンキの先進性に触発され、良い物は取り入れるという日本人気質がみてとれます。

『本邦ペンキ塗業由来記』の「ペンキ塗りの起源」の原文
 
嘉永7年(1854年)寅正月、徳川幕府は「アメリカ」使節を接見する為に、武蔵神奈川宿海岸に交易談判所を急設することになった。
この建物は木造平屋建で間口八間奥行四間中央を談判会議室とし、両脇を日米両国の正史以下諸役人及び警護者の休憩所とされたものである。 然るに普請奉行は本建築に輪奐の美を添えるために内外共に新しきペンキ塗りを試みようとした。

これ洵に当時においては空前の発案であり塗工界の驚異であった。 そこで彼は江戸中の塗工を彼是物色した後、その頃京橋新肴町の村田安房守邸に出入りしていた渋塗り職町田辰五郎にこの工事の塗工一式を命ずることになった。
 
前述の如き有様であるから、この請負を余儀なくされた辰五郎の苦衷は、蓋し思い半ばに過ぐるものがあろう。
この頃わが国では「ペンキ」の名称さえ知れなかった。時代であるから、辰五郎は種々研究熟慮の結果、友人で江戸新橋南金六町にいた唐紙製造経師入江作兵衛氏に色胡粉の調合法を依頼しこの年正月二十日塗工事に着手し下塗り上塗りをなし更に桐油及び荏油にて艶出しを試みた。
 
塗工はかくして最初の試練を終ったが、この調合並びに施工法が余りに拙劣幼稚であったので、辰五郎は通訳コスカドルを利用してコンテエ(注1)氏の同情を買いその紹介により密かに横浜村本牧鼻に停泊せる、米船アンダリア号(注2)に赴き「ペンキ」及び油を得、ペリーの通訳ウィリアムスの支持を以って、外人職工より伝授を受け、二月六日漸く所命の塗工事を完了した。


近代開国の歴史に於いて特筆大書されて居る、米国使節「ペリル」対幕府の顕官林大学頭の応接所であった交易談判所の建設が計らずも辰五郎発奮の動機となり、本邦「ペンキ」の濫觴となったことは、一種の光彩ある奇縁とせねばならぬ。

●塗料の研究開始
明治7年当時日本政府は東京開成学校(現東京大学)に、ゴッドフリード・ワグネル博士(ドイツ人)が招かれ、その助手をしていた茂木春太と弟の重次郎を指導して、顔料および塗料の製造研究を始めました。


ワグネル博士に学んだ茂木重次郎は、明治14年ごろに光明社(現日本ペイント(株))設立し、光明丹(鉛丹)、亜鉛華、堅練りペイント(顔料にボイル油を混入した糊状の塗料)の製造を始めました。  
日本ペイントは現在まで塗料のリーディング・カンパニーです。

2023年6月5日(月)
塗料の歴史-2

■日本のペンキの始まり

日本で最初に塗装が行われた長崎出島と蓬(よもぎ)色

日本で最初にペンキが使われたのは、鎖国政策の下で唯一オランダにだけ認められていた東インド会社(VOC)の日本支店に相当する長崎の出島にあった商館と言われています。

このとき、商館に塗られたペンキの色は「よもぎ色」と言われております。商館に塗るためにわざわざオランダから持ち込んだものではなく、おそらく当時のオランダ船の補修塗料として積まれていたペンキが流用されたものと推測できます。
 
そのことを裏付けるように当時のオランダ船籍の船体に塗られていた黒色も蓬色と一緒に商館の外壁に塗られているのが絵から確認できます。日本の化学塗料の歴史の始まりになります。

■西洋古来の塗料

カラン、ゴム、コップ、スコップ、ズックなどはオランダ語の外来語ですがペンキも語源はオランダ語からきています。
ポルトガル語、オランダ語源の外来語は数百年前に日本に入ってきた古い言葉で日本人でもなじみの多い単語ですね。

バイキング時代の帆船(西暦900年頃)
ここで言う『ペンキ』は大航海時代に、主に帆船の木材保護や水密性の維持のために使用されたオランダ語(pek)を語源としたものを指します。

現在でも商品として売られているスパーワニス(Spar vanish)はマスト周りの艤装品に塗る天然樹液を原料としたワニスのことです。 

また、帆船の開口部を荒天時に塞ぐキャンバスは布に塗料を塗りこんだ物です。 帆にペンキを塗る歴史はノルウェーのバイキングの時代にはすで行われていたのは確かなようです。(バイキング時代の帆船 上図参照)  

いずれにせよ、現在使われている塗料の誕生はノアの箱舟にそれらしきものを塗ったという記述からして船とは切っても切れない関係にありそうです。

2023年5月29日(月)
塗料の歴史-1

■日本古来の塗料

●漆(うるし)

赤色漆塗櫛(福井県鳥浜貝塚遺跡出土)
福井県立若狭歴史民俗資料館蔵
赤色漆塗櫛(福井県鳥浜貝塚遺跡)縄文時代前期(6000-5000年前)の漆塗りの作品です。漆が如何に経年変化に強い樹脂であるかの証明です。

 現在は、建築や家具分野で漆を使用するにはその塗装工程の多さからコスト的に合わずほとんど使われていません。 幸い日本には漆の代用品としてナッツでおなじみのカシュー(cashew)の実から抽出した漆系塗料があります。 色数も豊富で室内家具を漆調に仕上げたい場合に使用されています。(塗料専門店で購入できます。)

●柿渋(かきしぶ)

豊臣秀吉までの大名の城の外壁は、熊本城のように真っ黒な板張りでした。かの大阪城も創建当時は黒い外壁でした。
これは木に防腐剤である柿渋を塗った仕上げです。

これが江戸期以降になると姫路城で有名なしっくいの城壁に変わってゆきます。現在ではお城と言うとまっ白な壁を想定するでしょうが、建築にも流行があるのがわかります。


柿渋は現代で言う防虫防腐塗料のようなもので木材などに塗ってその素材の寿命を延ばす目的で使われてきました。 
浮世絵に描かれている黒塀はこの柿渋に縄の灰を混ぜて溶いた昔の塗料を塗装したものです。 最近では新潟県村上市のように市を挙げて昔ながらの黒塀を市民の力で復活させようというプロジェクトを立ち上げるところも出てきました。

 柿渋の歴史は古いようですが、漆と違って素材そのものが自然へ回帰してしまうのではっきりしません。
柿渋は臭いが最大の難点でしたが、新しい技術によって純粋の柿渋タンニンを取り出すことに成功し、臭いのしない染料・塗料用柿渋も販売されています。


2023年5月22日(月)
インターネットでの営業

■塗り替え工事のインターネットの注意点

最近はインターネットで外装工事業者を紹介するサイトもありますが、紹介料が発生する為、お客様の支払う工事金額は高くなってしまい訪問販売リフォーム会社と変わらなくなってしまいます。

また塗装店を経営していると電話の営業で、「インターネットでお客を集めているので貴社に紹介したい」といったものが大変多く、これは詐欺の一種のものもあります。登録や紹介料と称しお金を取った挙句、工事は紹介されないといった手口です。

しかしインターネットの効用は施工店にとっては大変強力なツールになっています。今まで工事施工店に直接頼めば、安い価格で良い工事が出来る事は分かっていても、中小施工店は営業力が無く、どんな会社かわからない「信用」を得るという点で劣っていました。
しかし現在は中小施工店でもホームページを開設し、直接お客様へアピール出来るようになりました。

モリタ建装もホームページ経由で月に数軒受注し、大きな販売ツールとなっています。またインターネット経由のお客様はコネでの繋がりでないので思っても見ない業種の方や、数千万の工事が決まったりバラエティー豊かで、大変楽しいです。

インターネットは中小塗装施工店とお客様を繋ぐツールです。

モリタ建装のホームページを見て、弊社を信用していただいたお客様ですので、そのご縁のつながりを大切にしています。
適正価格で高品質の工事を常に心がけ、毎回工事完了時には感謝の言葉をいただいています。インターネット経由でも綿密に御見積していますので追加工事なども発生無く、クレームもありません。

このブログを見ていただいて発注下さるお客様もいますので、これからも住宅外装改装の知識やノウハウを発信していきたいと考えます。

2023年5月15日(月)
特殊サイディングの塗り替え

■特殊機能のあるサイディングの塗り替え

近年住宅のサイディングの性能も大きく変わり、遮熱効果や自己洗浄機能を持つタイプが使われてきています。

中には塗装不可なタイプもあり、塗装してしまってトラブルが発生しています。

蓄熱タイプのサイディングに弾性系塗装すると、塗装面がプツプツ膨れてきます。このタイプは弾性系塗装が出来ません。

サイディングに無機系塗装が施してあるタイプは、上に塗る塗料と相性があり、塗装できない物があります。

シリコンやフッソ系塗装の施してあるサイディングは特別な下地処理をしないと塗り替え出来ません。

光触媒効果のあるサイディングに有機塗料をつかうと、光触媒によって有機塗料が破壊されるので塗装できません。無機系塗料なら塗装できます。

これらの知識無くサイディングを塗り替えると大きなトラブルに繋がります。塗装屋とはいえ現在はサイディングの知識も必要なのです。

普通は新築時に特殊サイディングの場合は、建築会社から説明があり認識しているでしょうが、解らない場合は住宅図面の外壁に使われているサイディング製品名を調べ、ネットで検索すればどのような物が使われているか判ります。

2023年5月8日(月)
訪問販売営業にはご注意ください。

■塗り替え工事では訪問販売営業は避けましょう。

様々な改装業者の営業マンが来ますが、何を基準に業者選びをすればよいのでしょうか。

訪問営業の一番の問題点はその営業マンの歩合給が工事金額の
20~30%以上と大変高額な点につきます。
それだけの高歩合が見込めるのであんなに強引でシツコイ営業になるわけです。

改装会社が30%、営業マンが30%取ると、実際に施工する職人には工事金額の40%以下になり、実際の工事はお客様が支払う金額の半分以下の物にしかなりません。

また訪問販売会社の所在地にも注意が必要です。住所がアパートやマンションの所は数年後に無くなっていた等よくあります。

●訪問販売の塗り替え工事見積の注意点

参考:下記に挙げたような見積をする業者は要注意です。

ケース①:塗り替え工事一式・・金○○円のような明細書の無い見積書を提出する業者
≪理由≫
一式見積もりは、流れ作業でいい加減に工事する気マンマンですね・・・ 塗り替えて2-3年後に塗装箇所が透けたり汚染されたり工事完了後に、施工箇所等のトラブルが発生します。 塗る箇所や塗装仕様で費用が変わります。
塗る物を全て細かく㎡、m、ケ所で明記してある見積もりが良い見積です。

ケース②:性能のよい自社オリジナル塗料を使用するので割高になるという業者
≪理由≫
ほとんどが国内塗料メーカーのOEM商品で必ず同等品が存在します。
材料費は塗装仕様や外壁の表面形状(凸凹)で異なりますが工事費の20%前後が目安です。
使用する塗料メーカーはしっかりした知名度を持つところの製品を使いましょう。はっきりいってオリジナル塗料は信用できないと考えましょう。


ケース③:足場を使わない、または足場工事費を故意に安くするか、足場工事費分を値引きする業者
≪理由≫
現在の技術や道具では、足場無しでは施工品質を極端に落とします。なぜなら高品質な塗料だと工程数が3~5工程にもなり、壁面の同じ個所を安定した作業床で何度も施工しなければならないからです。またローラー塗装でも飛散はありますので、全面足場で飛散防止メッシュシートを張らないと、近隣への塗料や臭いの飛散が必ず起こります。

ケース④:30%以上の値引きをしてくる業者
≪理由≫
今すぐに契約頂ければ30%値引きします!など良く聞きますが
正確な見積であれば 30%off では赤字となり、手抜き工事につながります。もともといい加減な見積書といえましょう。

ケース⑤:大量仕入れで材料を安く仕入れるので工事金額を安くできる
≪理由≫
たしかに塗料は大量に購入すると安く購入できますが、塗装会社はもともと安く購入しているのでせいぜい10%程度。材料費は工事費の20%前後で、材料費を無料にしても10%off が限界です。

ケース⑥:一年中キャンペーンを行っている会社
≪理由≫
ここら住宅街の外装改修のモデルハウスにしたいので値引きしますなどは、どのお宅にも言っています。
最初から値引きを考えた高額な見積もりという事です。
普通の会社であれば1年中キャンペーンを行えばつぶれてしまいます。


2023年5月1日(月)
住宅塗り替え費用(見積金額)はどのように決まるか?

■塗り替え工事の見積

現地で施工する工事は、施工前の予算原価と工事完了後の実績原価では工事ごとに違ってしまい、お客様へ事前に適正価格を提示するのは難しいのもです。 

だからと言って、そのリスク負担までを上乗せした見積金額が認められる訳ではありません。 安ければ手抜き工事(薄めて塗る、工程を省く、決められた材料を使わない、・・・)が心配、高くても安心とはいかないのが住宅塗り替え工事です。

そこで改修工事業者の経験やノウハウが重要になり、見えない物を見積もり適正価格に近く、追加工事の出ない見積もりを作成する会社が良い改修業者と言えます。

塗装会社といっても 、実にさまざまな形態の会社があり、工事費用の算出根拠や見積金額も会社の数分あるといっても過言ではないでしょう。
 
【参考】一般的な見積金額の算出基準
ケース①:各塗料メーカーのカタログ等に掲載している設計単価を基準
ケース②:建設物価本の積算単価を基準
ケース③:塗装業者の長年の経験から導いた単価を基準
ケース④:下請け業者に見積もらせた金額に利益を上乗せ
ケース⑤:同業他社を考慮した業界単価を基準
ケース⑥:歩合報酬制の営業マンのいる会社は歩合分を上乗せ

●現地調査は必須です

住宅と言っても外壁がサイディングかモルタル壁かとか、劣化状況はどの程度進んでいてその建物独自の改修方法が異なります。
このため見積作成では必ず現地調査が必須になります。

その建物を隅々まで調査し写真などで建物診断書を作成し、お客様にお客様の建物はこのような問題があるので、このような塗料でこのように改修しますと提案しなければなりません。

現地調査を10分程度で済ませて、雛形のような提案書を提出するような塗り替え業者は信用に当たりませんね。

2023年4月24日(月)
塗装の目的

■使用目的は綺麗にすることと建物を守り価値を高める事です。

塗装の目的は、色彩によりイメージを一新することはもちろん、建物を紫外線や腐食から守る鎧の役割があります。 

最近では、塗料や塗装技術の進歩で遮熱¥断熱などの環境負荷低減や有機物を分解(汚れ除去)する触媒コーティングも住宅塗装に加わりました。

塗装(コーティング)とは、それぞれ役割(機能)を持った樹脂層を塗り重ねて膜を作り、仕上げる作業です。 各層は決められた膜厚を満たさないと期待した年数より早く劣化が始まります。 また、塗り替え工事では旧塗膜との接着性に優れた下塗材(シーラー、プライマ-、フィーラー)を塗り 、その上にトップコート(仕上材)を2回塗するのが一般的です。

●最近の建築塗装

一般に、塗料は溶剤、樹脂、機能の要素を使用目的や環境に合わせて最適な製品として製造されます。

溶剤については、環境問題の観点から有害化合物であるVOC(揮発性有機化合物=Volatile Organic Compounds, Voice of Customerや東インド会社の略ではありません)を意識した塗料が主流になっています。(水性塗料や弱溶剤塗料など)
官庁工事の内装塗装ではVOC測定が義務化されています。

樹脂については 、耐候性(長持ち)を重要視するのであればシリコンやフッソ樹脂塗料でするまた1液タイプや2液混合タイプがあり通常は2液タイプの物の方が耐候性が長いです。
環境を意識した自然塗料なども人気があります。

機能性塗料では、防汚に優れた光触媒(屋外向き)や空気触媒(屋内向き)などの有機物分解機能を有するものや 、夏季の冷房費を低減する遮熱・断熱塗料などがあります。また塗るだけで遮音効果を高めてくれる防音塗料もあります。

2023年4月17日(月)
色々な塗料-5

■使用目的に特化した塗料

●光触媒塗料

塗料の中で最も使用量が多いのは白色ですが、その白の原料である酸化チタンが光(紫外線)にあたると活性酸素を生成します。この活性酸素は強力な酸化力で有機化合物を分解し水と炭酸ガスに変えます。これを光触媒効果と言い、原理は以前から知られていました。

その後、光が当たると酸化チタン表面が水となじみが良い超親水状態(水玉にならない)になる事が見つかりました。
この2つのメカニズムを塗料に取り入れたのが光触媒塗料です。

外壁にこの光触媒塗料を塗装した場合、紫外線によって塗膜表面に付着する汚れ(有機化合物)を分解し、親水化された塗膜は雨が降ることによって、その汚れの下に水が入り込み汚れを洗い流すことができるのです。

しかし施工が難しく現場施工の場合は塗膜の厚みの問題などトラブルが起こっています。

●マイナスイオン塗料

現代社会は大気汚染や近年の発達により、プラスイオンが多い傾向にあります。

マイナスイオンが多く存在する場所は、渓谷や滝のそばなどが一般的には知られていますが、雨上がりの晴れた日なども発生しています。マイナスイオンの多い場所は人をリラックスされる効果があり、現代社会の環境に必要と言われているものです。

マイナスイオンには活性酸素の働きを抑え、細胞本来の働きを取り戻す効果があります。 この塗料で室内を塗装することにより、室内のマイナスイオン濃度を高め、快適な空間を提供できます。

また、空気中に浮遊しているホコリやタバコの煙、カビの胞子などを包み込んで落下させ、アレルギーなどの症状をやわらげるなどの効果も期待でき、 同時に悪臭や有毒ガスを分解し、消臭効果や電磁波からの影響をやわらげる効果もあるといわれています。

2023年4月10日(月)
色々な塗料-4

■使用目的に特化した塗料

●天然塗料

ホルムアルデヒドなど、化学物質が原因で健康を損なう人が年々増えている中、自然の素材を原料とした、人間や環境にも優しい自然塗料が注目されるのは当然の事かもしれません。
ただし耐久性は化学塗料に比べ劣るので数年ごとに塗り替えの必要があるものが多いです。

天然植物油・天然蜜蝋ワックスをベースに製造。
人体に影響が少なく、自然環境を配慮した塗料。 自然素材でも健康障害を引き起こす成分を取り除いた塗料。

古来より使われている漆や柿渋も天然塗料です。

●空気触媒塗料

光触媒塗料に対する無光触媒塗料とも呼ばれます。

シックハウス症候群をなくす為に開発された空気触媒塗料 は空気中の酸素と水分に反応し、いっさい紫外線を必要とすることなく、ホルムアルデヒドなどの有機物を分解できる画期的な商品です。

また、防汚・防カビ・抗菌効果も持ち合わせております。
主に室内クロス面の防汚や日焼け防止、室内の消臭、有害物質の分解、抗菌などさまざまな効果をもたらします。近年ではシックハウス症候群なども社会問題となっています。

空気触媒塗料 はこうした優れた効果がある所から病院、介護施設、保育園、学校、ホテル、旅館、タクシーの車内などいろいろな所で採用、施工されています。

2023年4月3日(月)
色々な塗料-3

■使用目的に特化した塗料

●蓄光塗料

蓄光顔料を練り混んだ蓄光塗料は、耐水性や価格で問題があり、時計の文字版での使用を除いて、一般の工業製品用としては、屋外での使用実績はほとんど見受けられません。
地下鉄の案内板などやビルの通路案内に使われています。

以前はラジウムなど放射線を出すものが使われていますが、現在のものは安全な物が使われています。

●熱反射塗料

一般住宅屋根で使われる遮熱塗装は熱反射効果もあります。

太陽熱反射塗料:反射性能が高いセラミックバルーン(セラミックの小さな中空の粒)や半導体金属酸化物の超微粒子が配合された反射断熱塗料です。

ヒートアイランド対策 
日中の日射を反射することにより蓄熱を抑え、夜間の放射熱を低減します。 

舗装体の長寿命化 
アスファルト舗装体の温度上昇を抑制する事で、わだち掘れの低減が期待できます。  
また蓄熱の高いアスファルトに塗装する事によって温度を下げ、夏の夜の都市熱低減効果があります。

2023年3月27日(月)
色々な塗料-2

■使用目的に特化した塗料

●耐火塗料

主に鉄骨造で使われて、鉄骨に塗装して耐火被覆を形成する塗料です。

以前だとアスベストやロックウールを使用していましたが、アスベストの人体への悪影響や、被膜が薄くできデザイン的に優位なので近年は耐火塗料が使われだしてきています。

(発泡性耐火塗料被覆)250℃程度の温度で塗膜の発泡が起り、290~300℃で断熱層を形成する発泡型断熱有機質系塗料です。

国交省で材料認定をしています。

●導電性塗料

「電気を通す塗料」で、導電性に「金属粉、カーボン、銀粉など」、フィラーとして半導性には「金属酸化物」、帯電防止剤で「カーボンブラック」、接着剤として「アクリル、ビニル、エポキシなど」を混ぜ合わせた塗料です。

住宅には使われませんが工場やプラントのクリーンルームなど静電気を嫌う場所で使われます。似たような商品に電磁波シールド塗料などもあります。


2023年3月20日(月)
色々な塗料-1

■使用目的に特化した塗料

●耐熱塗料

高温になる部位に一般建築用塗料を塗ると、すぐに変色や剥離してしまいます。

耐熱塗料とは、一般樹脂系の塗料で使用できない温度域(通常200℃以上)の所に塗装する塗料です。耐熱温度300℃~700℃までの各温度ごとで別商品が用意されています。

以前だと一般住宅でも煙突などに使用していましたが、現在ではあまり使われません。現在は工場などのプラントで使用しています。

●耐火塗料

主に鉄骨造で使われて、鉄骨に塗装して耐火被覆を形成する塗料です。

以前だとアスベストやロックウールを使用していましたが、アスベストの人体への悪影響や、被膜が薄くできデザイン的に優位なので近年は耐火塗料が使われだしてきています。

(発泡性耐火塗料被覆)250℃程度の温度で塗膜の発泡が起り、290~300℃で断熱層を形成する発泡型断熱有機質系塗料です。

国交省で材料認定をしています。

2023年3月13日(月)
ナノテク塗料

■新技術によって生み出された塗料

本日は2種類のナクテクノロジーを使ったハイテク塗料を紹介します。双方ともまだ建築用は出ていないようですが、塗料の未来が垣間見えるようです。

●自己治癒塗料

付いた傷が消える自己治癒塗料(ナトコペイントの登録商標)。 塗った物が傷付かなくなる「自己治癒塗料」は、重合技術をベースに発展させた「ポリマーアロイ技術」によって生まれた高機能塗料製品の1つです。

これは、塗った物に付いた傷を「治癒する」という、今までにない特長を持たせた製品です。
用途は、携帯端末、車、家具や家電など、擦り傷や打痕傷などで機能がそがれるような商品の表面塗装など無限に広がっていきます。

●ID塗料

もうひとつは「ID塗料」と呼ばれるもので、塗料自体にIDを持たせたものです。オーストラリアのベンチャー企業、データドットテクノロジー社が開発しました。

といっても仕組みはシンプルで塗料の中に直径1mm程度の微少な高分子カプセルが混入されており、そのカプセルには微少文字が書き込まれています。
紫外線(ブラックライト)を当てるとそのカプセル内の文字が浮き上がる。あるいは塗布した部分から塗料を削り取って拡大すると文字を判読することができます。書き込める文字列は十数文字程度で、それをリピートさせてカプセルに封じています。

このID塗料をクルマやPCなど貴重品に塗布し、封入したIDとどこに塗ったかをデータベース化してデータドット社に登録、さらにID塗料が使われていることを示すステッカーを貼って盗難抑止にしています。

2023年3月6日(月)
防塵塗装

■防塵塗料とは

コンクリート床面の経年変化に伴う塵埃の発生を押さえ、人の健康や精密機械を故障から守ります。

工場や大きな厨房の床などで良く使われています。写真はエポキシ系防塵塗料で鏡面仕上げのようにピカピカに仕上がります。

ウレタン系やエポキシ系があり一般住宅では、コンクリートの犬走りやガレージ床に使われています。

工場や病院、学校の教職室などにつかわれていて、油や薬品等への耐性が高く、その平滑性から掃除しやすく汚染しづらく衛生面でも高い性能を有します。

一般住宅ではあまり使われませんが、ガレージや犬走りに使われたりします。

アパートなどでは廊下階段の床にはタキロン等のエンビシートが張られることが多いですが高価な工事の為、防塵塗装で行うケースもあります。

速乾性の高い物、駐車場など高い耐久性の必要な物などケースケースによって製品があります。

2023年2月27日(月)
錆止め塗料

■鉄部に使用するサビ止め塗料

サビ止め塗料

鉄は加工しやすく強靭なため人類にとって古くから多種な道具として使われてきました。建築でも構造体からエクステリアまで多く使われましたが、唯一錆びてしまう大きな欠陥があります。

この為鉄製品は塗り替え時にサビ止め工程が必須になります。

鉛丹サビ止:ボイル油に防錆顔料として鉛丹を配合した常乾サビ止め塗料で、サビ止め塗料としては最も古い歴史を持っています。
現在ではあまり使われません。

シアナミド鉛サビ止:ボイル油に防食性が極めて高いシアナミド鉛を配合したサビ止め塗料で、防食性、付着性、耐水性、曝露耐久性などに優れています。

エポキシ樹脂系サビ止:付着性が強く、強靭な塗膜を形成しますので、塗替え周期を大幅に向上させる事が出来ます。

モリタ建装の鉄部塗装仕様ではエポキシさび止めを使っています。

■浸透性サビ固着塗料

アメリカ サンフランシスコのゴールデンゲート・ブリッジの塗装は永年鉛を含有したサビ止め塗料が使われてきましたが、塗り替え時のケレン作業(サビや旧塗膜をサンダー等で落とす)で空中に鉛が飛散することから現在は使用が禁止されています。

この塗料の特徴はサビを除去するのではなく固めてしまい新たなさびの発生を起こさせないというものです。

浸透性サビ固着塗料の良い点は、現場の環境でサビの除去が出来ない場合、錆びているままで塗っても錆止め効果が非常に高いことです。

■重防食塗料


橋梁をはじめとする構造物は、地球上で最も厳しい環境にさらされるため、塗料なくしては存在しえないといってもいいでしょう。

こうした厳しい環境から被塗物を保護する塗料は重防食塗料と呼ばれ、さまざまな気候や塗装条件に合わせた塗料や塗装システムが開発されています。

海洋構造物、橋梁、鉄塔、プラント等の劣悪環境でも、構造物を腐食から守り美観を維持します。 エポキシ系の塗料が主流です。

高価な塗料ですが一般住宅に一部でも応用するとメリットがあります。


2023年2月20日(月)
サイディングの構造

■サイディング目地について

サイディングは近年外壁材としてもっともよく使用されている材料ですが、その構造はシンプルで、高温多湿に耐え、しかも気密性が高く、施工しやすくなってきております。

サイディング自体は堅牢で防水性能も高いですが、板の為どうしてもつなぎ目が出来てしまいます。
そのつなぎ目にはシーリングが使われていますが、これの耐久年度を過ぎると、亀裂や剥落により漏水が進んでしまいます。

サイディング内に漏水すると、次第にサイディングボード自体が反ってきてスキ間が広がります。
一度反ってしまったサイディングボードは形が固定されて復元できなくなります。

また建物構造物の梁や柱に浸水すると建物自体の強度に問題が出ますし、室内に浸水し壁紙が汚染してしまう事もあります。


1990年代以前の建物では、ボードとボードのつなぎ目(目地)に用いられているシーリング材の下に、ブルーなどの緩衝材(バックアップ材)がありました。
これによりシーリングの亀裂が即漏水に繋がることは少なくなっています。

最近は、サイディングボードの専用取付金具が緩衝材の役目を果たし、直接シーリング材を入れられるものもあります。

なのでサイディングシーリング打ち替え時に、シーリング撤去しても防水性能はあるので、雨天があっても問題ありません。

2023年2月13日(月)
シーリングの工程

■シーリング工事は正確な工事が必須です

窓廻り目地交換の作業はこのシーリング材の劣化状態により工事の方法が違います。あまりにも状態が悪い場合は「打ち替え」といって「シーリング材撤去⇒充填」という方法をとります。
モリタ建装では基本的にサイディング目地は打ち替え、窓回り目地は増し打ちで御見積りしています。

シーリング材の老化が始まった程度の状態は「打ち増し」といって既存シーリング材の上にシーリング材を重ねる作業になります。

作業工程 作業内容

①既存シーリング材撤去 カッターなどで切り目を入れ、既存シーリングを撤去します。
②養生テープ(マスキング) シーリング材を充填する際に、目地以外に余分なシーリング材がつかないよう紙テープなど貼り養生します。
③プライマー塗布 シーリング材の密着性を高めるため、樹脂を塗布します。
④シーリング材充填 強度や弾力性をさらに高めるため、この作業を2回行うこともあります。
⑤仕上げ 充填したシーリング材をヘラでならします。
⑥養生撤去 養生テープを剥がして作業完了です。

近年外壁材としてサイディングボードがよく使われるようになってきましたが、ボードとボードのつなぎ目(目地)に用いられているシーリング材が、10年も持たずに 劣化が進んでいる事例が多く あります。

この目地劣化をそのままにしておくと、建物内部に水がしみ込み、そこから建物本体の劣化が加速されて、家の寿命を著しく短くしてしまうことになります。  一般的に、外壁塗替え塗装工事のときに目地の劣化状況を診断し、必要であれば目地交換をします。

■ポリウレタン系と変成シリコン系

最新は、この目地部を不要にしたサイディングボード(熱による伸縮が少ない素材)が開発され、今後は目地の問題も解決されるものと思われます。

外壁塗り替え(リフォーム・修繕)で使用されるシーリング材は大まかには2種類あります。 

●コーキング材打ちっぱなしのとき⇒変成シリコン系
●コーキング材の上に塗装のとき⇒ウレタン系(ノンブリード型)

変性シリコンを露出させるより、ウレタンシーリングの上からシリコン塗装したほうが耐久性が上がるため、モリタ建装ではこちらを標準仕様としています。

このサイディングボードの目地交換は外壁全体に及ぶ作業です。
仮設足場をかけて行う外壁塗装(塗り替え)とセットで行えば、足場費用の面からも、お得です。

住宅外壁の中でシーリング劣化が一番早い部位はベランダ手摺壁のことが多いので、ここをチェックすることが大切です。

2023年2月6日(月)
シーリングに関する記事

■サイディング壁で一番重要な工事はシーリング工事です

外壁のサイディングを取り付けるときの構造目地や、アルミサッシを取り付けるときには外壁とサッシ枠の間に必ずシーリング材を充填します。
シーリング材は環境にもよりますが6~10年位で劣化が進み当初の機能(防水、伸縮)が維持できなくなります。劣化がさらに進むと建物内部に水がしみ込み、そこから建物本体の劣化が加速され家の寿命を著しく短くしてしまう結果になります。外壁リフォーム時に窓廻りの目地で使用されるシーリング材は大まかには2種類あります。

コーキング材打ちっぱなしとき⇒変成シリコン系
コーキング材の上に塗装のとき⇒ウレタン系(ノンブリード型)

サイディング目地や窓回り目地は建物全体に設置されているため、なるべく外壁リフォーム時の足場が掛かっているときに、この目地交換を行ってもらうのが費用の面からも最適でしょう。

●シーリングの劣化進行

シーリング材自体は練り歯磨き状の弾力性のあるもので、建物の外壁は窓サッシやパネル(金属やコンクリート)で構成されており、それら部材と部材の間には隙間(=目地)があり、この隙間から建物内部への雨水の進入や外気が流入してきます。

これらを防ぐための隙間を埋めるのにシーリング材が使われます。ところがこのシーリング材は温度変化に弱く、劣化すると次のような現象をおこします。
 

老化が始まる (痩せる)


劣化が始まる(ひび割れが見られる)


ひび割れが進み開口する (ひどい状態は剥がれる)

2023年1月30日(月)
住宅屋上防水の種類-2

■シート防水

伸縮性に富んだシート(ゴム系、エンビ系)を使用するので、建物の収縮に追従性する優れた防水材料と言えます。但し、防水材がシートの形状のため、どうしてもつなぎ目に重なる部分が生じることと防水下地の平滑さが必要とされます。

エンビ系シートの機械絶縁工法は現在のところ一般住宅の改修防水工法の中で最も高級な防水工事です。

防水シート自体の劣化が激しい場合はシートそのもの交換になります。このような場合は、旧防水シートの撤去作業が加わりその分工事費がかかります。このような状況になる前に補修工事をするのが賢い選択です。

●密着工法

作業内容

①下地調整
(1)作業に支障をきたす設置物移動(エアコン室外機等・・)
(2)高圧洗浄
(3)付着物撤去

②プライマー塗布
既設面と新規防水塗膜を密着させるための接着剤のようなものをローラーで塗ります。

③部分補修
破損箇所があればゴムシートのパッチを貼ります。

④防水シート貼り付け
平場部分、立ち上がり部分にシートを均一に貼り付けます。

⑤トップコート塗り
紫外線や摩擦に強いウレタン樹脂をコテまたはローラーで塗ります。


●絶縁工法

作業内容

①下地調整
(1)作業に支障をきたす設置物移動(エアコン室外機等・・)
(2)高圧洗浄
(3)付着物撤去

②プライマー塗布
既設面と新規防水塗膜を密着させるための接着剤のようなものをローラーで塗ります。③接着剤塗布
 
③防水シート敷設
 
④トップコート塗り
紫外線や摩擦に強いウレタン樹脂をコテまたはローラーで塗ります。


2023年1月23日(月)
住宅屋上防水の種類

■陸屋根の屋上やベランダ防水

屋上防水

一般の木造住宅では屋上はありませんが、RC(Reinforced Concrete=鉄筋コンクリート)住宅やALC鉄骨造では屋根の代わりに屋上が存在します。屋上防水は施工の違いにより大雑把に次のようにに分けられます。

○塗膜防水
○シート防水
○アスファルト防水

これらは屋上の形状や環境から選択されます。施工価格も異なりますが、どの工法も10~15年程度経過すると改修が必要になります。

□ウレタン防水

ゴムシートなどを貼るシート防水などに比べ、複雑な形状でも簡単に施工でき、つなぎ目の無いシームレスな塗膜で美観に優れるなどの特徴がある。また、改修時に建物の傷み具合や利用方法に最適な防水層を提供でき、改修工事用として需要が多いです。

5,6年毎にトップコート(最上位の塗膜)を再塗装することで15年程度の防水性野の保持が可能です。15年以上の改修工事でもウレタン防水層の塗り重ね(2,3回)で済み、防水層の全面撤去が無い分工事費が安くなります。

①下地調整

(1)作業に支障をきたす設置物移動(エアコン室外機等・・)
(2)高圧洗浄
(3)付着物撤去
(4)必要であれば部分補修

②プライマー塗布

既設面と新規防水塗膜を密着させるための接着剤のようなものをローラーで塗ります。


③防水材塗布

平場部分、立ち上がり部分を均一にコテやゴムベラで仕上げます。

④トップコート塗り

紫外線や摩擦に強いフッソ樹脂トップをローラーで塗ります。

2023年1月16日(月)
ベランダ床FRP防水の補修

ベランダ床FRP防水の補修

■FRPは紫外線に弱いので早めの補修を

最近の木造住宅ベランダ防水はFRP(Fiber Reinforced Plasticの略称)防水が主流ですが、その歴史は浅く1988年にFRP防水材工業会が設立され、その後本格的に普及しました。

そもそも、FRPの技術自体は1970代からその水密性の高さからレジャーボートに使われ、現在ではボートの95%以上がFRPで建造されています。1980年代後半以前のベランダ防水はさまざまな工法で施工され、改修工事で建築当時の状態に戻すのは難しい状況です。 FRPは複合材料の一つで、ガラス繊維にポリエステル樹脂を含ませ、強化した材料で、非常に強靭性と弾力性に優れています。

FRP防水は新築の施工時ではFRP防水してから期間を置いてトップコートを塗ることが多いです。これは他の工事で防水仕上げが汚れることを嫌い、完成間じかにトップコートを塗装して見た目を綺麗にしたいからです。

しかしFRP防水の主材工程からトップコートを塗装する工程間時間が長いとFRPトップコートが数年で細かい亀裂が多く入ってしまいます。まだ5年程度の建物でもFRP防水に細かい亀裂が沢山はいっている建物はこの施工不良の可能性が高いです。

改修工事ではFRP防水の水密性が確保できていれば紫外線や磨耗に強いFRP用トップコート(最終仕上げ材)をコーティングするだけで十分です。

○FRP防水の補修方法

①下地調整

(1)設置物移動(エアコン室外機等・・)
(2)高圧洗浄
(3)付着物撤去

②アセトン脱脂

既存防水トップコートと新規トップコートを密着させるために、アセトンによる脱脂します。
油分や可塑剤等があるとトップコートが剥がれる事故につながります。

③トップコート塗り タフシール#300

紫外線や磨耗に強いタフシール#300を仕上げ材としてローラーで塗ります。

④設置物を戻す

トップコートの乾燥を確かめて設置物を戻す

2023年1月9日(月)
サイディング壁住宅のチェックポイント

■サイディング壁住宅のチェックポイント

サイディング壁住宅のチェックポイントをお話します。

■外壁

日当たりの良い面の外壁を手でなでると白い粉が付くことがあります。これはチョーキング(白亜化)で塗膜の分子結合が紫外線によって破壊された状態です。

既存塗膜の寿命なので再塗装が必要です。

サイディング壁は規格寸法の板が張られているので、板自体からは漏水しませんが、接合部の目地からの漏水が問題になります。
目地に小さな亀裂が出来たり、シーリングが欠落していたらシーリングの再施工が必要になります。
改修時にはシーリングの上から塗装すると目地部分の耐久性が上がります。

■雨樋

エンビ製雨樋は丈夫なものですが、紫外線に弱くだんだんと白っぽく柔軟性が無くなり、劣化が進むと穴が開きます。
初期の段階なら上から塗装することによってエンビ管は守られます。

また金属製の支持金物の錆びにも注意が必要です。

■屋根

コロニアルやモニエル瓦は無機の素材を圧縮した板に塗装が施してありますが、この塗装が劣化すると板自体の劣化につながりタワんだり破壊されたりしますので、劣化が見えたら改修が必要になります。
目視で解かりやすい劣化としては、苔が発生したら要注意です。
写真では塗装のハガレと苔の発生がみられます。

2022年12月26日(月)
モルタル壁の大きな補修

■モルタル壁の大きな補修は適正な施工法を

○下地材の腐食が激しい場合

①腐食・破損箇所を取除く

損傷の及んでいるモルタル、建物の構造部材をすべて撤去します。

②躯体の修復
撤去した建物の構造部材を大工仕事で元通りにし、モルタル用に防水紙とラス金網を取り付けます

○RC(鉄筋コンクリート)住宅の場合:爆裂による欠損

①ハンマーによる斫り

腐食している鉄筋部分をすべて露出させます。

②ケレン作業

鉄筋の腐食部分をきれいに除去します。

③錆止め塗布

最近は、エポキシさび止めが多いようです。

④プライマー塗布

樹脂モルタルの密着をより確かなものにします。

⑤樹脂モルタル充填

既存外壁に模様がある場合はローラー等で同じように模様をつけていきます。

⇒外壁欠損部分の痕跡はほとんど分からなくなります。

補修完了

補修完了後に外壁塗装やタイル貼り工事が続きます。


2022年12月19日(月)
モルタル壁の欠損

■モルタル壁の欠け(欠損)は重大な劣化です。

モルタル外壁の欠損は、外壁が欠けている状態でひび割れよりももっと深刻な状況です。いずれにせよ放置しておけば建物の外観を損ねるのはもちろん、その建物の寿命に影響を与えますので早めに補修をしましょう。


欠損の原因

欠損の原因は違いにより3種類あります。 ①②は目視で見つけることが出来ますが、③の爆裂欠損は建物診断時に打診用
ハンマーで叩いて見つかる場合が多いようです。いずれも工事が必要です。

①衝撃による欠損:外部からの衝撃による欠損
②腐食による剥離:鉄製のラス網の腐食による剥離(木造/鉄骨モルタル住宅)
③爆裂による欠損:内部鉄筋の腐食膨張による欠損=爆裂欠損(RC住宅)

○モルタル壁の欠損の補修方法

補修方法は建物の構造で作業工程が異なります。

①腐食・破損箇所を取除く
損傷の及んでいる箇所をすべて撤去します。

②清掃
損傷箇所を清掃します。

③-1型枠作成
成型が必要な場合は、モルタルが垂れないように型枠を作ります。

③-2モルタル埋め
カチオンモルタルで平らに埋めていきます。

④表面仕上げ
埋めたモルタルが乾いた後、ディスクサンダー等で表面を滑らかに仕上げていきます。

⑤外壁塗装仕上げ
既存外壁に模様がある場合はローラー等で同じように模様をつけていきます。
⇒外壁欠損部分の痕跡はほとんど分からなくなります。

2022年12月12日(月)
外壁の亀裂-モルタル壁

■モルタル壁は必ず亀裂が入ります。

モルタル外壁のひび割れ(クラック)は、外壁のあらゆる箇所に生じることがあります。
とくに地盤沈下によりコンクリート基礎にクラックが入り、やがて外壁に達する場合や外壁開放箇所の窓、ガラリの四隅に生じることがあります。
傷んだ箇所は放っておくと内部に水が入り、建物構造材が腐食してきますので早めの補修をお勧めします。

①伸縮クラック
モルタル背面のボード(パネル)やモルタル自身の温度差による伸縮に耐えられず発生するクラックです。 しばらくすると、クラックの幅は安定し、建物強度には影響しません。主に開口部(窓、ドア)のコーナーに発生します。

②立地条件による壁面クラック
道路や鉄道沿いは車両の通過のたびに細かな振動が発生します。 この振動の影響で外壁にクラックが入ることがあります。

③構造クラック
木造モルタル住宅の構造クラックは地盤沈下や基礎工事の手抜きで基礎(土台)に出来たクラックが建物自体の変形につながり、外壁モルタル面のクラックが入る仕組みです。このクラックが徐々に大きくなるようであれば、かなり危険な状態です。

○亀裂の補修方法

モリタ建装ではクラックの補修方法は、その亀裂の巾によって変えています。

鉄筋コンクリート造では亀裂が0.3mm未満のものはフィラー刷り込み、0.3mm以上のものはUカットシーリングで処置しています。

しかし一般住宅のモルタル壁のUカットシーリングは壁面に大きなダメージを与えてしまうので慎重に行っています。
住宅のモルタル壁は厚みが薄いためUカットシーリングで一部分だけ構造的に弱くなってしまうためです。

一般住宅のモルタル壁の場合は、10年程度経過していると、亀裂の発生は止まっていることが多いため、フィラー刷り込み工法の方が有効な事が多いです。

2022年12月5日(月)
地球温暖化に貢献する遮熱塗料

■屋根塗装には遮熱塗装を

日本の気候は亜熱帯に属し、四季がある素晴らしい国ですが気温は冬は零下で夏は30度を超え、建物にとっては厳しい自然環境と言われています。 また、家庭にとっても冬季の暖房費や夏季の冷房費は響くと同時に、温暖化ガスであるCO2の排出を増加させています。

遮熱塗料を屋根や壁に塗ることで夏場の室内温度上昇を抑え冷房費を低減できます。 また、冬場は夏場に比べ平均日射量が約1/3になり室内温度にはほとんど影響せず暖房費を高くすることはありません。

主な用途は、新生瓦などの窯業系屋根材やトタンなどの金属系屋根材です。 遮熱塗料は比較的新しい塗材で日々新たな機能を追加したものが市場に出てきています。 ほとんどの商品が低汚染、耐候性、防カビ、防藻性などの付加機能を兼ね備えています。
(遮熱塗料を太陽熱高反射塗料ともいう)

弊社標準屋根用塗料 遮熱パラサーモシリコン 日本特殊塗料

太陽光は周波数の低いほうから紫外線→可視光線→赤外線に分類されます。 温度上昇させるのは赤外線で波長帯域は700~2100nmです。 この波長域の赤外線を塗料に混ぜた遮熱顔料(特殊顔料)で大気中に反射させることにより屋根などの被塗物の表面温度の上昇を抑えることができます。

さらに、遮熱効果に断熱効果をプラスするために遮熱顔料にセラミック製の微小中空ビーズ(マイクロバルーン、セラミックビーズ等)を混ぜたガイナ等の商品も開発されています。

住宅塗替え時に、あなたの家をエコ住宅に変身させてみてはいかがですか?
現在お持ちの住宅を、塗装以外の手法でエコ住宅へ変えようとすれば、エコ建材への交換や建物構造まで手を入れる、大掛かりなリフォームになってしまいます。 また、そのとき発生する廃材が新たな環境問題を起こしていることにもなります。
 
屋根の遮熱塗装
今後の地球温暖化を考えると、我々、現役世代が、今できる温暖化防止対策を始めておくことは、地球上に生息するすべての生き物に対する義務ではないでしょうか!

遮熱や断熱塗料による屋根塗装はモリタ建装であれば塗料代が少し高いだけで、塗装労務費(工賃)は一般屋根塗装と変わりません。 通常のシリコン系塗料と比較しても、工事全体では1割も違いが出ません。ぜひ、この機会に遮熱・断熱塗装をして地球温暖化に貢献してみてはいかがですか?
塗装によるエコ対策は費用対効果で優れています。

2022年11月28日(月)
鉄部塗装(錆止め)

■鉄は錆びたらおしまいです。

鉄部の錆止めをする方法はメッキと塗装の2通りあります。どちらも表面コーティングをして空気に触れ鉄が酸化するのを防いでいるだけです。メッキは工場で行うもので、住宅の鉄部のように現場で施工するには塗装が唯一の錆止め方法です。錆を放置しておくと見た目も汚く、やがて鉄の強度がなくなり崩壊します。

最近の錆止め塗料の性能は飛躍的に向上してきています。どんな錆止め塗料を使うかに注意しましょう!

接着力と防錆力からモリタ建装ではエポキシ系さび止めを標準仕様にしています。

鉄部塗装の仕様でよく見かけるのは
1.工具で錆落とし(ケレン)
2.錆止め塗料を塗る
3.ウレタンやシリコン系の上塗り
 
鉄部塗装で一番問題となるのは2番目の工程『②錆止め塗料を塗る』が非常に大きな問題となります。
一番手を抜きやすいのがこのサビ止め工程です。上塗りを掛けるとサビ止め塗料がみえなくなるので、この工程をしっかりする事が鉄部塗装では大切になります。

錆止めの塗料と言ってもよく見かける赤錆色の塗料(鉛系の油性塗料)を使用する場合と変成エポキシ樹脂系の塗料では耐用年数も価格についても大きな開きがあります。(グレーやクリーム系が多い)

鉛系の錆止め使用する場合は1番目の工程でしっかりと錆を落としておかないとすぐに錆が浮いてきます。また、工具でケレン作業をすると鉄部を削ることになり鉄の強度が弱くなったり、騒音や鉄粉の飛散でご近状へ迷惑をかけることにもなります。このような場合には錆を封じ込めて固めてしまう塗料があります。


2022年11月21日(月)
屋根塗装の必要性

■屋根は塗らなくちゃダメ?

屋根は外壁に比べ紫外線や雨風の影響をまともに受けるので、その素材はかなりの耐久性が要求されます。

紫外線の耐久力などの計算では外壁の倍の紫外線量で計算します。

耐久性だけを考えれば日本瓦などの方が強いですが、地震国日本では軽量なスレート系平板瓦(商品名:カラーベスト、コロニアル)が多く使用されています。

特に、カラーベスト、コロニアルの一部には補強材としてアスベスト(石綿)を使用したものもあり、色落ちすると劣化が加速し、アスベストの飛散が憂慮されます。

定期的に屋根を塗り替えることで、アスベストの飛散を防止し、屋根の耐久性も維持でき、雨漏りによる躯体の損傷などを考えると、費用の負担を軽減できます。

またコロニアル板自体が水の浸透等から凸凹にたわんでしまった物件も数多く見受けられます。こうなると屋根の葺き替え工事という大変高額な工事が必要になります。

また、環境負荷(冷暖房費の削減)の低減を考慮した遮熱\断熱塗料を用いる屋根塗装も人気が出てきました。

近年では劣化したコロニアルを撤去せずに、金属製の屋根材をかぶせるカバー工法がコスパも高い為に人気があるようです。

2022年11月14日(月)
外壁塗装工事の見積金額

■住宅の外壁塗装工事の見積金額はどのようにして決まるのか?

≪現状≫
現地で施工する工事は、施工前の予算原価と工事完了後の実績原価では工事ごとに違ってしまい、お客様へ事前に適正価格を提示するのは難しいのもです。 

だからと言って、そのリスク負担までを上乗せした見積金額が認められる訳ではありません。  外壁塗装工事費用の相場も分からず、安ければ手抜き工事(薄めて塗る、工程を省く、決められた材料を使わない、・・・)が心配、高くても安心とはいかないのが住宅 の塗替え工事です。
塗装会社といっても実にさまざまな形態の会社があり、塗装費用の算出根拠や見積金額も会社の数分あるといっても過言ではないでしょう。

【参考】一般的な外壁塗装工事の見積金額算出基準
ケース①:各塗料メーカーのカタログ等に掲載している設計単価を基準
ケース②:建設物価本の塗装工事・積算単価を基準
ケース③:塗装業者の長年の経験から導いた単価を基準
ケース④:下請け業者に見積もらせた金額に利益を上乗せ
ケース⑤:同業他社を考慮した相場(業界単価)を基準
ケース⑥:歩合報酬制の営業マンのいる会社は歩合分を上乗せ

ネット上では『価格ドットコム』のように、どこのショップが一番安いかを調べてオープンにしているサイトがあります。 工場生産で品質に差が無い商品を購入するときには、消費者にとって、この仕組みが最も合理的で有益なものでしょう。 しかしながら、現場施工の外壁塗装工事でこの仕組みを用いれば、 安くするための手抜き工事が続発し、一気に、塗装業界全体がお客様の信頼を失うことになります。
既に、インターネット上には塗装工事の激安を売りに事業を展開している問題塗装(?)会社もあります。

塗装工事は完了時点で綺麗に見せるのは簡単です。
工事完了して数年後に手抜き工事はトラブルが出てくるので、一般の方には判断が難しいですね。

適正な塗料を適正な数量を使い適正な工程を踏む信頼のおける業者選定がいちばん難しい点です。

2022年11月7日(月)
塗料の種類と価格

■色と価格は変わるか?

塗料の価格は色の濃淡と色相で決まります。
これは、色の素となる顔料の値段が青系より赤系が高く、濃彩色になるほど顔料が多く使われるためです。
モリタ建装では基本的に見積は色によって変えていません。

見積時の色?

一般的に、外壁塗装工事の見積もりでは、塗料メーカーの標準色の中から、淡彩色系の塗料価格を基準に塗装費を算出しています。

もし、希望する色が塗料メーカーの標準色でない場合は、塗料販売店または塗料メーカーに注文し、特別に色を作らなければなりません。 

 その場合、標準よりも調色代と材料の分だけ高くなります。

また、最近では色に対する地域住民の意識も高まり、市町村によっては屋根や外壁の色彩系統を条例で決めているところもあります。

外壁塗装色について不安であれば、事前に行政機関の当該窓口(都市計画課など)に問い合わせることで、無用なトラブルを回避できます。

2022年10月31日(月)
塗料の種類と価格

■塗料の価格は成分である樹脂と色で決まる


●溶剤系:
浸透性が高く、外壁の欠損やひび割れなど状態がひどいときやモルタル壁に効果的ですが、有機溶剤特有の臭いを発するので、臭いに敏感な方、環境重視の場合は不向きです。
高圧洗浄なしにホコリを落とす程度の汚れの場合は、すぐに利用できます。また、速乾性があるので工期を短縮できます。 価格は水性系に比べやや高めです。 ただし、下地の状態 や塗装物の素材により使用不可の場合があります。
一般的には水性塗料よりは対候性の高い塗膜を形成します。

●水性系:
溶剤系に比べ、浸透性はやや低いものの、臭いは少ないので、臭いに敏感な方や、環境重視の方にはお勧めです。 ただし、外壁の欠損やひび割れなど状態がひどいときは、 塗料本来の機能(防水性,耐候性など)が発揮できない場合があります。 このような場合は溶剤系をお勧めします。(業者と要相談)
最近の塗替え工事では、汎用性が高く塗り易いのでこの水性系が多く利用されています。

現在、住宅の外壁塗替えで用いられる塗装仕様は、単層弾性、アクリル系、ウレタン系、シリコン 系、フッソ系の5種類が使用されています。

さらに、これらの各塗装仕様は水性系(水道水で希釈)と溶剤系(シンナーで希釈)に分けられますが、水性系より溶剤系の方が長持ちする代わりに価格も高くなります。 

その他に、セラミックを含有したタイプのものが 市場に出てきていますが、一部塗料メーカーではチョーキングやひび割れの問題を完全に解決していないことから、製造していないところもあります。 

セラミックを含んだ塗料には単層弾性からシリコン系まであり、価格差も5~6倍の差があります。 ”XXセラXX”とか”XXセラミXX”などという商品名がつけられ、セラミックというと、硬い陶器や磁器のイメージでを想像るかも知れませんが、焼物とは違い、あくまでも樹脂にセラミック粉を混ぜ合わせた塗料です。

2022年10月24日(月)
住宅外壁塗装の工程

■外壁塗装の工程

塗装作業は被塗物の素材、仕上がりテクスチャ(凹凸模様)、使用塗料でさまざまな方法があります。
塗装前の外壁診断結果で作業工程が異なる場合もあります。

下塗り材について

外壁の種類や素材によって下塗り材は変わります。
たとえば未塗装のサイディングに微弾性フィラーを使うと膨れなどの事故につながる場合があります。
また現状の外壁が光触媒塗料やフッソ塗料が使われている場合は、専用のプライマーを使わないと剥離等の事故につながります。

●シーラー:Sealer(プライマー:Primer)
透明のものと着色してあるものがあります。
旧塗膜や下地材を上塗(仕上げ)材との密着を高めるために塗る下塗り材のことです。
このシーラーは下地の状態、下地材の種類、上塗り材との相性により、最適なものを選択しなければなりません。 選択を誤ると以降の作業や仕上げに悪影響を及ぼします。 ひどい場合は 、新規に塗った塗膜全体が壁から剥がれることがあります。
モリタ建装では外壁への浸透力が高く、下地の強化にもつながる浸透性プライマーを主に使っています。

●フィーラー:Filler
パテとシーラーの効果を合わせ持つのがフィーラーの特長で、壁にひび割れが発生している場合や既存外壁と違った仕上げ(模様、風合い=テクスチャ塗装)にする場合はこちらを利用します。
現在では微弾性フィラーを主に使っています。


2022年10月17日(月)
住宅外壁塗装の目的

■外壁塗装の目的

外壁塗装の目的

 外壁塗装の目的は、大きく分けて次の3通りが考えられます。
 
①外壁を腐食から守る

建築塗装の専門業者は塗装箇所や素材によって、下塗、中塗、上塗りの塗料を使い分けます。 金属部は酸化防止、木部は防虫防腐、外壁は風雨や紫外線による劣化防止、屋根は外壁より厳しい風雨や紫外線、積雪に耐え、遮熱\断熱等の機能を考慮した塗料を選び施工します。

②色彩による外壁イメージの一新

塗装のすばらしさはどのような形状でも、その色彩でイメージを変えることが出来ることです。

外壁色はどのような色でも使用できます。一般的には日本塗料工業会色見本帳から選ばれます。

外壁の2色仕上げなどではカラーシミュレーションでお手伝いしています。

③その他、環境機能を利用

大掛かりなリフォーム工事をせずに、外壁や屋根や窓に遮熱\断熱塗装をすることで、住宅をエコ化することができます。

塗り替えで一番重要なことは、既存塗装面の状況を的確に診断し、必要であればその対策をとることです。

例えば、旧塗膜が剥離している場合は、雨水の侵入を疑い、原因を突き止め、防水処理を行います。 この処理を怠ると 塗替え後、1,2年で右写真のような塗膜剥離を起こし、費用のかかる修繕工事が必要となります。

この例のようなことを起こさないためにも、地元で信頼できる塗装店に依頼することが重要です。 塗装工事の怖さは、施主による工事完了チェック時には、すべての手抜きが覆い隠されてしまっていることです。 

塗膜剥離の実例

塗装作業は、それぞれ役割(機能)を持った樹脂(塗料)をコーティング(塗り重ねて膜を作る)することです。 各層は決められた膜厚を満たさないと、期待した年数より早く劣化が始まります。  

外壁塗装の塗替えでは旧塗膜が剥離していなければ、プライマ-(接着剤)を塗り、その上にトップコート(仕上材)を2回塗りするのが一般的です。  もし剥離していれば、完全に旧塗膜を剥さないと、上写真のような塗膜剥離が数年のうちに起ります。

2022年10月10日(月)
住宅外壁の種類

■住宅外壁の種類

住宅の外壁塗装工事は、外壁の素材や工法により補修内容や使用する塗料が異なります。

(一般戸建住宅では、次の4種類に分けることができます)


外壁素材で異なる塗装前の補修工事
外壁塗装を行う前に、窓枠目地の劣化が進んでいる場合はシーリング材の交換を行います。 また、外壁素材ごとに必要な補修工事があります。 モリタ建装 にご相談ください。

≪モルタル≫
モルタルのクラック(ひび割れ)はシーリング材または樹脂モルタルを注入します。 モルタル欠損があれば、樹脂モルタルを埋めて補修します。

≪サイディング≫
ボード合せ目からの雨漏りによる躯体劣化を防ぐため、必要であれば、サイディングボードの目地交換を外壁塗装工事の前に行います。

≪ALC/RC≫
ALC構造の建物は、雨漏りを防ぐためにALCボードの合せ目にシリング材を注入することがあります。 モルタルのクラック(ひび割れ)はシーリング材または樹脂モルタルを注入します。 モルタル欠損があれば、樹脂モルタルを埋めて補修します。

≪木板張り≫
虫に喰われたり、腐った木材は新しい木材に交換します。 場合によっては、専門の大工工事が必要な場合があります。

2022年10月3日(月)
足場の種類

■色々な足場

○クサビ式足場
ブラケット一側足場は建地にブラケットを取付け、その上に足場板をしき並べ、これを作業床とした一列建地の足場です。
この足場は本足場が設置できない狭い場所や、低層工事用として使用されています。

○本足場
マンションなどの大規模工事に使われる両側足場で広い足場になります。通行にも作業もし易い足場ですが、狭い敷地には掛けられない事や、工事単価が高いです。
このため一般住宅では使わりません。

○丸太足場
丸太を組み立ててつくった足場。
丸太の各部材はスギやヒノキ材を使用し、緊結にはなまし鉄線を用いるため、強度上の信頼性に乏しく組立て解体に手間を要するため、最近では使用されません。


○ローリングタワー
やぐらの最上部に作業床設け、脚柱の下端に車輪を付けて人力により移動できるようにした足場。かなりな足場移動スペースを必要とするため、住宅の塗り替え工事では、ほとんど使用されません。


○脚立足場
脚立を作業床とで構成する足場で、主に室内仕上用の足場に用いられる。脚立には昔は木製が多用されたが、昨今は鋼製、アルミニウム合金製が用いられています。

○高所作業車
トラックに伸縮式のバケットが付いていて、それが上昇する事により高所作業を行います。
足場仮設の出来ない場合に使用しますが、操作に資格がいる事と高所作業車のレンタルに金額が発生します。

2022年9月26日(月)
足場仮設工事について-2

■足場仮設が高額になるケース

足場仮設では工事物件の立地条件などから高額になる場合があります。

1.隣接建物との距離が著しく接近している場合
2.傾斜地
3.車両が入らない路地奥
4.ガードマンを必要とする
5.交通量の多い道路に面している
6.足場が道路に出てしまい、自治体の使用許可等が必要

もちろんこれらは見積書に明記しますので、疑問の場合はご説明します。

足場は重量のある構造物なので、決して事故の無いように、現場の諸条件に対応します。

また工事日の7-10日前に近隣に工事の告知を行います。近隣挨拶はモリタ建装ですべて行います。

■足場工事の安全性・信頼性

本足場と異なり片持ちの一側足場は労働安全衛生法が適用されません。ビケ足場は一側足場になります。
労働安全衛生法では足場に、巾木を取り付ける、二段手摺を取り付ける、落下物防止シートを取り付けるなど決まっていますが、ほとんどの住宅の一側足場には適用されません。

なので足場の堅牢性・安全性はリフォーム会社にゆだねられています。

台風などの強風で足場が倒れる。作業員が足場から落下する。などは警察も乗り出す事故となり、お客様の責任問題にも繋がってしまいますので、安全性と堅固な足場を設置することが大切になります。

2022年9月19日(月)
足場仮設工事について

■良い足場は見た目も綺麗です

一戸建て住宅の場合、以前は丸太や単管パイプで組んでいたこともありましたが、現在ではほとんどビケ足場と言うシステムで足場を組み上げています。

この足場の特徴はシステマチックに組みやすく、幅のある安全な作業床を設けることが出来るため、塗装などの作業効率もよくトータルでは作業日数短縮や丁寧な作業ができる点です。

階数の多い大型物件ですと本足場といわれる、幅員60~120cmある鋼菅枠組足場をかけることもあります。
ただBIKE足場でも同程度のものを掛けることもあり本足場との差はあまりなくなっています。


足場を掛けず梯子などで外装を塗っている現場をたまにみかけます。
たとえローラーによる塗装でも細かい塗料の飛まつは出ますので、近隣に飛んでいってしまいますし、工程数の多い改修は足場なしではできないため、手抜きの工事になってしまいます。

外部改修工事費に占める足場仮設費は結構な価格になりますが、性格で安全な作業には必須なものになります。


たまに縦横がガタガタでシートもよれている足場を見ますが、しっかりした足場は見た目も四角形でスッキリ綺麗です


2022年9月12日(月)
弊社施工物件-26

プレハブ造2階建ての会社店舗です。

こちらの店舗は市内の自動車整備会社です。

こちらの経営者様は私と数十年来の付き合いで、店舗のヌリカエごとに工事を依頼してくれている大切なお客様です。

今回は車検手続きのフランチャイズに新規に入ったため、店舗の塗り替えが必要になり依頼されました。

この赤色はいわゆるコーポレートカラーで、バッチリ色を選定しなくてはならないため、本部にコーポレートカラーの見本を出してもらい、それを塗料メーカーに送って色を作りました。

普通はコーポレートカラーなどDICという印刷の色見本版語で管理しています。しかし塗料では日塗工色見本で管理していますがDICとは互換が無い為注意が必要です。

その赤を基本に会を青を使用して締めています。赤と青は補色の関係にあるので、一般住宅には似合いませんが、ヒビットに仕上げたい店舗などには補色関係の色が使われます。


またプレハブ造の金属性の壁・屋根なので気温対策から遮熱断熱塗料を使いました。

2022年9月5日(月)
弊社施工物件-25

■店舗の塗り替え工事。白の塗料にはラジカル系を

RC造3階建ての会社店舗です。


RC造とは鉄筋コンクリートで作られた建物で、建築費が高額になるため耐久性の必要な公共物なので使われる建築です。

とても堅牢な建物ですが、外壁の亀裂や屋上防水に難点があり、定期的な改修・塗り替え工事が必要です。

こちらの物件も外壁に亀裂が目立ち、爆裂といったRC造独自の重大な劣化もありました。屋上防水も、多分水抜きドレン廻りからの漏水が疑われます。

RC造の修繕は知識とノウハウが必要で、一般住宅ばかりやっている業者では正しい修繕ができません。

モリタ建装は役所の入札に参加しているので、役所で多い鉄筋コンクリート造の建物の修繕には経験とノウハウが豊富なので安心です。

立地がJR赤羽駅の東口商店街にあるので、管轄役所・警察に道路使用許可等の手続きをしました。

商店街の店舗なのでなるべく目立たせたいとの意向から、スーパーホワイトという特に白い色を選定しました。

一般に白といっても塗装の場合は、色々な色が少し混ざっています。これは真っ白だと下地が透けやすいので、各色顔料でカバー性を高めています。

スーパーホワイトだと塗り厚を出さないと仕上がら無いという事です。自動車も白のボディは塗膜が厚いです。

ここで問題になるのが塗料の白は酸化チタンで作られていますが、この酸化チタンは紫外線に非常に弱い為、白の塗装はチョーキング(白粉化)しやすいです。

この酸化チタンの劣化を押さえる塗料がラジカル塗料になります。この物件でもシリコン系ラジカル塗料を使用しました。

2022年8月29日(月)
弊社施工物件-23

■ALC壁の塗り替え工事もやっています。

鉄骨ALC造3階建ての個人住宅です。


ALC壁の場合、板間の目地のシーリングの劣化や痩せに注意が必要です。
こちらの物件もこの目地に亀裂がありかなり痩せて凹んでいたので、ポリウレタンシーリングを増し打ちしました。


シーリングの打ち替えは、旧シーリングを撤去して打ち替えますが、打ちしろ厚が1cm程度見込める場合は増し打ち工法をお勧めします。撤去費がなくなるので半分の工事費になります。


屋上もシンダーコンクリートと仕上げでしたが、表面がボソボソになり亀裂も多く、排水ドレンまわりからの漏水が懸念されたので、エンビ製の改修ドレンに交換し国交省X-1 工法のウレタン防水をしました。

私の経験的に屋上やベランダ防水はドレンからの雨漏りが多いです。改修ドレンは大変有効な防水工事です。

新築した頃から雨漏りに悩んでいたそうですが、今回の改修工事ですべての漏水が止まったと大変喜ばれました。

2022年8月22日(月)
弊社施工物件-23

■テナントビルの塗り替え工事もやっています。

事務所などがはいるテナントビルもよく外装リフォームしています。

こちらはALC造のビルですが、外壁面より内部に漏水していました。

天井が漏水している場合は、大体屋上からの漏水が多いですが、壁面からの場合は外壁面の可能性も大きくなります。

特にALC造の場合は鉄骨造なので、鉄骨をしたたり浸水箇所から離れた場所から漏水する場合があるので注意が必要です。

壁面防水・屋上防水工事を同時に施工すると大きな工事金額がかかってしまいます。

こちらの物件の場合は、屋上防水がまだしっかりしていたので、まず外壁面の防水をして様子を見て、漏水が止まらなかったら屋上防水をするという2段構えの見積書を提出しました。


きちんと外壁面のシーリングを打ち替え、弾性系塗料で壁面防水しシルビアNADシリコンで仕上げました。

改修後3ケ月程度たちますが、大きな台風が来ても漏水は見られません。余計な屋上防水工事をしなくてよかったとオーナー様に喜ばれました。

2022年8月15日(月)
弊社施工物件-22

川口市の店舗の改修工事です。


こちらは全国展開している店舗様で、大変目立つ立地にあるため人の目にも多く触れ、完了後はもちろん経年変化で劣化しない工事が必要と感じました。

大きな会社だとコーポレートカラーといったその会社の決まったカラーがあります。

こちらの会社様の場合、それは真っ赤と真っ白でした。赤と言ってもいろいろありますが、コーポレートカラーだと厳格に決まっているので、本部に色番号を確認して使用しています。

赤、黄、青などの原色は紫外線に特に弱く、経年変化で色が薄くなってしまう色褪せが激しい傾向があります。

そこで対紫外線性能の高い2液型弱用材塗料と言う、物理的に紫外線に強いものを選定し、日本特殊塗料のシルビアNADシリコンを使用しました。

仕上がった時点では、非常に豊かなで深い艶が出ています。

この塗料の特徴はこの艶のまま、この色合いのまま10年以上もつことと、自浄作用により大変汚染しづらい事があげられます。

川口市の伊刈交差点角に建っていますので、ご近所を通行の折にはお確かめください。


2022年8月8日(月)
弊社施工物件-21

■大型店舗の塗り替え工事もやっています。

弊社は大型店舗の改修工事も手がけています。

川口市にある個人所有の店舗です。
建坪600坪程度の大型店舗です。

地元の中規模建設会社から見積が出ていたのですが、工事金額が高かったので弊社に見積り依頼が来ました。
建設会社では塗り替え工事を直接管理できる所はありません。下請けの塗装業者や防水業者にまかせるため、マージンが発生し工事金額が高くなりがちです。

モリタ建装は全て自社施工なのでマージンなどがなくお安い価格で塗り替え工事が出来ます。


外壁はシルビアNADシリコン。屋根は折板金属屋根でボルトにはボルトキャップを取り付け、遮熱パラサーモシリコンを塗装しました。

写真に見える白地の看板の骨組みが鉄骨造でかなり錆びていたので、RB種ケレンの上シルビアNADシリコン塗装しました。


この工事は貸借者変更時の改修だったので営業はしていませんでしたが、店舗の改修の場合は店舗営業中の工事がほとんどなので、お客様の動線・安全管理や後期の短縮などが求められます。


大型物件は現場管理・工程管理が大変ですが、工事完了時には大きな満足感をえられます。

2022年8月1日(月)
弊社施工物件-20

■注文住宅の塗り替え工事

工事名 松戸市 N様邸外部改修工事  
着工日  平成23年6月 
建物構造 木造2階建て モルタル壁
工事内容 外壁・鉄部  塗り替え
屋根   塗り替え
仕様 
外壁 高圧水洗浄-微弾性フィラ-シルビ゛アNADシリコン塗装
鉄部 ケレン-エポキシ系錆び止め-ルビ゛アNADシリコン塗装
屋根 高圧水洗浄-プライマ-遮熱パラサーモシリコン塗装


建坪65坪の大きなお宅です。屋根コロニアルで壁モルタルの上アクリルタイルが吹付てありました。

画面右下の出窓は現場作成のもので、ガラスもすべてカットガラスと大変手間のかかった高級品でしたが、窓周りのパッキンが劣化して外れかかっていたのですべて交換します。

大手ハウスメーカーによる注文建築の立派な建物で、塗り替えを担当させて頂き大変誇らしいとともに下手な仕事は出来ないなと気が引き締まります。
注文建築は特殊な部材を使っている事があり、建築に熟知していないと間違った修繕処理をしてしまう場合があります。
長年の建築経験と一級施工管理技士である私は知識とノウハウが豊富なので安心してお任せください。

新築時はハッキリした緑系の外壁だったそうですが、紫外線劣化によって色が褪せていました。
それを新築時の薄緑の外壁へと復活させました。

緑系は私も好きな色ですが、濃いとヤボったくなってしまう難しい色です。
しかし良い色を選択すると大変落ち着き、周りの樹木などとのコーディネイトも美しく仕上がります。

2022年7月25日(月)
弊社施工物件-18

■プレハブ構造建物の塗り替え

工事名  さいたま市 K様邸外部改修工事  
着工日  平成23年4月 
建物構造 木造2階建て サイディング壁
工事内容 窓周り    変成シリコンシーリング撤去・打直し
外壁・鉄部  塗り替え
屋根 塗り替え
仕様 外壁     高圧水洗浄-微弾性フィラ-遮熱パラサーモ塗装
鉄部 ケレン-エポキシ系錆び止め-ルビ゛アNADシリコン塗装
屋根 高圧水洗浄-プライマ-遮熱パラサーモシリコン塗装

鉄骨と金属サイディングの箱を組み合わせて出来た、いわゆるプレハブ構造の住宅です。

建築の在来工法はほとんど現場製造なので製品の品質にはバラつきが出ますが、プレハブはほとんど工場製造なので自動車のように安定した品質を提供できます。
また工場の箱形なので、現地での組み立てが容易なので工期の短縮も見込めます。

ただ、箱ものなので四角四面の同じような外観の建物になってしまうので、上手に2色仕上げにするなど塗装によって特徴づけすると良いと思います。

以前のプレハブ工法だと屋根・外壁はほとんど金属板でした。

これは夏季には大変高温になり室温の上昇が避けられなかったので、これを緩和するため屋根・壁とも遮熱塗装パラサーモを施工しました。


外壁・屋根色は新築時に近い色にしました。
改修時には色褪せしているので、新築時の色にしたい場合は紫外線のあたらない常に日陰の部分の色を参考にします。

2022年7月18日(月)
弊社施工物件-17

■官庁工事も手掛けています

弊社は川口市と埼玉県の公共工事指名業者です。
公共工事に参加するには、各種資格者や会社会計の審査などを受けなくてはなりません。

公共工事指名業者はある程度の条件をクリアした業者といえましょう。

今回は弊社が受注した公共工事である川口市の橋の塗り替え工事をお話します。

公共工事受注には役所の入札に参加します。


以前は役所の入札室まで行って、書類を入札箱に直接投函していましたが、現在はすべて会社で出来る電子入札に変わっています。

公共工事は材料仕様などは決定しているので、指定された材料を仕様数量、仕様施工法で使用回数を適正に行われているか、工事中何回も役所建築課の検査を受けます。

また書類での検査も多く、小さな工事でも膨大な提出書類が必要になります。

公共施設は地元の皆様の使用するものですので、施工には良い仕事をしようと気合が入ります。

学校などの公共物も工事しますので、安全管理は最大限注意して施工しています。

また、1度改修工事をすると、長期間の耐久性も求められるので民間と比較すると高級高価な材料が使われます。

材料が役所仕様同等なら安心といえましょう。

工事が完了し、市民の皆様が喜んで使用して頂けた時が一番の幸せになります。

川口市に生まれ川口市に育てられた私であり会社であるので、地元の公共工事には誠心誠意良い仕事を心がけています。

もちろん悪い評判でも出たら、公共工事入札に参加できなくなりますので、民間工事も誠心誠意良い仕事を心がけています。

弊社は公共工事の書類・検査など厳格な規格を、民間工事に取り入れて正確な施工を行っています。

2022年7月11日(月)
弊社施工物件-15

■官庁工事も手掛けています

弊社は官庁工事も数多く手がけてきました。

これは川口市戸塚北小学校です。新築時は鉄筋コンクリート打ち放し仕上げでしたが、築10数年でコケや汚染や亀裂により劣化したので、川口市により外装の塗り替え工事が入札となり弊社が受注しました。

総㎡数が2万㎡以上ある大きな建物で、3年間に渡り夏休みを使って工事しました。
弊社が得意とするキクスイ SA工法で打ち放しを美しく復活させる仕様で、低圧注入、高圧注入、爆裂補修、構造目地シーリング打ち替えとRC造の補修がテンコ盛りでした。

これは川口市舟戸小学校です。
こちらは地元ゼネコン様の新築工事の折、外装塗装協力業者として担当しました。

梁・柱部がコンクリート打ち放しでSA工法を使い、一般外壁部はフッソ系塗装を施工しました。

このように地場ゼネコン様の新築物件も塗装業者として数多くのマンション、大規模倉庫、学校、テナントビルなど手がけています。


こちらはさいたま市にある関東財務局の社員寮です。

近年数が減りましたが、以前は新築マンションを年間数十棟施工していました。


大型物件の新築工事は数多くの施工業者が携わり、工程管理、予算管理はもちろん安全管理に渡り綿密な計画と実行力が求められます。
一戸建てから大型プロジェクトまでモリタ建装のノウハウと信頼により手がけさせて頂いています。


2022年7月4日(月)
弊社施工物件-14

■コンクリート打ち放し補修工事

工事名  川口市 Sマンション外部改修工事  
着工日  平成22年6月 
建物構造 鉄筋コンクリート造7階建て 
工事内容 目地     変成シリコンシーリング打ち替え
外壁・鉄部  塗り替え
屋上   ウレタン防水 改修ドレン
仕様 外壁     高圧水洗浄-打ち放し補修キクスイ SA工法
外壁 磁器タイル洗浄-撥水剤塗布
鉄部 ケレン-エポキシ系錆び止め-ルビ゛アNADシリコン塗装
屋上 高圧水洗浄-プルーフロンX-1防水

弊社は一戸建て住宅ばかりでなく、学校・マンション・倉庫などの大型物件も手がけています。


この物件は、RC打ち放し壁とレンガ調の磁器タイル壁からなる瀟洒で落ち着いたマンションです。

しかし経年によりコンクリート打ち放し壁の汚染が大変酷く、苔などが発生し大変汚らしく不衛生になっていました。

コンクリート打ち放し壁は本来高級な壁仕上げで、精度の高い美しい仕上げには高い技術が必要な工法です。

現在では仕上げにシリコンやフッソクリアらよって保護することが多いようですが、以前のものは保護剤が無いため汚染の進行が早いです。

弊社はこのコンクリート打ち放し壁補修工法である、キクスイSA工法の責任施工店で、役所物件も多く手がけています。

また、磁器タイルの洗浄に関しても多く手がけています。


打ち放し壁はキクスイSA工法により新築時以上に綺麗になりました。

写真左下の館名板も施工前は読めないほどでしたが、大変美しく復活しました。


また屋上はウレタン防水の国交省X-1仕様で防水しました。ウレタン防水からエンビシート機械固定式防水まで、防水工事も広範囲にわたり手がけています。

またコンクリート爆裂補修やエポキシ樹脂高圧・低圧注入工法も数多く手がけています。

2022年6月27日(月)
弊社施工物件-13

■手抜き業者にご注意を

築30年の木造一戸建て住宅。5年前に塗り替え工事をしたそうですが、塗り残しの箇所があったりチョーキング劣化が始まっていました。
5年でこれでは改修工事の意味がありません。塗装工事は完了当時は見た目綺麗に仕上がっていても、適切な材料・工法でないとすぐに劣化や不都合が出てきます。
いわゆる手抜き工事です。

特に破風板・窓枠・飾り壁幕板の木部の劣化が進行し、塗膜が剥がれガサガサになっていました。
そこで木部下塗りに日本ペイントのファインプライマーⅡという、エポキシ系の下地調整剤を厚めに塗りこみ下地を作ってから仕上げにかかりました。

良い工事の基本は下地作りを丁寧に正確に行う事が大事です。下地は完成すると見えなくなりますが、ここで手を抜くと耐久性が著しく落ちます。
女性のお化粧もファンデシーションが重要と聞きますが、塗り替え工事でも下地・下塗り処理が重要な工程です。

オーナー様より前回の塗り替え工事と全然違って、すべてが綺麗になったとお褒めをいただきました。
交通量の激しい立地ですが10年は綺麗なままの工事を心がけました。

2022年6月20日(月)
弊社施工物件-12

■賃貸物件にはコスパの良い塗り替えを

工事名   川口市 Y様賃貸住宅外部改修工事  
着工日   平成22年8月 
建物構造  木造2階建て 鉄板サイディング壁
工事内容  窓周り    変成シリコンシーリング撤去・打直し
外壁・鉄部  塗り替え
仕様
外壁    高圧水洗浄-微弾性フィラ-水性シリコン塗装
鉄部    ケレン-エポキシ系錆び止め-ウレタン塗装

築25年の一戸建て賃貸住宅4棟現場です。
当時流行った縦張りの金属サイディングの壁と破風板・軒天井は木製です。
特に木部は塗装は剥がれ、軒天井は落ちてしまった箇所もあり劣化が進んでいました。

工事は2棟ずつ2回に分けて施工しました。これも足場業者が作業しやすい等工事価格圧縮のためです。
劣化の進んだ木部軒天井は張替えの大工工事を行いました。

また外壁色は茶色と白色と地味だったので、上下を2色で茶系のものとグレー系の仕上げにしました。

少し洒落た感じの建物になりました。奥の1戸だけ空き家だったのですが、改修工事完了1ケ月後に入居となりました。

賃貸住宅はオーナー様の月々の収益が決まってますので、その負担にならないように比較的安価な工事を心がけています。

2022年6月13日(月)
弊社施工物件-11

■和風建築のモルタル壁の亀裂

工事名   川口市 S邸外部改修工事  
着工日   平成21年11月 
建物構造  木造2階建て モルタル壁
工事内容  窓周り    変成シリコンシーリング撤去・打直し
外壁・鉄部  塗り替え
仕様
外壁    高圧水洗浄-微弾性フィラ-シルビアNADシリコン塗装
鉄部    ケレン-エポキシ系錆び止め-シルビアNADシリコン塗装

築18年建坪55坪のとても大きな日本風建築の立派な建物でした。

外壁の旧塗膜はリシンという砂壁状の塗装で、日本風の建築には良く使われていますが、表面の凹凸が多く艶もないため、防水性・撥水性が無く、大変汚染や苔の発生のしやすい材料です。

外壁がモルタル壁の場合、一番注意が必要なのはクラック(亀裂)です。
特に窓回りなどの開口部四隅に出来やすく、これは大抵のモルタル壁に見られます。
壁中央に入るクラックは注意が必要で、構造体として弱く壁の耐力に問題がある事があります。

外壁仕上げ色はオーナー様が決定され、パッと見た目はゴールドの様な濃い茶系の色だったので、私としては似合うかな?と疑問だったのですが、実際施工して完成してみると格好の良い日本風建築にピッタリの外観になりました。

オーナー様より色のアドバイスを求められることが良くありますが、プロとしてはどうしても無難な明るい系の色を薦めます。

色の趣味は十人十色で好き嫌いがありますので、ポピュラーな色系で明るい色だと改修後パッと綺麗になったのが分かり易いからです。

濃い色だと色の特徴がハッキリでて好き好きが影響しますし、重厚感も一歩間違えるとヤボったくなる場合があります。

しかし、最近はオーナー様も色々研究され、指定色がハッキリした濃い色の場合がたまにありますが、完成してみると建物に似合った大変綺麗な仕上がりを見せる物件が多いです。

家の雰囲気をガラっと変えたい方は、是非色使いにチャレンジしてください。

2022年6月6日(月)
弊社施工物件-10

■2色仕上げから1色仕上げに

工事名   川口市 N邸外部改修工事  
着工日   令和4年1月 
建物構造  木造2階建て サイディング壁
工事内容  窓周り 変成シリコンシーリング撤去・打直し
外壁目地  変成シリコンシーリング撤去・打直し
外壁・鉄部  塗り替え
屋根    塗り替え

仕様
外壁    高圧水洗浄-微弾性フィラ-シルビアNADシリコン塗装
鉄部    ケレン-エポキシ系錆び止め-シルビアNADシリコン塗装
屋根    高圧水洗浄-プライマ-遮熱パラサーモシリコン塗装

平成21年に弊社で工事したお宅で、弊社施工物件-9で取り上げた物件ですが、今回再びモリタ建装に工事を依頼して頂きました。
これは前回の工事を評価して頂いた事と思いますので、大変うれしく再び間違いのない工事をしなくてはと感じました。

さすが弊社工事の建物なので13年経っても大きな劣化は無く、わずかに色褪せ・チョーキングが見られました。
ただサイディング目地シーリングに亀裂が入りかけていたので工事を決めたそうです。

今回は壁屋根一般塗装部の全てに優秀な弱溶剤2液型シリコン塗料を使ったので、前回工事以上の耐久性が期待できます。

家の中央部に横に飾り梁の入ったお宅は、外壁1階2階で色を変えるお宅が多くN様邸も前回工事では2色に仕上げました。

今回も同じような2色を予想していましたが、ご主人様が上下2色は古く感じ、最近の建物は1色が多いように思うとの事で今回は外壁1色の計画になりました。

また壁飾り梁・雨縦樋などは前回は濃茶で締めた感じでしたが、今回はホワイトで明るい感じにしたいとの事でした。

私も塗り替えの色決定には意見を求められますが、プロとしてはどうしても大胆な色変えは避け無難な配色を薦めています。
万一仕上がってこんな感じでは無かったと思われると困るからです。

ただたまにお客様の方から大胆な色変えを求められますと、私の思いもよらなかった素晴らしい配色で勉強になる事が多くあります。

今回は大胆な色の変更でしたが、素晴らしい配色のお宅にイメージチェンジできたと思いました。
弊社施工物件-9の写真とご比較ください。

2022年5月30日(月)
弊社施工物件-9

工事名   川口市 N邸外部改修工事  
着工日   平成21年10月 
建物構造  木造2階建て サイディング壁
工事内容  窓周り 変成シリコンシーリング撤去・打直し
外壁目地  変成シリコンシーリング撤去・打直し
外壁・鉄部  塗り替え
屋根    塗り替え

仕様
外壁    高圧水洗浄-微弾性フィラ-シリコン塗装
鉄部    ケレン-エポキシ系錆び止め-ウレタン塗装
屋根    高圧水洗浄-プライマ-シリコン系コロニアル塗装

一般的なサイディング壁の住宅です。
かなり外壁色があせている事と、シーリングがかなり劣化していました。

オーナー様の意向は壁上下で色違いにしたいとの事で、カラーシミュレーションで複数案を作成し打ち合わせました。

1階を濃い茶系で2階を明るいクリーム系にして安定感のある落ち着いた雰囲気にしたい。また樋と壁中間の幕板を濃茶で縦横に締めたトーンにする事に決定しました。
シミュレーションより2階壁は1段明るく、1階壁は1段濃く決まりました。

カラーシミュレーションは印刷物で、ディスプレイの色とはどうしても異なってしまうので、色の取り合わせのイメージとして参考頂くよう話しています。

住宅外壁の2色塗装はバッチリ決まると格好よくなります。工事金額も変わりませんので、是非チャレンジしてください。

2色仕上げのアドバイスとしては濃い方の色はより濃く、薄い方の色はより薄く使うと、メリハリの利いた外観が得られます。

こちらのお宅は13年経過した本年の1月に再度工事依頼を受け塗り替え工事を実施しました。

弊社で塗り替えたお宅で10数年後、再び工事を頂くことは大変うれしく名誉に感じます。
今年やった工事は来週にブログに上げます。


2022年5月23日(月)
弊社施工物件-8

■外壁の遮熱塗装

工事名  川口市 Y邸外部改修工事  
着工日  平成21年9月 
建物構造 木造2階建て モルタル壁
工事内容 外壁・鉄部  塗り替え
屋根   塗り替え

仕様  
外壁 高圧水洗浄-微弾性フィラ-遮熱外壁用パラサーモ
鉄部 ケレン-エポキシ系錆び止め-ウレタン塗装
屋根 高圧水洗浄-プライマ-遮熱屋根用パラサーモ塗装

一般的なモルタル壁・コロニアル屋根住宅です。日当たりが大変良い為、夏場の室温が大変高くなるということで、壁・屋根に遮熱塗料パラサーモを使用しました。
住宅の場合、壁には断熱材等により断熱対策が施されているので遮熱塗装による効果は低いですが、断熱処理されていない壁などでは効果が期待できます。

パラサーモは壁・屋根下温度を10℃程度下げてくれる塗料です。
金属屋根やプレハブなどの金属壁で断熱材が入っていないタイプの建物での使用が一番効果的です。

また弊社の一戸建て住宅施工現場は全てBIKE足場を使用しています。システマティックな構造で素早く組み立てられ、堅牢な作業床が設置でき、正確な塗装作業をする事ができます。

壁の断熱効果が少ないなどお困りの方は壁にも外壁用パラサーモをご検討ください。

2022年5月16日(月)
弊社施工物件-7

■緑の多い地区での苔による汚染

工事名  川口市 Y邸外部改修工事  
着工日  平成28年9月 
建物構造 木造2階建て モルタル壁
工事内容 窓周り    変成シリコンシーリング撤去・打直し
外壁目地 変成シリコンシーリング撤去・打直し
外壁・鉄部  塗り替え
屋根     塗り替え

仕様
外壁     高圧水洗浄-微弾性フィラ-遮熱シリコン塗装
鉄部     ケレン-エポキシ系錆び止め-ウレタン塗装
屋根     高圧水洗浄-プライマ-遮熱シリコン系コロニアル塗装


この住宅は初めて見たときはグレー系の2色仕上げだと思いましたが以前は茶系とクリームの2色だったそうです。
色は紫外線により経年変化で褪せてしまいます。このお宅も日の当たらない所に比べて、日当たりの良い場所はかなり色が薄くなっています。

また近隣に森や公園など緑が多く住まうには最高の環境ですが、住宅の外壁に苔や藻が繁殖しやすくなることがあります。
こちらのお宅も外壁北面に苔が繁殖していました。苔や藻が繁殖すると、根が塗装膜を弱くすることと、ジメジメした感じで清潔感も無くなってしまいます。

サイディング壁の住宅の場合、一番重要な工事はシーリングの打ち替えになります。きちんと撤去し2液タイプのシーリング材を使用します。

シリコン系塗料は色褪せに強く防苔・防藻なので、今回の仕上げ色は長く持つと思います。

2022年5月9日(月)
弊社施工物件-6

■石目調塗装で高級感を

工事名  川口市 K邸外部改修工事  

着工日  平成28年7月 
建物構造 鉄骨3階建て ALC壁
工事内容 窓周り    変成シリコンシーリング撤去・打直し
外壁目地  変成シリコンシーリング撤去・打直し
外壁・鉄部  塗り替え

仕様
外壁     高圧水洗浄-カチオンフィラー-キクスイ ナチュラルトーン
外壁     高圧水洗浄-微弾性フィラ-水性ファイコートシリコン塗装
鉄部     ケレン-エポキシ系錆び止め-ウレタン塗装


鉄骨構造でALC板を使った住宅は四角四面の積み木のような建物になりがちです。オーナーもメリハリの無い外観に不満だったので、石目調吹付をポイントに使った改修案を提示しました。

また、見た目はあまり劣化していないようですがチョーキング(白亜化)はかなり進んでいました。白い外壁だと、白い粉をふくチョーキング劣化は解りずらいので注意が必要です。

石目調塗装は下地をカチオンモルタルなどで平滑にし、目地を設けますが、こちらの建物は正面ベランダ面にブロック状の凹凸のあるALCを使用していたので、それをそのまま使用しました。
目地作成は工事費が掛かりますので、予算的にも安価にできます。

基本は白系統の外壁で、ベランダ手摺と1階部に石目調ナチュラルトーンを使用しました。
全体を一般塗装で仕上げる見積金額に20万円弱の追加工事で、これだけのナチュラルトーンを使用できました。

住宅写真
2022年5月2日(月)
弊社施工物件-5

■石目調塗装で高級感を

工事名  川口市 H邸外部改修工事  

着工日  平成26年7月 
建物構造 木造2階建て モルタル壁
工事内容 窓周り    変成シリコンシーリング撤去・打直し
外壁・鉄部  塗り替え

仕様
外壁     高圧水洗浄-微弾性フィラー-ナチュラルトーン
外壁     高圧水洗浄-微弾性フィラ-シリコン塗装
鉄部     ケレン-エポキシ系錆び止め-ウレタン塗装

天然石目調吹付キクスイ ナチュラルトーン施工現場を再び紹介します。

建坪60坪の立派なお宅ですが、外壁の仕上げが単調でメリハリが欲しいとの要望でしたので、石目調を提案しました。

全体をベージュ系でまとめた案件です。自然な雰囲気で優しい感じのコーディネイトです。
この案は結構気に入って頂き、最後まで決定案と悩まれていました。

住宅塗装ではもっともポピュラーな茶系でまとめたものです。
茶系は周りの環境になじみやすく、土埃の汚染にも強い為多く用いられています。
バルコニー手摺に重厚感のある茶系のナチュラルトーンを使い住宅の印象を一変させました。

オーナー様には完成後、メリハリと高級感に大変喜んで頂きました。近隣の方には建て替えて新築したのと勘違いされたそうです。
弊社としても思い出の塗り替え現場となりました。


店舗写真
2022年4月25日(月)
弊社施工物件-4

■店舗の塗装はビビット色で

工事名  鳩ヶ谷市 F自動車外部改修工事  

着工日  平成30年4月 
建物構造 鉄骨2階建て 
工事内容 窓周り 変成シリコンシーリング撤去・打直し
外壁目地 変成シリコンシーリング撤去・打直し
外壁・鉄部  塗り替え

仕様
外壁1階  高圧洗浄-シリコンクリヤ塗装
外壁    高圧水洗浄-微弾性フィラ-シルビアNADシリコン塗装
鉄部    ケレン-エポキシ系錆び止め-パラサーモシリコン塗装

旧鳩ヶ谷市にある自動車整備工場の事務所です。この事務所は昨日取り上げた物件で、10年後にまた弊社に依頼して頂きました。
このように前回塗り替えを頂いたお客様から、次回も弊社に依頼されるお客様が多い事もモリタ建装の自慢です。

自動車修理工場のフランチャイズを変えたことから、店舗のイメージを一新したいとの事から塗り替えを依頼されました。

外壁は赤一色ですが、この色は新しいフランチャイズの企業カラーです。破風板は色の指定はありませんでしたが、オーナー様との打ち合わせで赤に生える色ということで青を選びました。

真っ赤な外壁ですが、上品な青で引き締める事によって上品に仕上がりました。

今回の仕上がりにもオーナー様に大変満足され、私としても満足な工事になりました。

店舗写真2
2022年4月18日(月)
弊社施工物件-3

工事名  鳩ヶ谷市 F自動車外部改修工事  
着工日  平成21年5月 
建物構造 鉄骨2階建て 
工事内容 窓周り 変成シリコンシーリング撤去・打直し
外壁目地 変成シリコンシーリング撤去・打直し
外壁・鉄部  塗り替え

仕様
外壁1階  高圧洗浄-エポキシさび止め-キクスイ ナチュラルトーン
外壁    高圧水洗浄-微弾性フィラ-シルビアNADシリコン塗装
鉄部    ケレン-エポキシ系錆び止め-パラサーモシリコン塗装

旧鳩ヶ谷市にある自動車整備工場の事務所です。

施工前はグレーと濃紺が基調で地味な色の取り合いでした。
今回の塗り替えではとにかく派手にして集客を見込みたいが、下品になってはいけないので、カラーシミュレーションで複数の案件を検討しました。

そこで明るい黄系の壁を基調にビビットなオレンジのラインを入れることに決定しました。また正面一階は天然石調塗装ナチュラルトーンで高級感を出しました。
屋根は折板鉄板屋根で室内温度の上昇緩和の為、遮熱パラサーモシリコンを塗装しました。

本体はプレハブ系の構造で柱が鉄でできています。鉄の塗装で一番大切なことはケレン作業と錆止め塗装です。

ケレンとは旧塗膜の剥離部と錆びの発生した部分を除去する作業です。
特に錆止め塗装ではエポキシ系の物が優れています。エポキシは防錆力と接着力が優れます。
ただエポキシ樹脂は紫外線に弱いので、上塗によってしっかり守ってやる工程が必要です。

住宅写真2
2022年4月11日(月)
弊社施工物件-2

弊社施工物件-2

工事名  練馬区 F邸外部改修工事  
着工日  平成29年3月 
建物構造 木造2階建て 
工事内容  窓周り変成シリコンシーリング撤去・打直し

外壁・鉄部  塗り替え 石目調仕様
屋根      コロニアル専用シリコン塗装

仕様

外壁 高圧水洗浄-微弾性フィラー-キクスイ ナチュラルトーン
外壁 高圧水洗浄-微弾性フィラ-キクスイ 水性ファインコートシリコン
鉄部 ケレン-エポキシ系錆び止め-日ペ ファインウレタン
屋根 高圧水洗浄-プライマー-日ペ ファインシリコンベスト

高級住宅街にあるF様邸。
外壁は新築時にリシンが塗装され落ち着いた雰囲気のお宅でしたが、オーナー様より、もう少し重厚感やメリハリが欲しいとの事で、建物1階部に天然石調吹付塗装を提案しました。

そこでカラーシミュレーションを作成し全体の質感を提案し、色調を検討していき工事となりました。

石目調塗装は高価な塗装ですが、もちろん天然石を貼るよりも1/5程度安価で、重量も軽く既存外壁の強化や剥離を考えなくて施工でき、効果的に使うと住宅にメリハリと高級感を出します。
写真の濃い緑色の外壁が石目調塗装です。玄関回りやベランダ手摺面などに使用すると高級感のある建物に変身する事が出来ます。

オーナー様にも高級感が出たと大変喜ばれ満足していただきました。


2022年4月4日(月)
弊社施工物件-1

工事名  鳩ヶ谷市 S事務所外部改修工事  
着工日  平成30年1月 
建物構造  鉄骨2階建て 
工事内容  
窓周り    変成シリコンシーリング撤去・打直し
外壁     高圧水洗浄-微弾性フィラ-シリコン塗装
鉄部     ケレン-エポキシ系錆び止め-ウレタン塗装
屋根     高圧洗浄-プライマ-遮熱塗装

築25年程度の鉄骨造の事務所ですが、一回塗り替え工事を行っています。
しかし塗り替え時にリシン(砂壁状)の下地処理が悪かったため、塗り替えた塗料があちこちでベラベラ剥げてしまっています。

昔のリシン壁は脆弱なため十分な下地処理をしないとこのように剥げてきてしまいます。

このため対処法として剥けかかっている壁を全て除去し、浸透性と言われる下地に浸透硬化し強化するプライマーを使用し、日本特殊塗料のシルビアNADシリコンで仕上げました。

屋根は折板金属屋根で夏季に2階が凄く暑くなってしまうとの事で、遮熱パラサーモシリコンで仕上げげました。

また取り付けボルトが錆びにより劣化が進んでいたので、全てにボルトキャップを取り付けました。

仕上げ色は私に一任していただきましたので、濃淡のグレー系で仕上げました。鉄窓枠や鉄骨階段は艶消しの黒を使っています。
お客様にはクールに締まった感じになったと好評をいただきました。

2022年3月28日(月)
標準仕様 高級仕様

モリタ建装の塗装プランでは、2通りの仕様を提案しています。
一般の塗り替え工事の標準仕様と、高耐久型の高級仕様です。

■外壁

標準仕様の外壁材は水性ファインコートシリコンで、水性1液型シリコン塗料です。
高級仕様の外壁材はシルビアNADシリコンで、弱溶剤2液型シリコン塗料です。

艶・対候性はシルビアNADシリコンのほうが性能が高いです。

塗料には水系と溶剤系があります。基本的に水系は塗料分子が分散している状態、溶剤系は塗料分子が溶けた状態で、壁に塗られ乾燥するにつれ塗膜を形成します。

分散したものが集合するより、溶けた物が溶着する方が一般的に強靭な塗膜を形成できるため、水系より溶剤系のほうが、一液より二液タイプの塗料の方が強い塗膜を形成できます。(近年のナノテクノロジー製品には例外があります)

シルビアNADシリコンは溶剤系二液型シリコン塗料で、一般住宅用としては最高級ランクのもので、対候性は若干フッソ系に劣りますが、耐汚染性には親水性によって素晴らしい性能を発揮します。(フッソは親油性)

新製品の為、あまり年数の経ったサンプル現場はありませんが、二年程度前にやった弊社施工のシルビアNADシリコンを使用した物件は未だピカピカです。

塗り替えサイクルを劇的に長くするシルビアNADシリコンです。

■一般塗装部

雨樋・破風板・鉄部等は一般塗装部と呼びます。

標準仕様の一般塗装部はファインウレタンU-100で、弱溶剤1液型ウレタン塗料です。
高級仕様の一般塗装部はシルビアNADシリコンで、弱溶剤2液型シリコン塗料です。

艶・対候性はシルビアNADシリコンのほうが性能が高いです。

標準仕様では一般塗装部にはウレタンを使いますが、たまに木・鉄部はシリコン塗料じゃないんですか?と質問を受けていました。

高級仕様の場合、外壁だけでは無く、木・鉄部などの一般塗装部にもシルビアNADシリコンを使用します。

外装リフォームは部位ごとの塗料の選択が重要になってきます。
外壁にいくら高性能な塗料を使っても、一般塗装部などに通常塗料を使うと、一般塗装部の方が早く寿命が来てしまい、次回の改修サイクルが短くなってしまうからです。

モリタ建装(株)の高級仕様は次回の改修時期が15年以降になるような塗料を選定しています。(標準仕様は10年程度)

■屋根

標準仕様の屋根はリリーフNADウレタンで、弱溶剤2液型ウレタン塗料です。遮熱効果はありません。
高級仕様の屋根はパラサーモシリコンで、弱溶剤2液型シリコン塗料です。遮熱効果があります。

高級仕様の屋根には遮熱塗料を使用します。

最近は遮熱塗料が数多く販売されていますが、日本特殊塗料(株)は自動車の遮熱・遮音塗料や飛行機の塗料など製造していて技術力も高く、防水材・塗床材から住宅塗料まで製造する総合塗料メーカーです。

また通常の屋根塗装と比較しても、工事全体では5%程度の増額で遮熱塗装できるので、壁は一般仕様、屋根は遮熱塗装でというお客様も多いです。

2022年3月21日(月)
工事の流れ-3

■屋根塗装

コロニアルはセメントのような無機材を圧縮し塗装したもので、表面塗装が劣化すると無機層までダメージを受け凹凸が出来たり、裂けたり剥離したりしてしまいます。

特に苔・藻などが発生すると根や湿気などから一気に劣化が進みます。

事前に高圧洗浄し専用プライマーを塗布し、遮熱パラサーモシリコンを使用しています。パラサーモシリーズにはパラサーモという商品もあり価格も安いのですがウレタン系の為、紫外線に晒される屋根では耐候性が弱いので、弊社ではすべてシリコン系のパラサーモシリコンを使用しています。

遮熱パラサーモシリコンは真夏の屋根下気温を15℃程度下げてくれる塗料で、工事費も一般のコロニアル塗装と比べても3割弱程度高価なだけなので、屋根塗装を計画している方にはお勧めです。

屋根は外壁と比べて3倍程度紫外線が強いので、分子結合の強い溶剤2液シリコン以上の塗装が必須です。

また棟包み鋼板も劣化しやすいので十分な改修が必要になります。

普段はあまり気が付かない屋根ですが、艶が無くなったり苔・藻が繁殖したら塗り替えの時期です。コロニアル自体が劣化すると屋根全面葺き替えになり、高額な工事費がかかってしまいます。

■和瓦の塗装

和瓦は基本的に塗装は必要ありませんが、モニエルや洋瓦は塗装塗り替えが必要です。
コロニアルより厚みがありますが、表面塗装の寿命は同程度なので同じように改修しています。

コロニアルと比べて凸凹が大きいので、刷毛などを用いて隅々まで塗装しなくてはなりません。

■洋瓦の塗装

モニエル・洋瓦はコロニアルと比較して厚みもあり頑丈な物ですが、和瓦と違い窯業していないため、表面塗膜はコロニアルと同程度の物です。

なので10年以上経過すると改修が必要になってきます。

平たいコロニアルと違い、凸凹の多いモニエル・洋瓦は塗装も手間が掛り正確な技術が必要になってきます。
また和瓦と比べて割れやすいので施工時は注意しています。


2022年3月14日(月)
工事の流れ-2

■養生

塗装しない物をビニール・テープなどで隠す事を養生と言います。
この工程は足場架設と同じく、工事完成時には無くなる作業ですが、綺麗な仕上げには欠かせない重要な工程です。

塗装しない物を塗装してしまうと掃除が大変ですし、仕上がりにも影響が出てしまいます。

養生ではガムテープで真っ直ぐに貼り付けることが大切で、この時テープがヨレヨレしたり密着が甘かったりすると、仕上げもヨレヨレのエッジになってしまいます。

テープがビシっと直線で、ビニールもダブつく事無くスッキリと収まっている養生が良い仕事の証にもなります。

養生では扉や窓はふさがれてしまいますが、開閉は出来るように養生しています。

■シーリング

外壁がサイディングの場合、一番重要な工程がシーリングの打ち替え工事です。
サイディング自体からは漏水しませんが、シーリングが劣化するとそこから漏水が始まります。

シーリングの打ち替えは、既存シーリングを撤去し、シーリング用プライマーを塗布します。

このとき写真でみえる青いテープ養生をしないと、新規シーリングの目地がガタガタになり汚い仕上げになってしまいます。

シーリングは現場調合型の2液型シーリング材を使用し、専用カートリッジで打設します。
塗装仕上げの場合はポリウレタン系を、未塗装の場合は変成シリコン系を使用します。

打設したらしっかりヘラで押えます。これは大事な工程で仕上がりを平滑にするためだけでなく、目地の隅々まで充填するようにしっかり押さえます。

■塗装の下塗り

弊社の標準仕様では外壁塗装は、下塗りにはエポキシ系シーラか微弾性フィラーを、上塗りにはシリコン系の塗装をします。

下塗り1回、上塗り2回という工程はメーカーによる仕様で、カタログにも明記してあります。各工程間養生時間は1日以上あけています。

弊社の高級仕様ではターペン可溶2液型シルビアNADシリコン(日本特殊塗料㈱)という非常に耐久性が高く、高親水性の為、汚染しづらい塗料を使用しています。


2022年3月7日(月)
工事の流れ-1

■工事前準備

見積もり、建物診断書、仕様書などを提示し工事が決定すると、弊社と工事請負契約書をかわし工事がはじまります。

工事は足場架設から始まりますが、事前に架設に邪魔になる物の移動、邪魔になるカーポート屋根の取り外し、塗装の邪魔になる樹木の枝払いなどをします。

重い物等の移動は作業員におまかせください。
重機を使うわけではないのであまりに重い物はそのまま塗装進行する事もありますが、動かせるものはすべて動かします。

外装工事の工期は、建坪40坪程度の壁サイディング・屋根塗装までする現場で大体2週間程度です。屋根・シーリング工事の無いモルタル壁ですと10日程度になります

丁寧な工事をしますので、このくらいはかかります。

■足場工事

工事は足場架設に始まり足場解体で終わります。
足場は工事が完了すると無くなるのに、結構な工事費が掛かるため、たまにお客様から高いと言われます。


大体工事総額の15~20%が足場工事費になりますが、たとえば壁で言うと同じ場所で5工程以上作業する事になるので、堅牢な作業台が必要になります。
正確な作業と作業者の安全を確保するためにも足場は必須な物となります。

きちんとした足場の現場は仕上げも正確で信頼性のあるものになります。

■高圧洗浄

壁や屋根には汚染・苔発生など塗装に障害のある劣化が進んでいます。
また既存塗膜のチョーキング(白亜化)も塗装の塗り替えの障害になります。

一般に販売されている家庭用の高圧洗浄機は5~7Mpa程度ですが、弊社は15Mpaという高圧の業務用洗浄機で洗います。1Mpaは10気圧です。

この高圧洗浄を丁寧にやらないと、塗り替えた塗装が剥離したり変色したり不具合が生じます。

高圧洗浄の時にはサービスで、ガレージ土間・塀・犬走り・土間タイルなどは一緒に高圧洗浄しています。
見積もりには入れてませんが、施工前よりすべてのものを綺麗にしたいという弊社の理念から水洗浄して綺麗になる物は一緒に洗浄しています。

外部改修工事が完了すると外壁や屋根は綺麗になりますが、これら土間などが汚いままだと、今まで以上に目立ってしまうからです。

2022年2月28日(月)
すぐ解る塗り替えサイン

■塗膜の剥がれ

塗装がベロンと剥がれている物を見かけますが、これは前回塗装時に下地処理の不具合によりなる事が多いです。

前回塗装時に下地のケレンが甘く、下地から剥けてくるものを良く見かけます。

また、塗装膜表面のヒビから水が内部に侵入し剥離するものもあります。 

木部の破風板、窓枠などのハガレは、塗膜の劣化から木部に水が浸透しフヤけるなどして剥がれてしまいます。


■サイディング目地の亀裂亀裂

最近多くなった外壁サイディング住宅の一番の欠点は、サイディング目地のシーリングの劣化・裂けです。

サイディング自体は防水性の高い構造ですが、目地部分が劣化するとそこから雨水が浸透してしますます。
特に露出したシーリングは10年以内に劣化してしまいます。
表面を塗装すると紫外線から守られ、持ちは随分長くなります。

モリタ建装ではサイディング住宅の塗り替え時は、サイディング・窓間より目地のシーリングを新しく打った後、シリコン系の外壁塗料を塗り込みますので、シーリングの寿命は長くなります。

サイディングはまだそれほど劣化していなくても、シーリングが劣化や避けたら改修工事のサインになります。 


■鉄部の錆

鉄部は構造的に強靭なので建築に良く用いられていましたが、錆びてしまうという欠点があります。

頑丈な鉄ですが、錆びるとすぐに劣化が進んでしまいます。錆が見えたらすぐに塗り替えが必要です。

錆びは鉄と水と空気の接触によって起こりますので、空気や水と接触させなければ錆びません。そのため高性能なエポキシ系錆止めによって下塗りをしたうにウレタンまたはシリコン系の塗装を施します。

こうまでしても10年はもちません。鉄部は住宅の外部の部材の中で一番劣化の早い物なので注意が必要となります。 


2022年2月21日(月)
すぐ解る塗り替えサイン-苔・藻

常に日陰でジメジメしている場所では、外壁に苔や藻が繁殖します。

近隣に公園や森がある所では特に繁殖しやすいです。

住宅では日照の少ない北面や屋根コロニアルに発生しやすいです。


これらは非衛生的でありますし見た目も悪く、根が外壁塗装面を侵食しますので著しく劣化を早めます。

また塗料は基本的に常に水分に浸されていると劣化が早まるので、現状の塗装の傷みも早いです。

しかも 表面だけ綺麗にしても根が残っていると再び何度でも繁茂します。

苔や藻の処理は表面だけでなく、根から断ち切ることが大切です。

除去には高圧洗浄で対応していますが、根などが残る場合は薬品によって落とします。


特にシリコン系の塗料は防苔・防藻効果が高いので、塗り替えによって解消されます。

苔や藻が屋根や外壁等に見られたら早急な対処が必要になります、

2022年2月14日(月)
すぐ解る塗り替えサイン-チョーキング 亀裂

■チョーキング

チョーキングとは白亜化ともいい既存塗装が粉状になる現象です。

これは塗料の分子結合が紫外線のエネルギーによりバラバラになる状態で、塗膜の寿命になります。


塗膜はチョーキングすると撥水性・耐水性が無くなり下地を守る力が無くなりますので、早急な塗り替えが必要になります。

手でこすって白い粉が着くことによりチョーキングの進行がが解ります。
セロファンテープを塗装面に貼って密着後剥がしても調査できます。

チョーキングした塗装面の塗り替えには、高圧水洗浄または充分なケレンが必須になります。

■モルタル壁の亀裂

特にモルタル壁の場合は外壁面に亀裂(クラック)がはいる事があります。

壁面が部分的に強く歪んだり、モルタルの乾燥収縮によって出来ますが、一般住宅の場合は特に窓の四隅に亀裂の入ることが多いです。


ヘアークラックの様な細い亀裂はモルタル・塗膜の表面だけの亀裂なので建物内への漏水の心配はあまりありませんが、0.5mm前後以上の亀裂は壁面を貫通して入り建物内部への漏水が見られるものもあります。

塗膜も表面のトップコートは水に強いですが、その下層の下塗りや錆止め材は水に弱いのでヘアークラックでも放置しておくと、塗膜は急激に劣化して剥離してしまいます。

2022年2月7日(月)
木製品の洗浄と塗装

和風建築などによく見られますが、玄関周りに木材を使い木目を生かした仕上げにしている物件があります。
高級感があり上品な仕上げですが、どうしても外部木材は紫外線による劣化に弱いです。

しかし経年変化により汚染されてしまった木部の塗り替えは難しく、塗装業者の技能が問われる工事になります。

汚染がひどく木目仕上げの不可能な物はウレタン又はシリコン塗装で単色にせざるを得ない場合もありますが、そうひどく無い場合は再度木目仕上げが可能です。

木部専用のクリーナーを使用し汚染やアクを抜く処置をします。

木目仕上げの木部は、専用洗浄剤によって綺麗に清掃します。

汚染や劣化の程度によっては若干ムラになって落ちるので、仕上げではムラとなって残ります。

基本的に木部の木目仕上げは多少のムラはでてしまいます。

木部の洗浄が終わったら十分乾燥させます。む
その後、日本特殊塗料のニューシールステインを塗布して完了します。

木部木地仕上げはノウハウと技術の必要な塗装です。

なるべく木地仕上げはそのまま補修しますが、あまりに劣化した木材は木地仕上げが不可能なため、ペンキでの単色仕上げになってしまいます。
これだとせっかくの高級感が無くなってペターっとした仕上げになってしまいます。

木地仕上げの木部はあまり劣化の進まないうちに改修が必須です。

2022年1月31日(月)
磁器タイルの改修工事

磁器タイルは堅牢で劣化しづらいですが、経年変化により汚染します。
染みん込んだ汚染なので高圧洗浄だけでは落とせないので、専用の薬品を使って綺麗にします。

■磁器タイルの薬品洗浄

弊社は(株)ミヤキのピカソというタイル専用洗浄剤を使っていますが、希釈度を変えることによってあらゆる汚れに対応して綺麗にします。

ローラーでピカソを塗り、10分程度したら水洗いして洗浄します。

磁器タイルの洗浄が完了しても、そのままだとまたじきに汚染してしまいます。
特に目地のモルタル部分は経年変化により汚染しやすくなっているので、なんらかの保護処理が必要になります。
撥水剤を塗布する仕様もありますが、今回は保護塗料を紹介します。

■磁器タイルの保護塗装

弊社では(株)日本特殊塗料のタイルピカ工法によりタイルを保護します。
密着性の高い透明のクリアーによって保護する工法です。
写真では艶が出ていますが、つや消し仕上げもあります。

また、下地の状態や予算の問題から撥水剤を塗る処置をする場合もあります。

■磁器タイルからの雨漏り

タイルに入った亀裂から漏水する事があります。

この場合には透明の防水コーティングのセブンSを使用して防水します。

透明の防水材なのでタイル模様は残ります。


2022年1月24日(月)
その他の屋上防水

ウレタン防水以外にも数種の防水工法があります、

■FRP防水

築20年前後の住宅ではベランダの床に良く見る工法です。
公園の池にあるボートはFRP製で、強靭でシナリ小面積では大変優秀な防水になります。
ただFRP自体は半透明の物で紫外線に大変弱い為、グレーのトップコートで守られなくてはなりません。

このグレーのトップコートに小亀裂が入っていたり、剥がれがあるとトップコートの塗り替えが必要です。

モリタ建装(株)では見積にFRPトップコートの塗り替えを見ています。

■シート防水

シートには主にゴムシートとエンビシートがあります。

ゴムシート防水は一般住宅にはほぼ使われません。

ハウスメーカーなどでは陸屋根の屋上にエンビシート防水を使っています。

これは優秀な防水材ですが、施工が難しいことと工事価格が高価になります。

モリタ建装(株)ではエンビシートは上手なシート専門業者に頼んで施工しています。

■板金防水

築20年以上前の住宅では板金防水が使われています。

これは金属にグリーンなどのコーティングが施された板が床に貼ってあります。

また手摺側に側溝がありこれは銅製品で、近年の酸性雨でこの溝部に穴が開き漏水する事象があります。

2022年1月17日(月)
防水工事

屋根が平らな陸屋根やバルコニー土間には防水工事が必要に成ります。
防水には多様な種類がありますが、これがベストと言うものが無く、現場の状況・建物の部分・下地の状態から工法を選んでいきます。

今回は防水性能が高く、下地や形状を選ばないウレタン防水緩衝工法
(国土交通省X-1仕様)を紹介していきます。

ほとんどの建物が水によって寿命を縮めています。建物内部を腐らせ、劣化させるのは、屋上やバルコニーなどの隙間から入ってくる水などです。

一般的に塗膜防水の寿命は、7~12年と言われてますが、工法や仕様、建物の環境や手入れの状況によって、寿命というのはかなりの開きがあります。逆に言えば、7年持たないケースもあります。

定期的に点検をして、防水効果の状態を確認し、適切な時期に改修をするというのも大切です。なるべく早いうちに手を打っておく事が、費用の倍増をも防ぐことになるのです。

■ウレタン防水のメリット
ウレタン防水はウレタン主材を屋上面にまんべんなく塗布する事によって、繋ぎ目の無いシームレスな防水層を作ることが出来ます。
この為、漏水には非常に強い防水材であり、狭小地や複雑な屋上にも対応できます。

ウレタン防水緩衝工法の作業の流れをお話しします。

■高圧洗浄 下地調整
まず15Mpaの高圧洗浄を行い、下地調整を行います。
不陸部分があればカチオンモルタルで平坦にしたり、防水に支障の出るものを撤去したりします。

ウレタン防水の欠点として、施工後にプクプク浮きが出てくる事があります。
これは下地に存在していた水分が、特に夏場などに水蒸気となりウレタン層を膨らませてしまう現象です。

■通気緩衝シート 脱気筒

そこでAV緩衝シートを下地全面に貼ります。このシートは空気が通る構造で、この後取り付ける脱気筒により水蒸気を外に逃がすシステムが取られます。

緩衝シートを貼ったら全体にウレタン主材1層目を全体に塗布します。
そして規定数量の脱気筒を、基本的には水上の部分に取り付けます。

下地に残った湿気などはこの脱気筒を通して抜けていくので、ウレタン自体が膨らむことはありません。

また脱気筒は屋根の傾斜の高いところ(水上)に取り付けます。これは水蒸気は低いところから高いところに移動する為、低いところに取り付けると水蒸気の抜けが悪くなるためです。

ウレタン主材は防水効果は高いのですが、紫外線に弱いのでトップコートで守らなくてはなりません。

■フッソトップコート

一般のウレタン防水トップコートはウレタン系なので5年程度しか持ちません。なのでモリタ建装では通常フッソ系トップコートを使用しています。これだと多少高価ですが10年は持ちます。

2022年1月10日(月)
サービス工事

ついでにポストを塗って欲しいなど、金額的に大きくないものは良くサービスとして塗装していますが、その他にも本工事のついでにサービスしているものを紹介します。

■高圧水洗浄

外壁や屋根を塗装するには高圧洗浄が必須です。圧力も150気圧(15Mpa)と最近一般用に売られている洗浄機の2~3倍のものを使用しています。

モリタ建装は塗装するものの洗浄はもちろん、玄関やガレージの土間、塗装しない塀などもサービスで綺麗にしています。
全てを工事前より綺麗にしたい思いからです。

土間に貼ってあるタイルやインターロッキングなども洗浄すればそこそこ綺麗になります。

■見積り外の物

郵便ポストや庭の外灯など少量の物はサービスで塗装しています。
建物自体が綺麗になると未塗装の物の小さな汚れでも気になりますので、塗装して全て綺麗にしています。
ただ玄関扉や窓枠などのアルミ製品は塗装してもすぐ剥がれてしまうので塗装は不可になります。
アルミは錆びないと言われていますが、色が退職したり、白い点々の錆が発生します。

■樹木など

建物全体に足場が掛かるので、普段は作業しづらい高所の樹木の切断も頼まれる事があります。
電動ノコギリを使いますので太い樹木でも対応できます。

■廃棄物

大きな家電製品や家具などの廃棄を相談請ける事もありますが、大きなものに関しては有料にて対応しています。
弊社がいつも使ってる産廃業者ですので料金もお安くできます。


工事以外の事でも是非ご相談ください。

2021年12月27日(月)
塗り替え時期の選定

普段生活をしているとなかなか外装の劣化には気が付きません。
近隣の同年代の建物の塗り替え工事等があると気が付く程度でしょう。

■塗り替えに適した時期かどうか

家屋全体に足場をかけての塗り替え工事は、総体的に施工するのがお得です。屋根の劣化が気になる場合などには、足場が必要かどうかや、いっしょに外壁を塗った方がよいかなど施工範囲を決めることが大切です。

また、劣化の程度によっては塗装によるメンテナンスよりも張替えや交換の必要性が生じます。外壁のひび割れや屋根の劣化などが、早急な工事を必要としているかの判断が大切です。特に、木部や鉄部の腐食には注意が必要です。

■全体的な点検

総体的な点検を致しますので、サッシの建て付け不良や雨といのつまり・雨といの勾配の不具合による雨水の逆流や「たまり」などの様子もご報告いたしております。
内部のクロスの汚れや床・階段のキズ・和室白木の黒ずみや雨シミに関してなど、家屋全般のご相談を承っております。

■サイディング壁の注意点

サイディング壁で一番注意を要するのはサイディング板間や窓回りのシーリングの劣化です。

まず微細な亀裂が入り、徐々に大きな亀裂になり、放置し続けるとシーリングが無くなり後ろの青色のジョイナーが見えてきます。

また近年のサイディング板は耐久性があり劣化しませんが、破風板やエンビトイなどがチョーキングにより劣化が進んでいる事がありますので注意が必要です。

■モルタル壁の注意点

モルタル壁は必ず亀裂が入る性質のものです。0.3mm未満のヘヤークラック程度でしたら室内への浸水の恐れはないので緊急性は低いです。

0.3mm以上の構造亀裂だと室内への浸水や柱や梁の浸水により腐りや劣化が心配です。

■コロニアル屋根の注意点

コロニアルはスレートの薄い板なので変形しやすいものです。汚れによって塗膜が無くなったり、コケが発生するとコロニアル板の亀裂や変形が始まります。

これらの事象が見られたら塗り替えが必要になります。

2021年12月20日(月)
木製品の塗装

玄関木製扉などでオイルステイン仕上げ、いわゆる木目仕上げしているものがあります。
重厚感があり、オーガニックな感じでとても良い質感があります。
しかしオイルステインでは仕上げにウレタンクリヤ等が使われていますが、この耐久力は10年弱です。
また太陽の紫外線に弱いので、常に太陽光の当たる部分の劣化は大変早いです。
クリヤが劣化すると木製建具を守れなくなり、木部に浸水して建具自体の腐食が進みますので、艶が無くなったなどの劣化の兆候が見えたら早め早めの再塗装が必須です。

■木製扉

木製扉でオイルステイン仕上げの物は、室内側は綺麗なのに外部側は紫外線により劣化してしまうことがおおいです。

オイルステイン仕上げは木地仕上げともいい、木目の見えるように木を染め透明なクリアーによって保護していますが、以前のクリアは紫外性に弱い為、良く日に当たり湿潤な下部の劣化が激しいです。

この状態のドアの塗装補修は難しく、丁寧な技術が必要になります。
全体をケレンし、木を目立たないように染め直してウレタンまたはシリコンクリアによって保護します。

若干の染めムラはありますが施工前に比べて綺麗になり、シリコンクリアにより守られています。

■木製の濡れ縁

濡れ縁とはいわゆる縁側で、木製の為、表面塗膜がなくなるとボロボロになってしましいます。

濡れ縁の塗り替えには、劣化塗膜の処理と、塗装の密着性・防水性や耐候性がポイント。木目を活かした浸透性の塗料や生地仕上げも可能。
エポキシ系の下塗り材で強化の上、ウレタンまたはシリコン塗料によって守ります。
裏側もキッチリ塗ります。

■木製の付け梁

建物外壁の1階と2階の間にある板を付け梁と呼びます。
サイディングの建物に多いですが、木製の物は塗膜の劣化から木自体の劣化が進んでいるものがよく見受けられます、

塗装に際しては、繋ぎ目はシーリングしエポキシ系下塗り材で全面を強化したうえ塗装します。
建物にアクセントを与えるためにも色は濃い目の物を薦めています。

古い木製品の塗装で大切なことは、しっかりケレンする事とエポキシ系の接着力の強い下塗り材を使う事が重要になります。


2021年12月13日(月)
外壁の劣化・汚染4 モルタル壁

木造の土壁などのモルタル壁や鉄筋コンクリート造の外壁の場合

1)ひび割れの発生 モルタル外壁の場合

■モルタル外壁では、ひび割れの現象が良く見られます。ひび割れはモルタル自体の熱収縮・乾燥収縮・挙動、建物自体の変動・変形等の原因によって発生します。

■放置しますと、雨水の内部への侵入により外壁モルタルの【浮き】や【剥落】の心配も生じます。下地ボードの強度が低下したり、ラスと呼ばれる金アミのサビの発生も心配となります。

■地震や構造部材のひずみに起因する場合や、新築時の左官工事における工程間隔などの原因も考えられます。

■材料の混合比率や厚み、下地の貼り付け具合など、原因はさまざまです。地盤沈下や道路の交通量が大きい場合の振動などが影響する場合もあります。

外壁のひび割れは美観を損ねるだけではなく、家屋の構造の強度にも影響します。
雨水の侵入により、大掛かりな外壁工事が必要となることも事実ですが、セールスマンの指摘ポイントとして、適切ではない状況説明により、不必要な不安感を与えるなどの話題が聞かれるようになってきました。

サイディング壁では外壁面の歪みは、ある程度まではサイディング目地のシーリングが吸収する為、壁にヒビが入ることは少ないですが、写真のようにモルタル壁の特に窓回り部分は、構造的に弱い為ヒビが入り易いです。

モリタ建装では0.3mm以上のヒビにはハンドスムース工法、0.3mm未満のヒビはフィラー摺り込みによって補修しています。

塗装工事により、適切な下地処理と、現況に適合した塗料の選択を踏まえた施工仕様により、ひび割れに対して有効な施工が可能です。

サイディングへの張り替えにより、【塗替えはもう必要ありません】と言われたというお話しを、施主様からお聞きすることがありますが、そのような塗装膜をもったサイディングは、紫外線による耐侯性試験の結果が優良である部材を指していることだと感じます。半永久的に色あせや退色が起こらない外壁材は、現場においてはいまだ見る機会に恵まれておりません。

0.3mm未満の亀裂はヘヤークラックと呼ばれます

■塗膜のはがれ・穴・ヘヤークラック

塗膜の劣化 ひび割れとヘヤークラック

■ひび割れからの雨水の浸入は、塗膜のハガレを引き起こします。モルタルの内部の水分が内側から塗膜を押し上げる結果です。

塗膜のハガレは、ひび割れよりも広範囲の雨水の浸入を招きます。素地であるセメントモルタルは、中性化して強度が低下しています。

マクロ撮影による塗膜の表面劣化

イメージ 2


塗膜の表面には、ヘヤークラックと呼ばれる微細なひび割れが生じています。塗膜に穴が開きその部分からも雨水の浸入が起こっています。

2021年11月29日(月)
外壁の劣化・汚染3 サイディング壁

サイディング壁の住宅ではサイディング自体に亀裂が入る事はあまりありません。

構造的に弱かったり、ビスの箇所から亀裂が入る事があります。

サイディングの亀裂は主に目地のシーリングに入ります。サイディング壁は目地のシーリングで防水しているので、亀裂や剥離すると水が浸水します。

目地シーリングの亀裂は紫外線や建物の構造的な歪によってあきますので、亀裂や剥離を発見したら至急シーリング工事が必要になります。

■サイディング板間シーリング

サイディング板の接合部のシーリングです。モリタ建装では既存のシーリングを完全に除去してから、新規にシーリングを打ち直します。

カバー工法やブリッジ工法などと言って、既存を撤去せず劣化部のみ取り除く業者もいますが、これには注意が必要です。

以前シーリングの技術部に教わったのですが、シーリングは5mm以上の厚さが無いと期待する耐久性が得られないそうです。

カバーやブリッジ工法ですと厚さの確保が出来ないので、工事が終わってもすぐに亀裂が発生したりします。

■窓回りシーリング

窓回りの四方にもシーリングが打ってあります。このシーリングは目地が細いことと、基本的に三角シーリングになり充分な厚みを確保できるので既存シーリングは撤去しません。

これは撤去費用などの工事金額を安くするためでもあります。

窓回り目地が広い所などは既存シーリングを撤去する事もあります。

2021年11月22日(月)
外壁の劣化・汚染2

■雨すじ汚れ(雨だれ汚染)

雨すじ汚れは、外壁の表面形状に左右され、この例のように凹凸が大きいタイプの外壁の場合は特に目立ちます。
基本的には手すりなどの笠木天場に溜まった埃が雨により外壁面に流れ出すことによりおこります。

■低汚染塗料

近年、この雨すじ汚れに対して効果のある塗料の開発がさかんです。低汚染塗料と呼ばれています。
雨だれ汚染などの塗膜の汚れに対して有効な、親水性・低帯電性・触媒作用による汚れの分解など、塗面の美観を長期間維持することが可能な塗料が使用されるようになりました。

低汚染型と言われる塗料も、効果はそれぞれでしょうけれど、塗替えの際には、施工に使用する塗料のカタログを施主様ご自身がご覧になり、塗料の性能について知識をお持ちになられることを、おすすめいたします。せっかくの塗替えなのですから、塗面の美観ができる限り維持できることは、大切なポイント。

価格や塗り易さだけで、塗料を選択した場合、経年後に予測以上に早期の塗替えが必要になる場合があります。
施工店が自ら、塗料の経年変化を実際に確認したり、自社で実験などを行う事も塗料の選択の一つのポイントかもしれません。

■ひび割れの発生 モルタル外壁の場合

モルタル外壁では、ひび割れの現象が良く見られます。ひび割れはモルタル自体の熱収縮・乾燥収縮・挙動、建物自体の変動・変形等の原因によって発生します。

放置しますと、雨水の内部への侵入により外壁モルタルの【浮き】や【剥落】の心配も生じます。下地ボードの強度が低下したり、ラスと呼ばれる金アミのサビの発生も心配となります。

地震や構造部材のひずみに起因する場合や、新築時の左官工事における工程間隔などの原因も考えられます。

材料の混合比率や厚み、下地の貼り付け具合など、原因はさまざまです。地盤沈下や道路の交通量が大きい場合の振動などが影響する場合もあります。

外壁のひび割れは美観を損ねるだけではなく、家屋の構造の強度にも影響します。

雨水の侵入により、大掛かりな外壁工事が必要となることも事実ですが、セールスマンの指摘ポイントとして、適切ではない状況説明により、不必要な不安感を与えるなどの話題が聞かれるようになってきました。

サイディング壁では外壁面の歪みは、ある程度まではサイディング目地のシーリングが吸収する為、壁にヒビが入ることは少ないですが、写真のようにモルタル壁の特に窓回り部分は、構造的に弱い為ヒビが入り易いです。

モリタ建装では0.3mm以上のヒビにはハンドスムース工法、0.3mm未満のヒビはフィラー摺り込みによって補修しています。

塗装工事により、適切な下地処理と、現況に適合した塗料の選択を踏まえた施工仕様により、ひび割れに対して有効な施工が可能です。

サイディングへの張り替えにより、【塗替えはもう必要ありません】と言われたというお話しを、施主様からお聞きすることがありますが、そのような塗装膜をもったサイディングは、紫外線による耐侯性試験の結果が優良である部材を指していることだと感じます。半永久的に色あせや退色が起こらない外壁材は、現場においてはいまだ見る機会に恵まれておりません。

2021年11月15日(月)
外壁の劣化・汚染

1.外壁の美観の変化

1)汚れの付着

紫外線により外壁塗料の劣化が始まり、表面がササクレだつ事により汚染がつきやすくなります。

粉塵や空気中の汚染物質の付着による避ける事のできない現象。建物の立地条件や外壁の形状により程度はさまざま。

また、既存の外壁塗料の性能により経年後の汚れ具合は異なります。

2)カビや藻の発生

外壁の美観上とても気になるのがこのカビや藻の発生。美観だけでなく塗膜に根を張り痛めてしまいます。また衛生面でも問題があります。

外壁の塗料の性能には、原料のなかに最初から【防カビ・防藻】の成分を含んでいるものもあります。シリコン系は【防カビ・防藻】に対して高性能です。

■カビの処理

カビが発生する要因として、養分と湿度・酸素・水分が関係します。湿度と水分に関しては、外壁塗膜の劣化により壁自体の防水性が低下して、壁の含水率が高まることに起因します。
特に北面は日光が当たらないため常に湿潤な状態で、カビ・苔か発生しやすいです。

また、カビの発生の養分に関しては、塗料自体に含まれている有機成分が関係します。防カビ性能を持たない塗料を塗った場合にはカビの発生は避ける事は困難。

外壁に隣接する植栽の影響や、外壁周辺部分に物を置いている場合など通風が良くないケースでもカビが発生しやすくなります。

ホースとたわし・デッキブラシなどにより、表面のカビを除去できても、数ヶ月で再発するかもしれません。こすりすぎると塗膜自体をいためてしまい悪影響が生じかねませんので、加減しながらクリーニングしてください。

ワイヤーブラシの使用は塗膜の欠損を招きますので、慎重に行ってください。塗膜が薄くなればその部分の防水性も低下してしまいます。逆に含水率を高めてしまう結果となり、微生物の再発の確率が高くなります。

塗装の下地処理として、除菌剤を塗布してから、植物性のバイオ洗浄液で高圧洗浄をするのが効果的です。

カビは壁面の深部に及んでいる【菌糸】を処理することが大切。そのうえで防カビ性の塗料を塗ると効果的です。


2021年11月8日(月)
シャッターの塗装

シャッターは巻き込み構造の機械の為、塗装してもぶつかってしまう部位の塗装がはがれてしまうため、基本的には塗装しません。

しかし劣化が激しい場合や錆がある場合は塗装する事もあります。

シャッターの劣化としては、シャッター自体の劣化とシャッターボックスと呼ばれる巻き込み装置の劣化があります。

■下地処理

1.錆の発生部分や、はげている塗膜部分をペーパーや【マジックロン】と呼ばれる研磨材を使用して下地処理を行います。

2.清掃・溶剤拭き

3.研磨後、ダスター刷毛(掃除用の刷毛)で、清掃し、さらにシャッターの表面を細かい部分まで溶剤でクリーニングします。

4.当日に塗装する場合でなければ、シャッター全体を洗車用ブラシを用いて、水洗いしておくのも有効です。

■中塗り

上塗り塗料の1回目

使用塗料:日本特殊塗料
シルビアNADシリコン
超低汚染NAD型特殊シリコン樹脂塗料

1.塗料が流れないように、上質の刷毛を使用して、数本間隔で横に塗り継いで行きます。

2.スプレー塗装の場合もあります

3.中塗りが十分乾燥してから、上塗り工程へと進みます。

4.下塗り完了後は、シャッターを巻き上げずに下ろした状態で完全乾燥するまで放置しておきます。

■上塗り

上塗り塗料の2回目です。

使用塗料:日本特殊塗料
シルビアNADシリコン
超低汚染NAD型特殊シリコン樹脂塗料


1.刷毛は上質のものを使用し、毛先の柔らかいものを選択します。

2.スプレーで塗装する場合もあります。

3.塗料は乾燥後に色が濃くなります。

2021年11月1日(月)
足場仮設工事

塗り替え工事費の中で大きな比率を占める足場工事ですが、これがないと丁寧で信頼のおける工事は出来ません。

■ 足場は大変重要な工事です。

塗装工程は、同じ場所を何度も作業します。下地処理から始まり、下塗り→中塗り→上塗り という複数回の動作の積み重ねとなります。

仮に、架設足場が不安定であったり、必要な場所に設置していない場合は仕上がりに大きく影響を及ぼします。

安定した足場の作業床により、より丁寧な正確な作業が出来ます。

■組立て

以前は丸太や単管と呼ばれる鋼製パイプでしたが、現在ではBIKE足場という組み立てやすいシステムの物を使います。

常に荷重に耐えられる対応力があり、非常に安全な足場になります。

■ メッシュシート  

メッシュシートは、塗料や高圧洗浄の水滴の飛散を防止するだけではなく、作業員の落下防止という、大きな役割を持ちます。

さらに、降雨や強風の際にも効果を発揮します。

ただし近年はBSアンテナがメッシュシートの障害によって映らなくなる場合もあります。

■足場の解体■

高所の作業が終了し、足場がなければ点検できない部分の検査をしっかりと行った後に架設足場を解体します。

お引渡しの時点には、お施主様お立会いのもとに総合的な点検をいたしております。

足場作業員には、屋根に上る時には,地下たびの底を濡れタオルで拭いてから作業するように連絡しています。

☆解体前に仕上げてしまうと、足場作業員の靴跡や作業中の傷が発生する可能性があるからです。

できる限り美しい状態でのお引渡しを心がけています。

2021年10月25日(月)
破風板の塗装工程

■下地処理(ケレン)

1.塗料を塗る前に素地(塗る部分)を「塗装にふさわしい状態」にすることを【下地処理・下地調整】と呼びます。
ペーパー(紙やすり・研磨紙)や研磨用具(マジックロン・ケンマロン)で浮いている塗膜をけずったり、穴や段差をパテで埋めたり平滑にしたりします。
削る工程をとくに専門用語で【ケレン】と呼びます。

2.金物の用具(皮スキと呼びます)や、研磨用具を使用して古い塗膜の不良箇所をはがしていきます。
この作業を【ケレン】と呼びます。

■プライマー塗り(密着効果と吸い込み止め)

1.プライマーは透明で、上塗り塗料の接着性の向上と吸い込み防止(ケレンではがした部分は素地が出てしまうため塗料を吸い込みやすくなります)のための下塗り材です。

2.木の部分(ケラバ)は大きくはげていますのでプライマーを丁寧に塗りこみます。

3.最初にはがれた部分に塗り、全体的にもう一度プライマーを塗ります。

■2液型シリコン樹脂またはウレタン樹脂を2回塗ります。

1.プライマーが完全に乾燥後に、上塗り塗料を中塗り・上塗りと2回塗ります。
2.上塗りの1回目と2回目には、乾燥時間を十分に確保します。

2021年10月18日(月)
破風板のシーリング

■破風板は文字通り板で出来ているので、接合部にシーリングがありますが、これが劣化して亀裂が発生します。
 この部位もシーリングの打ち替えが必要です。

■打ち直しをしないで、ひび割れたシーリングの上にかぶせるシーリング方法を【増し打ち】と呼びます。


■テーピング

シーリングをする部分の周囲に、専用のテープを貼り、周囲にもれないようにします。
シーリング用のテープは、はがす時に千切れないような専用テープを用います。

テープ養生をしないでシーリングをする業者がいますが、仕上がりがきたなくなってしまいます。

■プライマー塗り

新たにシーリングを打設する時には、まず接着剤であるプライマーが必要になります。


シーリング材【変性シリコンコーキング】の密着が良くなるように、透明の【プライマー】を塗布します。

ひび割れが浅い場合やひび幅が狭い場合は、【増し打ち】といい、旧コーキングのうえに新しいシーリング材を打ち込みます。

■シーリングの仕上げ均し(ならし)

シーリングの仕上げを平滑にするとともに、圧着する大事な工程です。

ヘラは幅の広さが異なり、グラインダーで加工し、用途によって使い分けます。

コーナー部分を丸めたり幅を使いやすいように変形させて使用します。

■テープはがし

 
ヘラで仕上げならしの後、シーリング材が乾ききらないうちにテープをはがします。

イメージ 1

●シーリング用のテープは、はがす時に千切れないような専用テープを用います。
テープを貼る素地の種類により使い分けます。

■シーリングの完了


2021年10月11日(月)
破風板の塗装

破風板とは屋根のスグ下の高さ20cm程度の板です。紫外線量や風雨にさらされる塗装の傷みやすい部位になります。

■ 白い破風(ケイカル板)を、チョコレート色に塗り替える例です。

古い家屋ではこの部分が木製の場合が多いですが、最近では、この例のようにケイカル板が多く見られます。

■ケイカル板のジョイント部分には、シーリングが施されていますが、経年劣化によりひび割れや隙間が見られるようになります。
下地処理として古いシーリングを撤去して新しいシーリングと交換してから塗装します。
破風は雨だれにより汚染しやすいので、濃い色がお勧めです。

■施工前

●破風の素材は【ケイカル板】です。

一部分に塗料の密着不良が見られます。自然に塗料が剥げ落ちている状態で、コーナー部分にはパテやシーリングの処理が施されていません。開いた隙間から雨水が浸入して内部構造材に悪影響を及ぼしている可能性があります。


ケイカル板

耐火断熱材。水酸化カルシウムと砂が主原料。吸水性が少ない。
主に耐火被覆材として用いられます。
外装では、天井や破風板、各種モールディングや化粧性のある付け梁など
装飾性をもたせることもできます。窓廻りの額縁として利用されることもあります。

●増築時に、コーキングをする際に、ケイカル板に対し【プライマー処理】と呼ばれ接着剤の塗布が完全ではなかったようです。

●破風のコーナー部分とジョイント部分には【コーキングの開き】が見られます。ケイカル板のすき間の部分。
(バックアップ材を使用していないための劣化の進行)

●木製破風の場合はつなぎ目の目地がありませんがケイカル板の場合は目地があります。

2021年10月4日(月)
コロニアル塗装の仕上げ塗り

■仕上げ塗りとは・・・

●通常のスレート屋根塗装は高圧洗浄をしてから、シーラーを1~2回塗った後、上塗り塗料を2回塗って仕上げます。

☆光沢・耐候性・防カビ性などが強化されます。塗装間隔を十分に確保することが大切です。

■塗料メーカーのカタログには、「仕上げ塗り」と言う工程は記載されていません。
築年数が浅く、一度も塗替えをしていない素地の場合、
洗浄に配慮して、シーラーを2回ほど丁寧に塗り、上塗り塗料を規定の混合比率で調合し、塗装間隔を十分確保して塗り重ねれば、上塗り塗料は2回でも塗膜厚は標準程度にはなります。

洗浄とシーラーが不十分な場合には、そのあとの上塗り塗料をどのように丁寧に塗ったとしても、つやムラや吸い込みムラ・塗膜厚の不均一が生じます。

シラーが透明だからといって、流れるように塗ったり、刷毛とローラーの塗装間隔をあけすぎたりすれば、最後まで塗膜厚と光沢に影響します。屋根を縦に塗りつげは、必ず塗り重ねの目立つ部分が生じます。

刷毛を使わずにローラーだけで、一度に厚塗りすればスレートのすき間が埋まってしまいます。
通気性が確保できなくなってしまいます。

■中塗りと上塗りの比較

●上の画像は中塗りと上塗りの境界を写した写真です。


屋根の塗装では、付着性や耐候性・カビ防止性能のほかに、【美しさ】が求められます。

塗面の輝き、【つや】が一段とその美しさを引き立てます。

上塗りの作業中に太陽の光が燦燦と反射している光景は、とても気持ちのいいものです。

塗膜は一般に、つやがあるほど汚れが付着しにくいという点からも、光沢を重要視しています。

そのためには、下地処理から始まり、高圧洗浄そしてシーラー塗り・中塗りの各工程を着実に、積み重ねていかなければなりません。塗装とは、すべての工程が重要なのです。

2021年9月27日(月)
屋根棟包みの上塗り

■中塗り塗料が乾燥したら上塗りを塗ります。

 屋根は紫外線が強いなど過酷な環境なので、厚い塗装膜が必要です。
 上塗り1回塗りでは過酷な環境に対応できないので、必ず中塗り上塗りの2回が必要です。

■棟包みの上塗り

●棟包みに上塗りをする前に、スレート部分に上塗りをかけておきます。

●十分に乾燥日を置いてから板金部分の上塗りをします。

●下塗り乾燥後の研磨処理

乾燥の確認と、塗面に付着したゴミや塗膜の凹凸を調整するためには、不可欠です。

Q/☆なぜ、スレート屋根と板金部分を分けて塗るのか?

A/●スレート屋根と棟包み(板金部分)は当然、材質とその形状が異なります。

スレート屋根の表面は凹凸が多く、ローラーを転がすときにも、摩擦が発生します。
そのためにローラーは傷みやすく毛先がほつれたりなど理想的な状態から変化していきます。
一方、板金部分は表面がなだらかで、塗面に付着したゴミや塗面に生じた塗継ぎ・刷毛目などが目立ちやすい部分です。

●さらに2液型の塗料は、シンナーの他に【硬化剤】を添加するために次第に塗料の粘度が増してきます。
そのため板金部分の上塗りにおいては、塗料を新しく混合調整して、ローラーもしくは刷毛も上質のものを選択して、慎重に仕上げるのです。

◆塗面が美しく仕上がる条件には、

気象条件・工程順序・下地処理・乾燥期間・作業員の施工レベル・経験知識・塗料の粘度・塗料の中にゴミなどが混入しないこと・そして用具類の選定など多くの要素に左右されます。
もちろん作業者のコンディションそのものの影響も大きいでしょう。

●ですから、一番最初の工程である、下地処理や高圧洗浄をおろそかにするということは、その時点で【強く・美しい仕上げ】を選択していないということになります。

●特に、スレート屋根における微生物、カビ・コケ・藻などを未処理のままに、どんなに高価な塗料を選択して塗回数を重ねたとしても結果は、数年後になればはっきりと現れます。

2021年9月20日(月)
コロニアル屋根の中塗り

■■コロニアル屋根の中塗り■■

中塗りとは、プライマー塗布後に塗る、上塗り材の1回目です。

■どこから先に塗っていくか?・・・安全性の確保と塗りのテンポ・・・塗り継ぎを最小限にする

■塗りの順序としては、安全性の点からまず屋根の端部や雪止めなどの細かい部分から塗り進めます。

●最後に端部を塗ると、周囲の未乾燥部分に足を乗せることができないために、窮屈な体勢で作業するようになります。

●端部を最初に塗り終えて、乾燥させておけばその部分に体を置いて塗り作業をすることができます。

●複数で作業する場合には、塗順序をあらかじめ決めておくことが特に重要となります。
●傾斜が急な屋根の場合には、未乾燥部分の端部は非常に危険な場所となりますので、早い段階に仕上げておき不注意から踏んでも転落の危険性が無い様に配慮しておきます。

そして広い部分を一定のテンポで均一な塗膜が得られるように丁寧に塗り進めていきます。

■2階屋根の棟包み錆止め塗り■
  
  鉄部・板金部分には、錆止め塗料塗り---長期間、錆の発生を防止
  
  ■屋根は家屋の部位で最も傷みやすい部分

 通常、上塗り塗料には、【錆止め効果】は含まれていません。
 スレート部分に、シーラーを下塗りするように板金部分にも錆止め塗りをしてから上塗りをします。
 使用する錆止めの種類は、2液型エポキシ系錆止め塗料。
 錆の部分にしみ込んで強力に錆の発生を防止します。


2021年9月13日(月)
既に塗装してあるコロニアル

一度以上塗り替えてあるコロニアルの塗装には注意が必要です。
旧塗膜が脆弱だったり剥離しかかっていることが多く、上から溶剤系プライマーをそのまま使うと、旧塗膜を溶かして浮き上がってしまう(リフティング)してしまうからです。

つまり塗り替えても剥離しやすい屋根塗装になってしまいます。
通常コロニアル屋根の塗り替え塗装は2-3回までです。

この為モリタ建装では一度以上塗り替えてあるコロニアル屋根には水系エポキシプライマーを使用しています。これだと旧塗膜を犯すことなく堅牢な下地作りが出来ます。
水性だと既に塗ってある塗装を痛めることなく、またエポキシ系により強い接着力も得られます。

また一度以上塗り替えたコロニアルは高圧洗浄時にデッキブラシやケレン道具により、旧塗膜を徹底的に排除する作業が必要です。
前回の塗装の接着力が低下していると、新たにその上から塗装しても剥がれてしまう懸念があるからです。

一回でも屋根の塗り替え工事を行ったお宅は、なるべく近くで亀裂や剥離などの不具合が無いか注意しましょう。
小さい亀裂や小さい剥離があると数年でその劣化がすぐに拡大します。早め早めの対応が必要です。

たまに劣悪な業者が、屋根塗装の前の高圧洗浄をやらなかったり、下塗り工程を省くなどした屋根は、2-3年で屋根全体が剥離してひどい状態のものも見ます。
屋根は紫外線量も多く塗料にとっては過酷な環境なので、良い塗料を適正な工程で工事する事が大事です。

2021年9月6日(月)
屋根塗装の工程

特に劣化したコロニアル・スレート屋根にはプライマーを2回塗っています。
旧塗膜が剥離しているものはこれにあたります。

■プライマー1回目

●1回目のプライマーは、塗装後スレート内部に急速に浸透します。

●高圧洗浄で、旧塗膜をきれいに除去したために、スレートの表面に弱い塗膜が残っておらず、素地であるスレート内部にプライマーが浸透するからです。

●プライマーの乾燥が進んだ部分は、濡れ色が薄く変化し始めています。

■プライマー2回目

●1回目のプライマー塗装後には、スレート表面に薄い撥水層が形成されています。

●そのため、1回目と比較してプライマーは素地の表面付近に付着します。

(1回目のプライマーは、ほとんどがスレート内部に吸い込むような状態です)

●濡れ色の変化が遅いのがわかります。


■プライマー2回目完了

●プライマーを2回塗ると全体が黒っぽく見えます。

○完全乾燥後には、濡れ色が、がもう少し減少します。

■プライマーを全体に2回塗ることで、スレート表面は撥水状態となり、素地が強化されました。

☆この状態で雨が降っても、水分がスレートの深い部分まで浸透することはなくなりました。

プライマーは以下の効果があります。

●素地を強化 ●水分の吸い込みを防止 ●塗料の吸い込みムラを防ぐ ●上塗り塗料との密着を向上する

2021年8月30日(月)
屋根塗装の工程

■■プライマー塗りの工程■■

まず最初に全体を高圧水洗浄します。これをやらないと塗装しても数年で必ず剥離します。

コロニアル・スレートを塗装するには、下塗りとしてプライマーが必要です。

●プライマー自体は【透明】または【白色】です。

●塗装直後は、【濡れ色】に変化して、スレート表面が濃くなります。

●乾燥後は、濡れ色の濃さが減少します。

●使用している、プライマーの種類は、「2液型エポキシ樹脂」の浸透型。

●硬化剤を規定量主剤に混入して、十分に攪拌してから用います。

●浸透型は、素地に深くしみ込みスレートの内部から表面部分を強化します。

●2液型は乾燥が速いのですが、可使時間(使用できる時間制限)が有り、翌日まで塗らずに放置した塗料は【ゲル化】して固まってしまいます。

■上部は半乾燥になっています。濡れ色が薄くなってきています。

Q/ なぜ、プライマーを塗るのか?

A/上塗り塗料は、下地に密着していることが必須条件です。

●古くなったスレート屋根の表面は、塗膜が弱くなっています。
その状態に上塗り塗料を塗っても、下地に密着しません。

弊社は1回目の塗り替えの場合は透明の溶剤系プライマーを使用し、2回目以降の塗り替えの場合は水性系プライマーを使用しています。
これは旧塗膜が残っている状態で溶剤系を使うと、旧塗膜が起き上がるリフティングを避けるためです。

・さらにプライマーを塗布することで、素地であるスレート自体を強化します。
・特に、【浸透型】は素地に深くしみ込んで、スレートの内部から強化します。

●そして、上塗り塗料との相性があります。
・専用のプライマーを使用することで上塗り塗料との密着を向上させます。
・当店で使用しているプライマーは、上塗り塗料と同様に【防カビ性能】です。

プライマー工程はとても大切な工程です。


Q/プライマーは何回塗るのか?

A/通常下地の状態が良い場合は、シーラーは1回塗りです。
しかし旧塗膜の劣化が激しく、素地の補強が更に必要な場合には、数回塗り重ねます。
今回は全体的に2回、端部を3回シーラーを塗装しています。(端部とは屋根の外周部分を指しています)

2021年8月23日(月)
コロニアルの欠損補修にはタスマジック

スレート・コロニアルは薄い板状の物なので、割れや欠けなどがある事があります。(以下コロニアルで統一します)
大きな損傷には新規コロニアル板との交換になりますが、高額な屋根工事になりますので、軽微な損傷の場合、モリタ建装では建築用エポキシ樹脂ボンドによって補修しています。

この製品はタスマジックと言い、コロニアルの絶縁材のタスペーサーを開発販売している屋根材補修に特化したメーカーです。

エポキシボンドは亀裂や欠けの補修にはうってつけの材料ですが、コロニアル板同士が接着してしまうという欠点があります。
これを避けるためにタスマジックシステムはコロニアル板同士は絶縁しつつ、強固に亀裂を修復できるキットになります。
強固なエポキシ樹脂により補修前より強靭なコロニアルになりますし、成型のしやすさから欠損の補修にも最適です。
タスマジックで補修したコロニアル板は2倍強くなるデータもあるほどです。

またエポキシ樹脂の浸透性の高さから、表面だけでなく裏面にまで回り込むためにより強固な接着力が期待できます。

コロニアルの亀裂を放置すると、屋根からの雨水の漏水に繋がります。また亀裂の拡大でコロニアル板が落下する危険もあるので適切な亀裂補修が必要です。

エポキシボンドは大変密着力の強い建築専用ボンドですが、紫外線に弱いので屋根用塗装が必須になります。

ひとつ注意があります。
屋根の劣化は近隣からも視認できるので、訪問販売業者がお宅の屋根に亀裂や欠損が見えるので屋根に上らせてほしいという業者には注意が必要です。
コロニアル板は手でも簡単に割る事が出来るため、屋根に上った時に手で割って写真を撮り、ほら割れてましたから塗り替えが必要ですと偽って言ってくることがあります。

欠損したコロニアルを見るとかけた面が新しい為、偽証である事がわかりますが、私も年に数回こう言われたお客様を見ます。

信頼の置けない業者には屋根に上らせてはいけません。

またアンテナや太陽発電などの工事の折にも、コロニアル板に充分注意するように言いましょう。


2021年8月16日(月)
棟包み(板金)のシーリング

■ 棟包み(板金)のシーリング ■

●板金部分を建築用語では【棟包み】と呼びます

●定着した板金部分(棟包み)を、さらに補強するために、耐紫外線の高い変性シリコンコーキングで要所の隙間を埋めます。

★棟包み内部は適度の通気性を必要としますので、すべての隙間を、コーキング処理すると、内部木部の腐食を促進する場合があります。

■棟包み端部の処理■

棟包みの端の部分は、スレートの交差部分にもコーキングをしておきます。
ここから雨水が金属板内に漏水すると、内部の木部を腐食させる原因となってしまいます。

特に南東部は、内部の木に部分的に傷みがみられましたので、周囲を念入りに
コーキング処理をし、ビスも板金上部から余計に打ち込んでおきます。

■ 棟包み板金の内部

棟包み板金の中には木材が入っています。雨水の侵入によりこの木部が腐り、放置すると止めてあるビスが外れて板金が取れてしまいます。
屋根塗装の際には、棟包み板金を良く調査し、雨水の浸水は無いか、ビスの外れは無いかなどの確認が必要です。

棟包み板金が外れたまま放置すると、その部分から雨水が浸水し建物の内部に雨漏りするので、適正な補修が必須です。

■ 棟包み板金の塗装

棟包み板金が健全だったら、屋根と一緒に塗装します。ただ屋根コロニアルとは下塗りが異なります。
屋根はスレート材なので錆の恐れはないので、接着力の強いプライマーを使用します。
棟包み板金は錆の恐れがあるのでエポキシ系の防錆剤を塗ってから、屋根コロニアルとおなじ屋根塗料を塗装します。

2021年8月9日(月)
棟包み鉄板の釘をビスに交換

●現地下見の時に写した2階屋根の板金部分(棟包み)の現況写真です。

●一般的に築後10年以上経過した家屋の屋根に見られる現象です。

●このまま、塗装しても屋根の構造を強化することにはなりません。

●そこで、すべての釘を引き抜き、現在の釘よりも、太く長いビスで板金を補強します。

●2階スレート屋根は、およそ95%がこのような状態になっています。

●このまま塗装したり、ハンマーで上からたたいて押し込む程度の処理では不十分です。

☆塗り替えは、単に塗料を塗るだけではなく、どの程度下地を処理するかによって、
構造強度が大きく異なります。

ゆるんでいる釘を処理せずに置いた場合、台風により棟包みがずれたり、内部に雨水が浸入して中の木が腐食したりします。

●一本一本、古い釘を引き抜いていきます。

●取れにくい釘もあります。

●出来るだけ板金を傷めないように配慮して作業します。

●釘の頭が破損したものは、引き抜く事ができないので、穴の部分にコーキングをして、雨の進入を防止するように、処理しておきます。

●すべての釘を引き抜いて、板金を一時的にはずし、内部の構造材を点検します。

■ 棟包み内部の点検 ■

・板金(棟包み)の古い釘をすべて撤去して
一時的に棟包みをはがします。

・内部の木部の腐食状態を確認します。

・腐食部分が広範に見られる場合は、
木部の交換が必要となります。

・内部木部の釘も点検し、緩みを補正します。

2021年8月2日(月)
コロニアル・洋瓦(モニエル瓦など)の塗替え工程

◆コロニアル・洋瓦(モニエル瓦など)の塗替え工程

本日はコロニアル・スレート屋根の塗り替え工程をご紹介いたします。

●塗装前の現況から始まり、高圧洗浄・下地処理・そして数回にわたる塗りの工程がご覧いただけます。

屋根は最も劣化の進む部位です

塗膜の劣化だけではなく、素地であるスレート自体も傷んできます。
■塗膜の劣化の目安

・色があせてくる
・色ムラが生じる
・塗料がはげている
・カビやコケが発生している

■スレート自体の劣化の目安

・ひび割れが発生している
・スレートが定位置からずれている

■板金部分(棟包みと呼ばれるトタンでできた部分)の劣化目安
・釘の錆の発生・ゆるみ・抜け落ち
・板金の錆・ずれ

などさまざまな現象が発生してきます。

■劣化が極端な場合はスレート自体に【反り】・【ひび割れ】が生じ塗装メンテナンスでは対処できなくなります。

屋根の葺き替えは高額となりますので、早期に点検して塗装することが大切です。
新築後8年~10年目に最初の塗り替えを適切な工程で建築塗装店に丁寧に塗ってもらいましょう。
一般の方が誤った知識と工程で塗ったスレート屋根は、「職人泣かせ」となってしまう事もあります。
既存塗膜の補正ができない場合には、どんなに手を尽くしても、職人の技が利かなくなります。

屋根コロニアル・洋瓦は劣化が進むと、カビ・コケが繁殖してきます。
カビ・コケは塗装膜を突き破り根を張ったり、コロニアルの裏面に回り込みコロニアル自体を持ち上げて凹凸状にしてしまい、張り替えが必要になってしまいます。

2021年7月26日(月)
室内壁クロス専用塗料による塗り替え

クロス専用塗料による塗り替え
(性能・効果)

■作業時の臭いがほとんどありません。

■防カビ性能ですので、衛生的。

■下地の汚れやタバコのヤニを完全にシャットアウト。

■室内の有害物質(ホルムアルデヒドなど)を塗膜が吸着
化学分解して室内環境を向上させます。

■ぞうきんや化学洗剤で拭けるタイプのものもあります。

クロス塗装のメリット

■水性塗料なので、オウナー様にも簡単にお手入れができます。
部分的な汚れ補修やメンテナンスが容易です。

■塗装工事ですから、周囲の窓枠などを同時に色換することができます。
配色は自由自在。室内のトータルイメージチェンジに最適。

お好みの色にコーディネイトできます。

■クロスの下地処理
 
■塗装する前に、クロスの【はがれ】やめくれている部分を補修します。
■クロス専用の糊(のり)や、【コークボンド】と呼ばれる接着剤を使用します。


■ボンドをクロスの裏面とボードの表面に塗布してから数分間放置します。
■ヘラで上から圧力をかけて、密着させます。1回で密着しない場合は、この工程を数回繰り返します。
■クロスの表面をあらかじめ水でぬらしておくと、ボートになじみやすくなります。
■乾燥してクロス自体が元のめくれた形状になるのを、防ぎます。

■下塗り(クロス専用塗料の1回目塗り)

■下塗り乾燥後

■上塗り(クロス専用塗料の2回目塗り)


■塗料は乾燥すると、色が濃くなります。
■同じ塗料を二回塗った場合は、塗装直後は上塗りのほうが、色が薄く見えます。
■乾燥後は同一の色合いになります。


2021年7月19日(月)
軒天の下地処理

■ 軒天の下地処理 ■

軒天とは軒天井の事で屋根下の破風板の天井の事です。ベランダや玄関前の天井も含みます。

●軒天の釘には、錆が発生していますので、このまま塗装をしても
上塗り塗膜の表面に数年後には、錆のにじみが表出してきます。
●特に、新築時と同じようなグレードの水性塗料では、目立つ時期も速まります。
●高圧洗浄で家屋全体をクリーニングした後に、塗装前の下地処理を施します。

■ 釘頭の錆止め塗り ■

●ペーパーで研磨して、一本一本釘頭に錆止め塗料を塗ります。
●錆止めには、高性能の2液型エポキシ系を使用します。

大きな家屋の場合などは、釘頭の数は、数千本に及びます。すべての釘を処理します。

■ 軒天上の塗料 ■

一般に、ツヤ無しペイントは汚れが付着しやすく、耐侯性も劣ります。
軒天は紫外線が直接差し込む部位ではありませんから、ツヤ無しが一般的です。また透湿性が必要なので艶消し塗料になります。。

一方、ツヤ有りペイントを軒天に塗る場合は、視線角度が斜めからの場合が多く、通常は1回塗りで、均一なツヤを得ることは難しいです。

しかも、刷毛で周囲を塗った部分【ダメ込み】とローラーで塗装した部分の時間差が多すぎると、ツヤが不均一になります。(刷毛塗り部分とローラーで塗った部分の重なりが光り過ぎてしまいます。)
刷毛塗り部分が乾ききらないうちに、ローラーを転がすことがポイントです。

軒天などの平滑部位にローラーを使用する場合には、塗料に適合したローラーの毛を選択する必要性と、ローラーの仕上げ方向・ローラーの被塗面への圧力や塗料のくばりの均一性などに配慮します。(毛丈の長すぎるローラーを使用した場合には、刷毛塗り部分との塗膜表面の違いが目立ち過ぎてしまいます。)

ローラーの種類によっては、転がす方向によって、【ローラーマーク】が異なりますので、注意が必要です。

半ツヤや3部ツヤになると、さらに難しく、足場の上から斜めの視線で見た場合に、ツヤを完璧に均一化するには、【塗膜をみるプロの眼】と【刷毛塗り・ローラー塗りの塗布間隔】が重要になります。

吸い込みの激しい古いベニア板でできた軒天などの場合には、木目の違いや、木材の繊維の開きなどが見えやすく、ツヤ有り塗料の場合には、慎重な塗布動作が必要とされます。

店舗の軒天などで、頻繁に水道のホースで汚れやクモの巣などをクリーニングすることが予測される場合には、ツヤ有りペイントが良い場合があります。
2液型のウレタン樹脂以上のグレードならば、水の一時的な悪影響もほとんど心配ありません。

2021年7月12日(月)
軒天井の塗装

屋根や庇に絡む天井を軒天井といいます。

●新築時に塗られている白色系の軒天塗膜は、水性塗料です。
●つや消し塗料なので表面に汚れが付着しやすく、白色のために汚れやくもの巣などが目立ちます。
一部には雨シミの発生が見られます。


●写真の様なタイプの軒天井は天井裏の湿気などを逃がすために穴が開いている為、塗り替え時にも透湿性のある塗料を塗装しなくてはなりません。
(軒天井に金属・プラスチック製の通気口があいているタイプの物はの限りではありません)

●色合いとしても、白色系は濁りやすく初期の清潔感を、長期間維持する事が難しい色の部類です。

●十数年前の新築現場の軒天の色は、ほとんどが白色系でした。
現在では外壁などとの配色や汚れの目立ちやすさを考慮して、カラフルな色合いの軒天色を目にするようになりました。濃いブラウンや黒い軒天の色あいも珍しくありません。

基本的に軒天井は常に日陰にあるため、見本よりもかなり暗く見えます。
このため白や明るいベージュ系をお勧めしています

■ 軒天の高圧洗浄 ■

●劣化して粉のようになった塗膜(チョーキング現象といいます)を除去します。

●高圧洗浄の目的は、単に汚れやクモの巣を取り払うことではなく、密着性が低下して浮いていたり、はがれそうな塗膜を除去するためです。
丁寧に洗浄する必要があります。素地にしっかりと密着している塗膜を【活膜(かつまく)】といいますが、それを無理に高圧洗浄ではがす必要はありません。

●またビニール(ポリシート)で窓などをふさぐ工程を【養生(ようじょう)】と言いますが、そのときにテープの粘着(貼りつき具合)が良くなるなど、高圧洗浄は塗り替えにおいては重要な工程となります。
塗料の密着性を良くしたり、塗膜の均一な光沢や厚さを得るためにも重要視される工程です。

●しかし、洗浄により内部に水が浸入しないように外壁などの大きなひび割れは、あらかじめコーキングなどでふさいでから高圧洗浄を行うことが大切です。(写真の外壁部分と軒天の、黒いライン状がひび割れをシーリング処理した部分です)

●なお、高圧洗浄機の水圧は設定することができます。住宅の塗り替えでは通常、1平方センチメートル当たり100~150kgの水圧をかけます。用途に応じて調整することが重要です。木部などを、強すぎる水圧で洗浄して逆に素地をいためてしまうことがないように注意します。

●洗浄に使用するガンを上方に向け、軒天と同時に雨といも一緒にクリーニングします。

●天井の穴の開いている部分(有孔ボード)は軒裏の換気のための構造ですから、長時間高圧水を吹きかけると、室内天井に悪影響を及ぼす可能性もあります。

●ガンの運行速度を速めるか、天井から距離を一時的に離したり洗浄水の噴射角度を変えることなどにより注意します。

●軒といを下方から高圧洗浄する時に注意することは汚れを含んだ洗浄水が空中に飛散しやすいと言う事です。また、すでに屋根の洗浄が終わっている場合には汚水が屋根の上に付着する可能性があること。再度屋根の上の状態

2021年7月5日(月)
塗料の色

■乾燥による色の変色

濃彩色は乾燥後に色が濃くなります。特に水性塗料で顕著です。

塗りたての色を見ただけでは、違う色と勘違いなされるほど、乾燥後の色とは異なります。

また、塗装工程の乾燥が不十分な状態で、下塗りから、中塗りを塗り重ねた場合などには、下の色と次ぎの色が溶解して、本来の色とは異なる色合いに変わる場合があります。ブリードと言います。

工程における、塗料の乾燥期間の確保は、塗装の機能性や膜厚だけではなく、仕上がり色の観点からも大切。
外壁の広い面積の部分(メインカラー)の色と、凹凸部分の配色には、いくつかのパターンがあります。
同系色の明度による差や、色相に差をつけたり、補色による組み合わせなど、さまざまです。
加えて外壁の1階と2階の中間部分に、【付け梁】などの帯がある場合には、配色が難しくなります。

1階と2階で色分けする場合に、上下の配色は無難でも、中間に位置する付け梁などの色で印象が大きく異なります。その部分をくっきりと目立つようにメリハリをつけるか、上下の色に溶け込むようにするか、あるいは雨といやサッシの色合いに合わせるかなど、いくつかのパターンがあります。

基本的には窓枠や玄関扉は塗装しないで完成後もそのままなので、ブロンズ系ならベージュなどの茶系が、黒や白の窓枠は無彩色なのでどんな色も合います。

一般住宅の場合、色を多用しないことです。特ににぎやかな配色や目立つ印象をお望みになる場合をのぞきましては、5色以内が穏やかです。

■色違い仕上げの選定

一般的には自然にある色の取り合わせが失敗がありません。緑の葉に茶色い幹から屋根は濃い緑・壁は茶系に仕上げる。
青い空に白い雲から薄青の外壁に白い窓枠。

また同一色の濃淡によって色を替えるのが一番失敗が少ないです。

屋根は黒で壁は薄いグレー、雨樋や破風板は濃いグレーや

屋根は濃茶で壁は薄いベージュ、雨樋や破風板はこげ茶などは安定した仕上がりになります。

また1階2階と水平に色を替える場合は、1階に濃い色を使い2階に薄い色を使うと安定した感じになります。

最近では2階に濃い色を使い少し不安定に見える外壁色もありますので、お客様の好き好きですが。

2021年6月28日(月)
日塗工色見本

●配色の決め方のポイント(重要事項)
日本塗料工業会色見本帳
建築塗装の色見本のデファクトスタンダードで、数多くの色が掲載されています。
しかし色のサンプルが小さい為、弊害も多いようです。


■わずか、数センチの塗装見本帳で色を選択し、イメージだけで配色を考えた場合、ほとんどが足場解体後に

「イメージと違う・・・」

という結果になります。

■当店は、すべての色サンプルを実際に家屋に塗装し、お客様との直接の対話を通 して配色を検討してまいります。

■カラーシミュレーションも行っております。

■さらに、必要に応じて、足場のネットをはずして、配色の見本塗りが見えやすいよう配慮致します。



日本塗料工業会の標準色見本帳・・・この見本だけで色を選択すると、イメージと異なる仕上がりになりがち。色は広い面積に塗ると薄い色(明るくあざやか)に感じます。周囲の色の影響も受けます。

●色の見え方

 物体の色は、光の反射によっても異なって感じます。太陽の直接光と陰になった間接光では、色味の感じ方が違います。また、朝の太陽と夕日では異なった色に見えます。

色の見本帳や見本板をご覧になる時には光源に注意してください。
必ず自然光=太陽光のもとで検討してください。

人工光のもとでご覧になるときには、白熱電球と蛍光灯では色の印象が異なることも注意してください。
照明光が物体の色に影響を与えることを演色といい、それを照らす光源の性質を演色性といいます。

色は塗る面積や被塗装面の形状によっても違って見えます。

■■ 被塗物の形状に関して

同一の塗料を、異なる素材(被塗物)に塗装した場合、素材表面の凹凸が多いほ ど、色合いは濃く見えます。

既存の外壁に塗替えをする場合、凹凸模様のあるスタッコや吹き付けタイルの吹きムラ部分が、周囲と違った色合いに見える場合があります。小さな粒の砂壁状リシンなどの吹き付けムラも一様な色合いに見えないことがあります。


2021年6月21日(月)
艶(つや)による色の変化

塗料の光沢(つや)には、分類があります。

 一般的には【つや有り】【7部つや】【5部つや】【3部つや】【つや消し】など。
 
ピカピカ光る仕上がりよりも、少しマットな感じの艶消しをご希望のお客様もいます。特に和風建築にはつや消し塗料の方が似合うようです。

 ただし、つや消し剤の配合は一般的には、耐侯性の減少傾向の可能性があります。
 また、つや消しの場合は、つや有りと比較して、色合いが薄く感じます。
 汚れも付着しやすい傾向があります。

 つや消し塗料は表面に微細な凹凸があり、これが光を乱反射しつやが消えます。
 この微細な凹凸に汚れが付着しやすい為、艶消し塗装は汚れやすいのです。

 モリタ建装のおすすめするビーズコートSiは、ナノテクノロジーによってつや消し塗料なのに超撥水効果があり非常に汚染に強い塗料です。
 ジョリパットやベルアートなどの土壁系の汚れやすい物件でも、7-8年前に施工したものは非常にきれいで汚染していませんでした。

●配色がイメージを左右します

 ■塗り替え後、数年間はその配色のイメージが持続します。

 塗料の等級により、色あせの始まる時期が異なりますので、塗料の選択には慎重であるべきです。
 廉価版の塗料を使い、工程を省略した施工では、数ヶ月で【塗膜のハガレ】や【色むら】が生じます。

  ■店舗などの、定着した配色イメージが重要視される場合には、【高耐侯性】の塗料が選択されます。

 高層ビルでは、塗り替え周期が長いため、同様に【持ちの良い塗料】が多用されます。
 紫外線による色あいの変化が少なく、塗料のツヤを長期間にわたり保つ塗料(光沢保持率が良い)
 が「高耐侯性塗料」です。
 通常は、(高い)フッ素樹脂・シリコン樹脂・ウレタン樹脂・アクリル樹脂(低い)・などの順となります。

2021年6月14日(月)
外装塗り替えの効果

■ さて、どんな塗装屋が塗るにしましても、

ご自分の好みの色あいや、周囲の人から「いいわねぇ~」と言われるような配色で塗り替えをなさりませんか?
お客様の理想のイメージに塗り替えましょう。
きっと、ご満足いただけます。

余談ですが、塗り替え後に
・わが家をながめてうっとり・・・
・奥様のお掃除がまめになった
・招待客や好ましい来客が増えた
などの変化をお聞きします。

・うるさいセールスや電話が減った
などはよくご報告をいただきます。

配色って大切だな・・・思われませんか?

塗料の選定や工程・さらには配色に関しても、施 主様に必要な説明をしながら塗り替える事は、塗装屋の責任の一つと考えます。

配色はとても大切です。

配色は塗装屋と施主様の、共同作業と言えるかもしれません。
もっともコミュニ ケーションの必要とされる塗り替えの要素です。

特に、店舗の塗り替え配色はオーナー様の意向を理解し、見本塗装の必要性が大きくなります。
内外装の配色は売り上げに直結します。
色合いから受ける無意識的な感情が影響してしまいます。ファーストフードの店舗内の配色が【暖色系】が多い事などは、みなさんもご存知のところです。

●塗り替えをなされる時に、重要なこと

 ■ 「塗料の耐侯性・機能性」・・・お家の外観の耐久性を左右する

 ■ 「下地処理」・・・塗装部位の耐久性や美観を左右する

 ■ 「作業工程・仕様」・・・塗り回数や塗装間隔など

簡単に言えば、【どんな塗料をどんな順序で塗るか?】という事。
そして、塗装屋がどう塗るか・・・・

つまり、ていねいに塗るかどうか・・・と言う事です。

以上は、専門家である塗装屋や元受会社が、お客様のご要望や予 算との兼ね合いを考慮して決定するのが一般的です。
施主様は、どちらかと言うと【受動的】になられる項目と言えます。

2021年6月7日(月)
塗り替え時の色の選定

■施工する立場から言うと、

塗り替えで使用する色の数は、少ないほど、また塗料の種類も少ないほど作業性は増します。
作業者としては、とても楽になります。
刷毛やローラーも使いまわしが利きますし、色分けの手間もなければ、材料の余りも出にくく、効率は良いわけです。

塗料の種類の説明もせずに、配色も【在来色】で いいですね?というような感じで施工を始める塗装屋も珍しくはないそうです。5日間くらいで、30坪くらいの家屋の塗り替えを済ませるそうです。
とても、速い工程だと思います。普通はそんなに、早く完了するはずはありません。

単価や受注形態により、これもまた仕方のないことかもしれません。直施工の塗装店ばかりではありませんから。

しかし、モリタ建装では塗装材料は全ての現場で、メーカーの工場に指定色で発注します。建物の事を考えたら多色があえば多色に、工程もカタログ仕様の通りに行っています。

■ 塗り替えで、上から下まで一色を塗ったら

家屋全体に、好みの色あいを塗ってみるのも良いかもしれませんね。どのような感じになるのでしょうか・・・。想像してみましょう。

真っ青な家。屋根も壁も軒天もすべて真っ青。
少々不思議な雰囲気になるのではないでしょうか?

国外では珍しいことではなく、自分たちで家屋を好きな色に塗り替えます。グリーンのとなりはイエローの・・・
風土の違いでしょうか。

実際には、外壁と破風や軒天色は異なるのが普通です。
通常は4・5色くらいでしょうか。店舗の塗り替えでは、もう少し色数が増える傾向です。

配色に関しての興味は、施主様によっても、施工店によってもそれぞれかもしれません。

配色に関心のない塗装屋・・・
盛り付けを気にしないシェフのようではないでしょうか。
食は眼でもいただくものではないかと感じます。
器の中の食材の配色に自然に眼が行きます。
おいしそうな配色って確かにありますね。
味と盛り付け、どちらもポイントかもしれません。

塗り替えが単に【長持ち】すればいいと考えるなら、施主様の気に入らない配色が長持ちしたら、どうなるんでしょうか・・・私なら、帰宅時間が遅くなりそうです。塗りなおしをしてもらいたいような気持ちになるかもしれません。
好みの配色に彩られた塗替えが長持ちするのが理想と感じますがいかがでしょうか。

2021年5月31日(月)
外壁の配色

塗り替え工事では、外装の既存塗装部すべてを再塗装するので、色をガラッと変えることができます。
ただ新築の最初からの配色も、建築士やお客様が考えて建物にあった色を選んでいるので、50%くらいのお客様は現状のままの色、既存色で塗り替えを希望されます。

20年程度前はべーじゅの濃淡が流行り、10年前は南欧の家に用いられる黄色やオレンジ系や、白と濃いグレーの2色が流行るなど、時代とともに流行の色が存在します。
ただ建物は数十年単位で使用するものなので、流行を追うよりも納得した色を使うことをお勧めします。

メーカーの外壁塗料のカタログにはサンプル色が30色強掲載されていますが、これは人気のない色は外され長い年月に選ばれてきた色しかありませんので、無難な色が揃っています。

色彩感覚に自信がある方は、大胆な色使いをされるお客様もたまにいます。プロから見ると合うのかな?と感じても、実際完成すると素晴らしい物になる事があります。
思い切った色使いにチャレンジしたいお客様には、カラーシミュレーションでお手伝いしています。

■明るい色と暗い色
サンプルの写真は同じ建物で明るい配色にしたものと、暗い配色にしたものです。
明るい物は、膨張色系の為実際より大きく見え、清潔感があります。
暗い物は、締まった感じになり、重厚感や高級感が出てきます。

■配色はお家の印象を左右する大切な要素

感覚的で個人差がはっきりした要素。
明るい配色が好き・落ち着いた配色が好みの方。
お好きな配色は、人それぞれに異なります。

洋服なら、「気分や場所柄によっ て着こなす」ということもできますが、家屋の配色は塗り替え後、数年間はそのイメージが持続します。
また、異なる世代がお住みになる 場合、個人的な好みを一つの配色に調整することは、ときには難しく数日間を要することもあります。
配色に敏感な施主様。芸術家という例も。
そして前回、配色に失敗なされた方。
慎重になられるのは当然の事と思います。


2021年5月24日(月)
外装塗り替えQ&A-4

Q.外壁にひび割れが目立ちますが直りますか?

A.ひび割れ補修を行い、弾性塗料を数回塗装すれば目立たなくなります。

■左の画像はアクリルスタッコと呼ばれる種類の外壁です。 外壁の種類は軽量セメントモルタルです。表面には吹き付け工程により作られた凹凸模様が見られます。この種類の壁面に生じたクラック(ひび割れ)は、処理の仕方に注意が必要です。 

モルタルは現場調合によりセメントと砂を1:3の容積比率で混ぜます。軽量モルタルは既調合の工業製品となります。

■右の画像は、完成時の壁面の様子です。ひび割れの補修の跡もほとんど目立たなくなります。この仕上げは、ウールローラーという、一般的な形のものを使用しています。補修の痕跡を最大限に目立たなくするためには、下のようなマスチックローラーというスポンジ質のものを使用します。材料の含みが良く外壁の表面に【さざ波模様】を作ることができます。

Q.さざ波模様とはどうゆうもの?

A.鎖骨材ローラーを使用した凹凸のある模様です。

外壁塗装で凸凹を付けるためには、コンプレッサーなどの吹き付け機器によって、いわゆるガン吹き仕上げが普通でしたが、吹き付けのため塗料の飛散や、部分的に小面積にと言うことが難しかったので、鎖骨材ローラによる模様付けができました。

【さざ波模様】【スチップル模様】は、鎖骨材ローラーの凹み部分の目の大きさにより、小粒や大粒を加減することができますし、塗装材の濃度によっても、異なる感じの凹凸の模様に調整できます。また、塗り回数によっても、雰囲気が異なります。

Q.マスチックローラーと鎖骨材ローラーは同じもの?

A.いいえ、異なるものです。

一般的には鎖骨材ローラによるスチップル模様です。マスチックは「バンドエイド」「セメダイン」等のような特定企業の商品名が、一般商品と混同されているようです。

青いローラーが「マスチックローラー」で黄色いローラーが「鎖骨材ローラー」です。マスチックローラーは特許マスチック工法用の指定品です。鎖骨材ローラーには細目と呼ばれる小さめのパターン向けのものがあります。この鎖骨材ローラーの画像は細目となります。

また、弾性タイルや骨材入り塗料に使用するパターンローラーと呼ばれものもあります。混同されがちですが、異なる名称です。パターンローラーは内外装の多様なテクスチャーを作るために塗装材や左官材を使用しての施工が行われています。吹き付け工法によるパターン作成と違い飛散が少なく騒音もでません。

2021年5月17日(月)
外装塗り替えQ&A-3

Q.工事の打ち合わせについて

A.工事仕様書や工程表を見ましょう。

数日間の工事の間に、その後数年間のお家の様子が替わります。 家屋が健康になり若返ることもあれば、イメージと異なった仕上げになる場合もあります。 工事に関する打ち合わせは、施主様と施工店の間でスムーズに行いたいものです。 

●工事の打ち合わせの中で、最も重要なものが工期と工程です。 
●次に、下地をどのように整え塗るのか(下地処理)ということです。 
●さらに、外壁などの「形(テクスチャー)」と「色・配色」です。 

つまり、どの程度の丁寧さで家屋を塗り替えるか・・・ということです。 発注金額や、その後の塗替えの周期に影響することですから、慎重に検討してください。 

とりあえず「お色直し」の程度の工事なのか、将来的にも安心できる補強仕様なのかで、工程や工期が 変わってきます。できることならば、施主様ご自身も塗装に関する基本的な知識をお持ちになり、 わからない点があれば、遠慮なく施工店に問い合わせるのが良いでしょう。

Q.工期と工程について

A.工程を重視すれば、工期がかかります。

■工期は作業人数や、工程(どのような順序を踏まえて作業するか)により大幅に変わってきます。 塗り重ねの際の「乾燥期間の確保」によっても数日の開きが生じます。 
一番の要素は、下地処理の丁寧さと、塗り回数です。その他に、

・作業がしやすいかどうか
・家屋の形が複雑で入り組んでいるか・・・ 
・足場を全面にかけるかどうか・・・ 
・1階と2階で違う色を塗るか・・・
・出窓やベランダに異なる色を塗るか・・・ 
・ひび割れの補修や、構造上で弱い部分を交換したり補強したりするかどうか・・・ 

など多くの要素の影響を受けます。 特に、下地処理の仕方には施工業者により大きな差があります。 また、屋根や外壁の塗り方一つにしても、刷毛やローラーの使い方・手順に違いがあります。 丁寧に塗る方法と、速さを重視した塗装方法の差があるようです。特に工期を短くしてもらいたい場合にはあらかじめ施工者へ伝えておくのが良いでしょう。

2021年5月10日(月)
外装塗り替えQ&A-3

Q.見積もり書の一式とは何ですか?

A.「一式」というのは次のような例です。

1.面積や長さの算出が困難な場合
 (階段の手すりのキズの補修や、床の部分補修など) 
2.実際の作業時間は短時間で終了するが、現場までの距離が遠い場合。 
3.特殊な技術や工法が必要とされる作業。
4.懇意のお施主様に対して、廉価で施工するような場合も用いられます。 

諸経費、材料費や交通費、作業時間などを総合的に判断して用いる見積もり金額の出し方と言えます。 また、お客様によっては【この部分は、いくら以内で工事してほしい】という場合もあるかと思います。 このような場合は、一式の表記が用いられることがあります。

Q.諸経費とは何ですか?

A.諸経費は一般に会社の規模により異なります。
各業者への連絡に必要な通信費や交通費・現場管理費や会社を健全に維持経営するために必要な経費。広告宣伝や営業社員への歩合給などが含まれる場合があります。 現場作業に必要な道具や機械の燃料代・消耗費など。デザイン料や記録保存費などが含まれることもあります。 諸経費は一般に会社の規模により異なります。項目別に詳細金額は記入しないのが一般的です。

Q.値引きについて

A.ほどほどの値引きならば・・・

適正価格で表示された内容の見積書から、あまりにも大きな金額の値引きは難しいでしょう。人件費を大幅に削減したり、使用材料の変更による値引きでは、施工内容に悪影響が生じますので、お客様と業者間の程よい値引きでありたいものです。値引きに関しては施工店で独自の考えをお持ちのようですので、慎重にご検討ください。

今すぐ決めていただけたら、30%減額しますなどは値引きしすぎですね。最初から30%高く見積もっていると考えましょう。

予算をオーバーする場合には、見積もりの段階で施工範囲や材料の等級・塗り回数の変更が可能かどうか業者に直接問い合わせるのが良いでしょう。また、お支払いの方法に関しても相談なされてみてはいかがでしょうか。

2021年4月26日(月)
外装塗り替えQ&A-2

Q.塗り替え工事はどこに依頼すればいいですか?

A.営業会社と施工店の差があります。

営業マンやテレビなどの宣伝により塗り替えの受注を中心に行うのが営業会社です。施工するのは地元の塗装店となります。この間には「元請→下請け」の関係が成り立っています。「下請け→孫請け」の受注階層が成り立っている場合もあります。元請の経費や利益が50%必要の場合であれば、施工店の受注金額は半値ということになります。
家電や自動車などは有名メーカーが安心と信頼に繋がりますが、外装リフォームに関しては、これとは逆の場合が多いです。多くの物件を全て自社の職人によって施工するのは不可能なので、営業会社体質になります。

お客様からの受注を直接に受け施工も自社で行うのが直施工店です。

また、著しく高い見積もり、工事の手抜き、必要のない工事をするなどの悪徳リフォームにも注意が必要です。

Q.塗装店の他に塗り替えを頼むには?

A.塗装店の他に塗り替えを頼むには?ハウスメーカーや工務店でも行っています。
塗装を営業項目に掲げている業者はたくさんあります。代表的な例としては
1 全国的な支店を持つ大手の総合的リフォーム会社
2 地元のリフォーム会社
3 塗装専門店
4 ハウスメーカー
5 工務店
6 設計事務所
*加盟店を募りインターネットを通じて業者を紹介しているサイトも見られます。

リフォーム内容が塗装だけの場合ならば、3 の塗装専門店が充実した内容の施工が可能ではないでしょうか。総合的な改修工事ならば、全般的なリフォーム店の対応が早く組織だった施工や管理を行っています。なお、塗装店でも他のリフォームに対応している場合がありますので、問い合わせてみると良いでしょう。

工事を頼むのに大切な事は、なるべく外注と呼ばれる元請・下請け関係の少ない、
つまり自社の職人が直接施工する会社に頼むことがコストを減らすキモです。

塗装のリフォームがメインの工事なら、地元の塗装専門店に頼むのがコストパフォーマンスや信頼の点から有利でしょう。


2021年4月19日(月)
外装塗り替えQ&A-1

Q.塗り替えはどうして必要?

A.家屋や構造物を保護して美観を保つために、定期的な塗り替えは必要です。
家屋は風雨や温暖の変化などの気象条件にさらされています。塗り替えは、下地処理をふまえた正しい工程で、新しい塗装の膜を与えることにより、外壁のひび割れを処理し防水性を高めたりします。また、新築時の家屋の美観の回復にも経済的な方法です。適切な時期に塗り替えることは家屋の寿命を延ばします。定期的な塗り替えを行いましょう。

Q.塗り替えは新築後何年くらいで?

A.最初の塗り替えは新築後およそ8年~10年以内が理想です。
家屋の立地条件や気候により塗装の劣化の状態は異なります。また、新築時の施工要領や工程間隔の影響もあとから発現してきますので一概には言えません。方角により劣化の状況に違いが見られたりします。家屋の構造上の問題から外壁にヒビが発生することもあります。劣化の進んだ場合の塗装では、下地処理や工程の複雑さを伴いますので、費用の面でも影響してしまいます。定期的に家屋の状況を点検しておくことが大切です。

Q.塗り替えは何年周期がいいの?

A.塗料の品質と施工内容により異なります。
塗り替えの周期は、家屋の立地条件や塗られた部分(方角)によって傷みの様子が異なってきます。紫外線の影響の強い南面の外壁や雨水を直接に受ける屋根などは塗り替え後に早く劣化が進行します。また一般的に、木部や鉄部などは早めの塗り替え周期が必要となります。塗り替え後の経年劣化の様子を見ながら次の塗り替え周期を決めるのが良いでしょう。 塗料の品質によっては色アセが早期に発生したり、青色の顔料や極彩色は比較的早い時期に色に変化が見られることもありますので配色も検討してください。

また、塗り替えの塗料のグレードや塗りの回数によっても差異が見られますので、次回の塗り替えでは塗料の機能性を検討して施工すると良いでしょう。塗料のカタログや塗料メーカーのホームページなどの情報を活用してください。メーカーにより、塗料の価格や設計単価などもご覧になれます。

Q.一般的な塗り替えの周期はどのくらい?

A.およそですが、8年から12年くらいと思います。
塗料の耐候性や部位によって、違ってきます。劣化の見え始めた部分だけを早めに塗り替えるのもひとつの方法です。紫外線の当たるドアの色アセや木部の透明仕上げなどは特にメンテナンスが必要です。施工店に依頼して定期点検をしてもらうのも良いでしょう。ご計画をたててご検討ください。
 
たとえば、耐用年数の10年と15年の塗料で、15年の方が3割価格が高いとしても、年ごとの費用は15年の方がお得になります。材料のグレードはトータルに考えましょう。

Q.塗り替えに足場は必要?

A.安全性と丁寧な施工には必要です。
建築現場では安全性が大切です。傾斜のゆるやかな屋根などの単品施工の場合などには足場が不要な場合もあります。近年では、家屋全体の塗り替えは架設足場を用いるのが一般的です。安全性の高い足場によって、ていねいな施工が可能となります。

不安定な姿勢や危険性のともなう作業では塗り動作がうまくいかず工程の省略などの影響が出るかと思います。また、足場には飛散防止ネットは必ず必要です。ローラー塗りでも風の強い場合には周囲に塗料が飛散することがあります。お車や近隣家屋にご迷惑をかけないためにも足場工事はとても大切です。

弊社では全ての現場がシステマチックで安全な作業床のBIKE足場です。
安全性や作業効率から単管抱き足場やパイプ足場は使用しません。

2021年4月12日(月)
亀裂の補修-3

●ヘアークラックの補修

髪の毛ほどに細いヘアークラックに対してUカットシールやフィラー摺り込みを積算すると、それだけで金額が高くなってしまいます。一般的にヘアークラックは亀裂が広がらないので、弾性系の下塗り材で塗りこんでいきます。

また、建物の全体に密着力の高い微弾性フィラーを下塗りする事により、仕上げ材の密着性を確保し、弾性力によってヘアークラックの発生を抑えます。
作業性も良く低価格で施工できるため、あらゆる塗り替え工事に使用されています。

●Uカットシーリング

■ヘアークラック(微細なひび割れ)と異なり、幅0.3ミリ以上のクラックはUカットシーリングで補修します。

■シーリング乾燥後に、シーリングの上にカチオン系のフィラーを塗ります。

カチオン系フィラー:
カチオン系特殊工マルションを混和剤としたポリマーセメント系材料。

■その後、シーラーを塗布してから、周囲の旧塗膜と似せてパターン補修を行います。

■パターン補修後に所要の塗装工程にて全体を塗替えます。

スタッコや吹き付けタイルなどの、表面の凸凹の大きな外壁の場合には、Vカットの前にクラックの周囲をサンダー処理する必要があります。あらかじめクラックの周囲を平滑にしておいて、吹き付けによるパターン再形成(表面凸凹模様)の余分な重なりを目立たなくするためです。完全にパターンの重なりを無くす事は難しく、Vカット仕様かエポキシ樹脂注入などの仕様にするかの判断が必要です。
微細クラックの場合には、フィラーを部分的にひび割れに充填・すり込みを行うか、全体的に塗りつけることで、塗替え後の表面塗膜にはクラックの痕跡はわかりにくくなるでしょう。

■パターン合わせ

Uカットシーリングを施工したまま仕上げ塗装しますと、シーリングの上だけ平滑なため、施工の跡が大変目立ってしまいます。


そこでスチップルローラーで凸凹の模様を付けます。
これをパターン合わせと言います。


これがスチップルローラーで、表面をゆず肌状のパターンを付けることができます。
微弾性フィラーなどで使い、下地補修跡を目立たなくする場合などにも使用します。

吹き付けと違いローラーなので、下地の悪いところだけ使う事が出来ます。

2021年4月5日(月)
亀裂の補修-2

外壁亀裂の補修

0.3mm以上の亀裂は鉄筋コンクリート造ではUカットシーリングしますが、これはシーリングの厚みをかせぐ為です。最初から厚みが見込める場合や、モルタル壁などでは掘ることに強度が落ちるため、エポキシ樹脂注入補修します。

0.3mm未満の亀裂はフィラー刷り込み補修します。これは細い亀裂は大きくならないので、なるべく目立たなく綺麗に仕上げるためです。


●モルタル外壁にはひび割れが必ず発生します

■モルタル外壁の欠点は、ひびが生じやすいということです。

・一度発生したひび割れは、年月とともに、その深さと長さが増していきます。放置しておけば、雨水の浸入により内部の構造体に悪影響を及ぼします。また、地震による構造体のひずみにより、ひび割れの深さと幅が拡大して、家屋自体の劣化を早める可能性がありますので早めのメンテナンスが必要となります。

●ひび割れの現況(モルタル面)添付写真参照

・全体的にひび割れが発生しています。

(最大のひび割れの巾は5ミリでした)

*この例は新築後15年以上が経過しています。
 
今回が最初の塗り替えです。

●フィラーの摺り込み補修

一般的に0.3mm未満の亀裂、いわゆるヘアークラックに対してはフィラー摺り込み補修で対処します。

フィラー摺り込み補修の効果は壁面などの、細かなひび割れに追従し、クラック(ひび割れ)の発生を補修し、 素地となる外壁を補強します。また上塗りとの密着を強化する効果もあります。

Uカットシーリングのように建物自体にダメージを与える事が無く、低単価で施工できるのも特徴です。

また見た目も、シーリング処置の上はツルッとして仕上がっても光沢や肌合いで分かってしまいますが、フィラー刷り込み工法だと周りと肌合いが同じなので、クラック補修跡がほとんど目立たないという利点もあります。

2021年3月29日(月)
外壁の亀裂の補修

外壁やコーキングのひび割れの補修は、下地調整として欠かせません。
塗り替えの強さを決める重要な工程です。

●ひび割れの原因

■さまざまな原因があります。

・地震などによる、構造材のひずみ

・部材自体の強度不足

・施工技術によるもの

・自然な老朽化によるもの

●ひび割れの種類・程度

■深度と幅により大別されます。

・外壁材の表面から、最深部までのもの

・表面から、数ミリの中程度のもの

・ごく浅い表面のみのもの(ヘアークラック)

・ひび割れが進行し、内部で外壁が剥離しているもの(浮き状態)

●ひび割れによる、内装・外壁への影響

・モルタル壁なら壁面の剥離や室内への漏水が生じます。

・外壁は、サイディングなら、【反り】が生じます。

・モルタルコンクリートは、塗膜の【浮き】・【はがれ】、さらには【剥落】が生じます。

・クロスの雨染みや建具類のひずみなど。

●ひびの下地処理は、不可欠です。
補修をおろそかにして、たとえ高価な塗料を使用したとしても効果的ではありません。

表面の浅いひび割れの状態で、早期に塗り替えを行い、雨水の浸入の防止と、躯体の保護を必要とします。
 


2021年3月22日(月)
外壁の見かけの欠陥-2

●塗膜のはがれ・穴・ヘアークラック

最初は小さな傷や劣化ですが、放置しておくと被害が広がってゆきます。
発見したらすぐに対処しましょう。

モルタル壁の住宅では窓回りに斜めに入る亀裂が多いです。これは壁面に開口部があると強度的に弱くなるので出やすい部分です。
壁の真ん中に入っている亀裂は、建物の構造的な欠陥が疑われるので注意が必要です。

サイディング壁の場合は亀裂は主にシーリング目地に集中するので、シーリング目地に注意してください。

■ひび割れからの雨水の浸入は、塗膜のハガレを引き起こします。モルタルの内部の水分が内側から塗膜を押し上げる結果です。

塗膜のハガレは、ひび割れよりも広範囲の雨水の浸入を招きます。素地であるセメントモルタルは、中性化して強度が低下しています。

ヘアークラックとは一般的に0.3mm未満の亀裂の事で塗膜自体の亀裂の為、0.3mm以上のクラックとは補修法が異なってきます。
弊社ではヘアークラックはフィラー摺り込み、0.3mm以上の場合はエポキシ樹脂注入で対処しています。

●窓枠(サッシ)まわりのすき間・水きり板金付近のすき間

窓枠回りも経年変化により亀裂やすき間が出来やすい個所です。形状変化の少ないサッシと、形状変化の大きいモルタル壁の接点なので、歪みが集中しやすい為です。
 
■モルタル外壁の場合、地震や躯体のひずみとは関係なく、外壁材自体の収縮により、サッシや水きり板金などの特定部分にすき間が生じます。

シーリングによりすき間を充てんしてから、フィラーと呼ばれる微弾性下地調整材を塗布します。

その後、壁面の上塗り塗料として弾性塗料を数回塗り重ねることで、雨水の浸入を防ぎ、美観を回復することができます。

2021年3月15日(月)
外壁の見かけの欠陥

■雨だれ汚染 雨すじ汚染

雨すじ汚れは、外壁の表面形状に左右され、凹凸が大きいタイプの外壁の場合は特に目立ちます。水の流れる道に沿って汚染されるので、低汚染タイプの塗料に塗り替えるのが良いです。


近年、この雨すじ汚れに対して効果のある塗料の開発がさかんです。低汚染塗料と呼ばれています。
雨だれ汚染などの塗膜の汚れに対して有効な、親水性・低帯電性・触媒作用による汚れの分解など、塗面の美観を長期間維持することが可能な塗料が使用されるようになりました。

低汚染型と言われる塗料も、効果はそれぞれでしょうけれど、塗替えの際には、施工に使用する塗料のカタログを施主様ご自身がご覧になり、塗料の性能について知識をお持ちになられることを、おすすめいたします。せっかくの塗替えなのですから、塗面の美観ができる限り維持できることは、大切なポイント。

シリコン系、無機系の塗料が低汚染塗料に当たります。

価格や塗り易さだけで、塗料を選択した場合、経年後に予測以上に早期の塗替えが必要になる場合があります。
施工店が自ら、塗料の経年変化を実際に確認したり、自社で実験などを行う事も塗料の選択の一つのポイントかもしれません。

■ひび割れの発生 モルタル外壁の場合

●モルタル外壁では、ひび割れの現象が良く見られます。ひび割れはモルタル自体の熱収縮・乾燥収縮、建物全体の歪・挙動等の原因によって発生します。

●放置しますと、雨水の内部への侵入により外壁モルタルの【浮き】や【剥落】の心配も生じます。下地ボードの強度が低下したり、ラスと呼ばれる金アミのサビの発生も心配となります。

●地震や構造部材のひずみに起因する場合や、新築時の左官工事における工程間隔などの原因も考えられます。

●材料の混合比率や厚み、下地の貼り付け具合など、原因はさまざまです。地盤沈下や道路の交通量が大きい場合の振動などが影響する場合もあります。
 
外壁のひび割れは美観を損ねるだけではなく、家屋の構造の強度にも影響します。
雨水の侵入により、大掛かりな外壁工事が必要となることも事実ですが、セールスマンの指摘ポイントとして、適切ではない状況説明により、不必要な不安感を与えるなどの話題が聞かれるようになってきました。

塗装工事により、適切な下地処理と、現況に適合した塗料の選択を踏まえた施工仕様により、ひび割れに対して有効な施工が可能です。

サイディングへの張り替えにより、【塗替えはもう必要ありません】と言われたというお話しを、施主様からお聞きすることがありますが、そのような塗装膜をもったサイディングは、紫外線による耐侯性試験の結果が優良である部材を指していることだと感じます。半永久的に色あせや退色が起こらない外壁材は、現状では存在しません。
またサイディング目地シーリングが10年程度で劣化するので、塗り替えは必要になります。

2021年3月8日(月)
外壁の見かけの変化

1)汚れの付着

●粉塵や空気中の汚染物質の付着による避ける事のできない現象。建物の立地条件や外壁の形状により程度はさまざま。

●北面などの方位や近隣の自然環境により、汚染の進み方は変わってきます。

●また、既存の外壁塗料の性能により経年後の汚れ具合は異なります。

●【親水型】【低汚染型塗料】とか【光触媒】など近年では、汚れが付着しても雨水や化学作用により汚れの程度を軽減する塗料が開発されています。

■汚染の原因によって下地処理の仕方が変わります。

①外壁下地がリシン壁で全面的に汚染されている様な建物は高圧水洗浄で対処します。

②サイディング目地のブリージングが汚染の原因の場合は、高圧洗浄の後にブリージングの縁切りをするため、全面にエポキシ系プライマー処理が必要になります。

★ポイント
ブリージングとはこのブログでも度々取り上げていますが、シーリング等は弾性力を維持するため、可塑剤というものが含有されています。
この可塑剤は上に塗料を塗っても浸透して表面に達し、汚れが付着しやすくなってしまいます。
特にシリコンシーリングのブリージングは激しく、外部換気口の周りなどをシリコンシーリングしますと、周りだけ黒ずみ汚染します。
対処法としては、可塑剤が表面に出てこないようにエポキシ系プライマーなどで縁切り処置が必要です。

カビや藻の発生
●外壁の美観上とても気になるのがこのカビや藻の発生。

●外壁の塗料の性能には、原料のなかに最初から【防カビ・防藻】の成分

を含んでいるものもあります。

●しかし、一般的には、新築時の外壁の塗装工事に使用される塗料は、そ

のような性能を持たないものが多いのです。

●シリコン系外壁材を使えばカビや藻の耐光性が高い為安心です。

カビや藻は外壁内部に根が入り込んでいる為、外壁塗装が侵されてしまい損傷が始まります。高圧洗浄15Mpa以上で根こそぎ除去する事が大事です。

2021年3月1日(月)
塗装のチョーキング(白亜化)

塗料の寿命は塗料自体の分子構造が紫外線等によって結合を破壊される事で、一般にはチョーキングとして表面化します。

■塗装は劣化すると色が変わります(変色・退色) 
チョーキング(白亜化)
 
工場塗装のサイディングにも色あせやツヤ引けが生じます
■チョーキング・白亜化
塗膜の表面がチョークの粉のように粉化することをチョーキング または、白亜化と呼びます。これは、塗膜の劣化の最も判り易いサインです。
工場塗装されたサイディングの場合、基材に着色したうえから透明のクリヤー塗装がなされているものは、右図のように極端に白亜化することは少ないです。しかし紫外線カット効果の無いクリアーなので徐々にチョーキングは進みます。

塗料がチョーキングして粉化すると、住宅を守る鎧の役割が果たせなくなり粉化が塗膜全体に及び、雨水が建物内に浸透します。

つや引けや色あせ(褪色)は樹脂膜の中の顔料の化学変化が原因。水・酸素・紫外線による加水分解や酸化に起因します。塗料の耐侯性は酸性雨や有害ガスなどの影響も受けます。

■塗装のもちの問題でよく言われる【耐侯性】は、主に塗料構成物の中の【樹脂】に依存します。フッソとかシリコンとか呼ばれる樹脂の等級により塗装のもちが左右されます。主に耐紫外線への性能の高さによる違いです。これは樹脂の分子間結合力の強さに由来します。

基本的には
耐侯性1種 フッソ塗料
耐侯性2種 シリコン塗料
耐侯性3種 ウレタン塗料以下 になります。


その他にも、立地条件や施工の際の工程や仕様により経年後の塗装の様子は変化します。

また、樹脂とならんで顔料といわれるものにも光に対する強さの差があり長期間塗膜が自然にさらされることにより色むらや色の変化が生じます。

屋根の色が塗替え後には、チョコレート色だったものが経年後には、ぼやけた紫っぽい色合いに変化するなどという現象が起きます。調色に必要な顔料自体の耐侯性の差により、残りやすい色合いが決まってしまいます。

また使用する色によっても色アセの進行度が違い、赤・黄・青などの原色系は色ムラ・色アセが速く起こる傾向があります。

顔料は光の影響を受け、退色・黒変・色相変化などの現象を起こします。このことから顔料だけの劣化については、耐光性という言葉が用いられます。
塗膜の劣化により防水性が低下することから、カビや藻の発生により変色して見える場合もあります。


2021年2月22日(月)
シーリングについて 

コーキングとも呼ばれ同じ物です。 
■サイディングと呼ばれる外壁のジョイント部分に充填されています。ALC造や鉄筋コンクリート造にも使われます。
■シーリングは外壁と窓枠(サッシ)の間や、天井と壁の接合部など家屋の多くの部位に用いられています。

●さまざまな種類があり、耐久年数が異なります。
●今現在のシーリングの種類は、ウレタン・アクリル系が多いです
●塗り替えで使用するのは、【変性シリコンシーリング】や 【ポリウレタンシーリング】です。

弊社は一般住宅でもすべて混合型2液シーリング材を使用しています。ホームセンターなどで売っている1液シーリングカートリッジは官庁工事では使用が認められていません。

【変性シリコンシーリングの特長】 
一番の特徴は表面仕上げに塗装する事も、露出する事もできる事です。
ポリウレタンと比べて高価なため、弊社ではシーリングが露出する仕上げの場合には変性シリコンシーリングを使用します。

【ポリウレタンシーリングの特徴】
一番の特徴はシーリングを露出させることが出来ないことです。
比較的安価で性能も高いので、表面を塗装する仕上げの場合はこちらを使います。塗料との密着性が優秀です。

サイディング壁ではシーリングの裏にはジョイナーと言う青い裏打ちを使う事が多いですが、この青いジョイナーが見えた状態では、いつ雨が漏ってもおかしくないので大至急の工事が必要になります。

旧シーリング材の撤去および躯体内の調査
 
●全ての脆弱になった旧コーキングを、撤去します。内部の躯体への影響を確認しておきます。

特に劣化の進行した部分です。内部に雨水が浸透して、内部構造に悪影響が生じている場合があります。
点検するために、カッターで切れ目を入れ内部の様子を確認します

古くなったシーリング材は、期待される弾性力が無くなって止水効果が無くなっている為、撤去して新規シーリングする事が大切です。

ブリッジ工法などと言って旧シーリングを撤去せずに行う業者もいますが注意が必要です。

以前シーリングメーカーに確認したところ、シーリングは厚みを5mm以上確保しないと耐久性が著しく落ちると聞きました。
旧シーリングを撤去しないと厚みは1mm程度と薄くなるので、シーリング工事の意味を成しません。

2021年2月15日(月)
住宅外装のチェックポイント-2

シーリングの劣化は、雨水の建物内への侵入により、サイディングの変形や塗装の剥離に繋がります。

■本日は鉄筋コンクリート造(RC造)の構造目地の説明をします。

●鉄筋コンクリート造(RC造)で目地からの浸水で起こるのが爆裂現象です。

コンクリートの中に鉄筋が入って強度を確保していますが、水の浸水で鉄筋が錆び、コンクリートを弾いて小さな爆発したような現象です。
爆裂も大きくなると構造的に弱くなるので大変危険な兆候です。

●外壁の塗料のはがれる原因の一つは、シーリングの劣化。

●外壁の塗り替えでは、シーリングの点検が必要です。

●シーリングの耐用年数を考えますと、およそ10年以内に必要な劣化部分を補修したり、再打設する工事が必要となります。

●シーリングが露出する場合は変性シリコン、塗装する場合はポリウレタン系が良いです。

■藻やカビの発見と処理方法。 

藻やカビが建物につくと見た目の汚さはもちろん衛生的にも問題がありますし、根を張ったり常に湿潤になって下地を痛めます。

北面などの日射の当たりづらい場所、下地が水分を含みやすい場所に多く発生します。水分を含みやすい下地としては、リシン(砂壁)、軽量コンクリートブロック、劣化して表面の荒れた外壁塗装などがあげられます。

●周りを注意深く見回してみると、傷んだ部分にお気づきになるかもしれません。外壁の藻やカビの発生の様子を、毎年写真保存してみてください。その変化がわかります。どんどん濃く広がって増えていきます。

●藻(緑色の汚れのように見えます)やカビ・頑固な汚れの処理には高圧洗浄が効果的です。

洗浄後はシリコン塗膜などの硬い塗装を行うと藻やカビが根を張れないので繁殖できなくなります。

2021年2月8日(月)
住宅外装のチェックポイント-1

地震の発生により埼玉県の住宅でもダメージの出ているものが多くあり、いまだに調査依頼がたえません。
本日は簡単にできる住宅のチェックポイントをお話しします。


●屋根が瓦の場合は、ズレや落下に注意する。

薄いコロニアル屋根の場合は軽量の為地震の影響を受けませんが、重量のある和瓦・洋瓦は重量があるため地震によりズレ・ハガレが起きることがあります。
特に屋根のフチや棟の部分が弱いようです。

●家屋には方角によって特有な症状が発生します。

北面屋根にカビ・藻の発生が見られませんか? 
北面は湿気が常に多く乾燥しづらいので、屋根・外壁にカビや藻が発生しやすいです。
 
●南面、西面外壁が白い粉(チョーキング現象)のようになっていませんか?

 日中の多くの時間強い紫外線に晒されているため、塗装膜の劣化が早くなります

■サイディング壁住宅での重要な注意点

近年住宅の外壁はほとんどサイディング板貼になりました。窯業サイディングなどは板自体も堅牢で丈夫な物ですが、板貼りである限り目地と言うものが必要になります。

●サイディング目地・窓回り目地の劣化や裂けに注意
サイディング目地・窓回り目地にはシーリング材というゴム状のものがはいっていますが、通常8~10年程度で劣化してしまい、建物内部に雨水が入ってしまいます。


塗り替え工事の場合、旧シーリングを撤去して新たにポリウレタン系シーリングに打ち替え、さらにその上に塗装してシーリングを守るため、新築時以上に耐久性は上がります。

窯業タイル目地のように塗装しない場合は変性シリコンシーリングを打設します。

●タイルやレンガ調模様のサイディングにはクリヤ(透明)塗装を

タイルやレンガ調模様のサイディングは単色で塗りあげると目地などが消えて少し安っぽくなります。
現在の模様や質感を残したいならクリヤ(透明)塗装をお勧めします。透明であっても耐紫外線性能が高いのでサイディングの劣化が止まります。

ただクリヤ(透明)は下地の汚れやキズなどはそのまま仕上がるので、劣化の進んだサイディングには向きません。

2021年2月1日(月)
屋根材であるコロニアルやスレート屋根の劣化 

コロニアルやスレート屋根の劣化は冬や梅雨時に進行します。また日常の紫外線の量も多く、外壁の3倍程度の紫外線量になり強い塗装が必須です。

●コロニアルやスレート屋根は積雪の影響で【凍害】が発生します。

スレート内部の水分が凍結して素材の組織破壊が進行してしまいます。

●苔や藻の発生にも注意が必要で、根がコロニアルやスレート材に食い込み破壊していきます。

●一冬越えますと、劣化が一段階進むこともあります。塗膜のはがれも進行します。弱くなったスレートの基材はひび割れが生じやすくなり、塗り替え時にコーキング処理や場合によっては部分的なスレートの差し替え交換が必要となります。劣化が進めば工程が増えます。

●理想的な塗装工程は通常、下地の劣化の状況により決定されます。自然環境が苛酷ではなく築年数が浅い場合や前回の塗り替えの状況が優良な場合には塗装工程は標準で良いです。

●劣化が激しい場合には、シーラーと呼ばれる下塗り回数を増やしたり、カチオンフィラーの使用などを検討することが理想となります。

●少ない追加料金で施工できる、遮熱タイプの屋根塗料も検討しましょう。

■コロニアル・スレート屋根の劣化

●防水性を失ったスレートの塗膜は、雨水を吸収します。

熱による水分の放散の繰り返しにより、変形や反りが生じます。

●一度変形したスレート板は、再塗装しても変形そのものを修正する事は困難となりますので、塗膜がはがれない状態での早期の塗替えが理想です。

●また、劣化の進んだ素地を塗装するには、下地処理や工程の複雑さを伴いますので、費用の面でも影響してしまいます。スレート屋根と木部は特に早めの塗替えがお得です。

●反りや変形があまりにも進行した状態では、塗替えよりも屋根材の葺き替えがお勧めとなります。


2021年1月25日(月)
下地処理・素地調整について

住宅塗り替え工事で大切なのは「下地処理」「素地調整」です。
ここのノウハウがプロと素人の一番大きな違いで、下地処理・素地調整をおろそかにすると数年で剥離したり欠陥が生じます。

■塗装で大切なことの一つが、「下地処理」とか「素地調整」です。

●塗るものの現状を塗装にふさわしい状態に調整することを言います。塗装の見栄えをよくするためや、塗料の機能性を長持ちさせるために必要な工程です。

●具体的には、錆び落としや、段差を修正したり、穴にパテ処理をしたりすることです。また、カビやコケなどを高圧洗浄でクリーニングして清掃し、油分や汚れを溶剤やメタノール・アセトンなどで拭き掃除します。

●この下地処理をおろそかにして塗ると、どんなに高価な塗料を使用したとしても、その性能を十分に発揮することができません。すぐにはがれたり、見てくれの良くない塗装になってしまいます。一例をあげますと、たとえば、清掃をせずにゴミやほこりの上に直接塗料を塗れば、はがれや色むら・つやムラの原因となる可能性があります。
  
鉄部の結露を乾燥させなかったり、モルタルやサイディングへの雨水の浸入をコーキング処理せずに塗装すれば塗膜のハガレや浮きが生じます。
  
換気フードや設備器具の周辺に良く用いられる「シリコンコーキング」に専用の下塗り剤を塗らずに上塗りをかければハガレます。 

■エポキシ系下塗り材の優位性

エポキシ塗料は頑強な塗膜を作り、下地の密着・密封性が高く大変優秀な塗料ですが、唯一紫外線に弱いという弱点があります。
このため下塗り材には適した塗料で、対紫外線性の高い上塗り材によって保護することによって強固な塗膜を作ります。

鉄部の錆止め

●鉄部に生じた錆びに、「錆止め塗料」を下塗りせずに塗れば数年で上塗り塗料の表面に再び錆びが発生します。これでは、せっかく塗り替えをなさったとしても、費用の無駄が生じてしまいます。

●どのような上塗り塗料を選ぶかは大切なのですが、それ以上に大事な事柄と言えます。「下地処理の丁寧さ」は重要です。塗装職人の丁寧さの程度が一番わかる工程なのです。

●塗装とは、「ただ塗るだけではないのです」。
長持ちする塗り替えには、塗料の選択と下地処理の両方が大切です。
塗装物と下塗り材の相性が悪いと剥離や変色などトラブルの原因になります。確かな経験とノウハウが必要になってきます。

●業者の見積もり書をご覧になられる場合には、使用塗料だけではなく「下地処理をどうするか」に注目してください。

2021年1月18日(月)
塗料乾燥による色の変化とつや引け障害

塗料乾燥による色の変化
塗りたては乾いた色とは違って見えます 
 
塗料の色は乾燥すると変化します。 特に水性塗料は顕著に表れます。

上の画像は同一塗料を塗り重ねた直後の様子です。乾燥後には同色になりますが、塗りたては、かなり色合いが異なって見えます。
ツヤ有り塗料は、乾燥硬化すると色が濃くなります。 
逆に、つや消し塗料は、乾燥後には全体的に白くぼけたような印象を受ける時があります。 
このため、水性塗料の現場での調色は難しく、経験が必要になります。

濃彩色の場合には、塗りたての色と乾燥後の色とは見違えるほどに色が異なります。乾燥するにしたがって、かなり濃くなります。
 
塗料の色が変化するのは、乾燥過程において顔料の浮き沈みや樹脂の透明化(エマルションの場合)が要因です。現場では一般に【色が昇る】などといいます。さらに光の反射率や屈折率の変化もかかわります。


■塗装乾燥後のつや引けに注意。 
 
●本来は、ツヤ有り塗料なのに、乾燥の途中で【夜露】などの影響により塗膜が【白くぼけてツヤが引ける】ことがあります。これを専門用語では【かぶる】とが【ツヤ引け】などと呼びます。特に屋根塗装に見られる現象で、気象条件の影響を受けます。冬場の屋根塗装の場合、特に仕上げ塗りにおいては施工時間帯を考慮する必要があります。

●また、塗料のかくはん不足や希釈割合が多すぎる場合にもツヤが引けます。塗られる物の表面のおうとつや塗料の吸い込みの状態によっても塗装面にツヤむらが生じます。そのほか、吹き付けではコンプレッサーの空気中の水分や塗料の粘度によりツヤむらが生じる場合があります。
塗装後すぐに雨が降っても艶引けに繋がる事もあります。

■外壁塗装のツヤ引け現象の例 

●クリヤーラッカーなどの内部用の塗料においても、湿度の多い日の塗膜障害として、同様にツヤが無くなり透明の塗膜が白く変色することがあります。この場合には【ブラッシング】などと呼びます。

●ツヤ有りのペイントで屋根を依頼なさった場合には、上塗り完了時のツヤ加減をご確認ください。
2階屋根は足場解体の前に施主様ご自信の眼でご覧になられるのが理想です。高所恐怖の場合には業者から上塗り乾燥後の画像を提供してもらうと良いでしょう。 
天気の良い日にご覧いただくと光沢の加減がわかります。曇天の時や朝露で屋根が濡れている場合には正確なつや加減は確認できません。また時間帯により屋根面への日の当たり具合が異なりますので、東西南北の4面を確認することが大切です。 

2021年1月11日(月)
塗り替えに高圧洗浄は必須です

高圧水洗浄は塗料の密着を良くします。 高圧とはだいたい10Mpa(100気圧)以上をいい、モリタ建装では15Mpa以上で洗浄しています。

家庭用のケルヒャーなどの数倍の圧力で洗います。

薬品洗浄等謳う業者もいますが、高圧洗浄に薬品はマッタク必要ありません。

壁も屋根も綺麗に塗り替えるので高圧洗浄は必要ありません、、、などと言う業者もいますがこれはマッタクの間違いです。
 

●近年では、塗り替えに際して、どの塗装業者も一般に高圧洗浄を行うようになりました。今から十数年前には、塗り替えで高圧洗浄機を使用する業者のほうがまれでした。ワイヤーブラシ・デッキブラシ・モップやサンダーなどの手工具と水道のホースを手にすべて手作業。今では、機械化され能率と成果が格段に向上しました。
 
 現在でも、屋根の単品塗装や足場ネットをかけられない現場では【手洗い】により素地をクリーニングする場合があります。植物性の洗浄液を使用すると効果的です。
カビやコケが生じている状態に塗料を塗っても微生物が塗膜に再発します。つやムラの原因とならないように必要に応じてていねいに洗浄すると良いでしょう。
 
●外壁の高圧洗浄の必要性

外壁は経年劣化でチョーキングと言って表面に粉を吹く状態になります。
この粉の上から塗装しても塗装が剥げてしまうので高圧洗浄は必ず必要です。


●スレート屋根にカビやコケが発生している場合には、高圧洗浄が必要です。

カビ・コケが少しでも残っていると、新規塗料がすぐに剥離してしまいます。
  
●屋根の高圧洗浄では、洗浄水が飛散しないように足場ネットを高い位置まで設営する必要があります。モリタ建装は足場最上部にはブルシートをハチマキに養生し飛散防止します。

●洗浄前に、外壁や屋根の大きなひび割れをコーキングでふさぎ、家屋内部への水の浸入がない様に注意します。

●水圧を調整して、木部などをいためないように配慮します。

外壁や屋根コロニアルを高圧洗浄せずに塗装すると必ず数年後に剥離しますので大切な工程になります。


2020年12月21日(月)
色彩計画

色の好みは十人十色で個性によって変わるので色々な色を使用します。
もっとも多いのは現状のままの色を指定してくることが多いです。新築時には設計時に建物の立面や周辺環境などを考慮して色を決めているので、現状色選択は理にかなっているの思います。

またどうせ塗り替えるのなら違う色に、現状一色の外壁だけど2色の色違いにしたい等ご要望のお客様もいます。

ひとつ注意なのが色を決めるカタログや日本塗料工業会色見本(日塗工見本)のカラーサンプルが小さいことです。
色は視力への刺激なので壁のように大きな面積になると、色合いならより色が強く、明るさなら明るい色はより薄く・暗い色ならより濃くなってしまいます。

現状よりすこし黄色にしたいとおっしゃって、極端に黄色い色を指定されるお客様がいらっしゃいます。
そのようなときには面積と色の刺激をご説明して納得して頂いています。

■色の計画

皆さんは色について考えたことがあるでしょうか?
色はあらゆるところで必要不可欠なものなのです。
もしも街の建物すべてが灰色なんてことがあると、とても味気なく、さびしいものになります。

病院の廊下などには温かみのあるクリーム色、または、派手にしたいといったら、外壁を全面真っ赤にするなど想像しただけで怖いですが、色というものは皆さんの生活に密接にかかわっているのです。
現在の定義として色というものは「色は光を介した一種の感覚である。」
とされているように光という刺激によって色を感覚として認識しているのです。

人の目が識別できる色数は、1000万色前後といわれていますが、そのように無数の色を的確に使うためには、なんらかの方法で分類し体系
つけることが必要ですが、代表的なものに「マンセル表色系」、「P.C.C.S」、「色彩体系」などがあります。
ペンキ屋さんが使っている色見本帳はこのマンセル表色系にも対応していますが、このマンセル表色系というのは、アメリカの画家・美術教育者であったマンセルという人が創案したもので色の表現には、色相、明度、彩度という3属性で表現しています。

■色相(Hue)

色相とは、色味を示し赤はR(RED)、黄色はY、緑はG、青はB、紫はPのようにして、5色を表示しています。

これを基本色として、それぞれの間に2次色をつくり10色とし、10色をさ  らに10分割して色相の位置を決めます。
そして各色の番号5がその色相の標準色となります。

■明度(Value)

明度とは、色の明るさを示し、数値が10に近いほど明るい色、0に近いほど暗い色を表示します。
                 
■彩度(Chroma)
彩度とは、色の鮮やかさを示し無彩色を彩度0として、数値が増えるほど鮮やかな色を表示します。
マンセル表色系では彩度段階に相違があり、赤の純色(5R)が14段階であるのに対して青緑(5BG)の純色は6段階しかありません。


マンセル値 5R 7/6は赤でもピンクに近い色になります。
また塗装屋さんのつかう日塗工色見本帳ではY05-70Lという番号になります。
塗装の色指定の場合はマンセル値でなく日塗工色番号でご依頼ください。

2020年12月14日(月)
屋根勾配の一般的な表わし方

住宅の屋根には傾斜が付いていますが、その角度を建築では何寸勾配という記述をします。
労働基準監督署では滑落防止などから、6寸勾配以上の屋根工事には屋根足場の設置を推奨しています。
なので弊社見積も6寸勾配以上の屋根塗装では屋根足場を仮設しています。若干工事金額は高くなりますが、作業者の作業性や安全性に必要な物なのでご理解ください。


屋根の勾配と塗り面積の関係
 
このページでは屋根の勾配の表わし方について紹介しています。また屋根の勾配と屋根の面積との関係についても紹介しています。
 
勾配の表わし方
一般的に面の勾配を表わすには次の3つの方法が使用されます。
 
■寸法勾配(すんぽうこうばい)
■分数勾配(ぶんすうこうばい)
■角度勾配(かくどこうばい)
 
 
水平方向の寸法・1尺(10寸)に対して傾斜の立ち上がりの寸法で表わす。
 1尺=10寸 1尺=303mm
 
分数勾配
水平方向の寸法に対する傾斜の立ち上がりの寸法の比を分数で表わしたもの。
寸法勾配でいう5寸勾配は分数勾配では1/2勾配という。
 
角度勾配
水平方向に対する傾斜面の角度で勾配を表わす方法。
5寸勾配=1/2=0.5=26.5度

屋根勾配の一般的な表わし方


屋根を構築する場合、梁(棟木や母屋)を支えるための「小屋束(こやづか)」という柱を立てます。その小屋束の長さが求めやすいため屋根勾配の表わし方には寸法勾配が使用されます。
■屋根を支える梁を取り付け高さは、屋根勾配によって決まってきます。 
■複雑な計算なしで簡単に表わせる。 
■差し金(さしがね)(大工用曲尺)ひとつで設計、墨だしが出来る。 
など利点があります。

 屋根材と屋根勾配の関係
屋根勾配は急なほど雨仕舞いは良くなります。しかしメンテナンスを考慮すると急勾配ほど屋根に足場が必要になるなどマイナス面もあります。 
デザイン的にはある程度の勾配があったほうが建物とのバランスが良い。 
屋根材によって屋根勾配は雨仕舞いとの関係で制約されます。 
■重ね葺きであるスレート系屋根材は3寸勾配以上の勾配が必要。
■瓦は他の屋根材と比較して厚いため、重ね合わせると実際の表面の
 勾配が緩くなります。最低4寸以上が必要。
■トタン葺き屋根なら1寸勾配以上必要。
屋根面積の求め方
屋根勾配を確かめます。
図面から知ることが出来ます。 
実測による方法。 
勾配による屋根寸法の伸び率を求めます。
屋根勾配の確認が出来たら一覧表から伸び率を求めます。
屋根の面積の求め方
 
投影平面積=床面積+軒出面積
・切妻屋根投影平面積(100㎡)・勾配(5寸)の計算例
・屋根面積= 100 × 1.12 = 112.0㎡

2020年12月7日(月)
屋根の防音塗装工法とは?

鋼板屋根などの雨だれ音、金属製屋根の雨音などによる騒音などなど住環境では屋根の騒音が問題になります。
防音工事により新たな屋根に改築したりすると大きな工事金額がかかってしまいます。また場所によっては防音工事できない部位もあります。

かといって雨のたびに騒音に悩まされるのも避けたい大きな問題と思っている方もいます。小さな音でも継続すると大きな心の負担になりますし、低周波からの健康被害も気になります。

そのような住宅の屋根騒音に対しては防音塗装をお勧めします。
塗装するだけで防音が期待できる塗料で、工事金額も防音改築工事に比べれば低価で施工できます。
 
防音工法とは?
 
遮熱塗装では中空バルーンのセラミック粒により遮熱を達成していますが、この中空バルーンの数を増やし制振機能をプラスしたものが㈱日本特殊塗料のパラサーモシールドになります。
なので防音効果と遮熱効果を併せ持つ屋根用塗料になります。 

●防音遮熱工法
特長
 
■防震性 : ナノからミクロンサイズまで大きさと形状の異なる制振フィラーを高充填した塗布型としては他に類を見ない制振材です。屋根塗装の際に、中塗りとして塗装するだけで制振・防音・断熱の性能を持つ中塗り用塗材です。

■断熱性 : 熱伝導率の低いセラミックバルーンを配合し、断熱機能があります。

環境にも対応 : 水性、低VOC、環境ホルモン物質を含まず、環境に配慮した塗料設計。
さらに、遮熱塗料を上塗りすることで優れた遮熱効果をも発揮します。

モリタ建装も金属屋根の雨音に困っていたお客様に防音塗装をお勧めし大変喜ばれたことがタビタビあります。
屋根の雨音にお困りの方には是非パラサーモシールドをお勧めします。

屋根塗装工事では最も一般的に使われる遮熱塗料についてもご説明します。

●遮熱塗料

■特殊顔料が太陽光の赤外線を効率よく反射し、屋根の表面温度を抑えます。
■水性から弱溶剤二液型まで、上塗りの塗料が選択できる。
 
遮熱断熱工法の標準仕様と施工ポイント
工程 塗料の種類 塗装方法と施工ポイント
ケレン RB種ケレン程度。場合によっては水洗いが必要です。


2020年11月30日(月)
住宅で使う防塵塗料・塗床工事

前回では防塵塗料をご紹介しましたが、病院・倉庫・工場の床によく使われています。
一般的な住宅でもコンクリートやモルタル床に良く使用しています。

コンクリートやモルタルは無機なので紫外線には強いですが、微細な穴が多く空いているので防水性はありません。
その穴に汚染や苔などが発生しやすく美観にも衛生にも欠点になっています。

そこで住宅でもコンクリートやモルタル床には防塵塗装をお勧めします。

また、アパートやマンションの廊下・階段床にコンクリートやモルタルの物が多く見られますが
タキロン等のエンビシートの床材を貼るのがベストですが、エンビシートは施工単価が高いのが欠点です。

防塵塗装ならエンビシート工賃の1/5以下で工事できるのでコスパに優しい塗床工事になります。

以前からよくある防塵塗装・塗床塗装のトラブルとして摩耗により傷つく、経年と共に塗料が剥がれるなどがありました。
人が歩く床ですので塗料にも負担が大きく、もちろん一般塗料を使えば一年もたたずに剥離します。

モリタ建装も以前からアパートなど小規模建物の塗り替えで、コンクリート・モルタルの廊下や階段の床には防塵塗装すると
数年で剥離やキズの発生などなかなか良い防塵塗料がありませんでした。

防塵・塗床塗装は駐車場の床にも使われていますがあれは 厚膜防塵塗装になります。
厚膜防塵塗装はエポキシ系などで数mの厚みがあり大変、耐久性が高く重量物などにも耐えられる塗装です。

ただ施工単価がエンビシートを貼るより高く、コスパに期待するようなものではありません。

モリタ建装も色々と防塵塗料を使ってきましたが、15年程前に㈱日本特殊塗料のユータックRという防塵塗料を見つけました。

日本特殊塗料は防塵塗料に強いメーカーで、厚膜から薄膜まで広範囲にわたり塗床塗料を販売しています。
ユータックRは防塵・塗床専用塗料ですが、摩耗や剥離に大変強く10年前に塗装した物件でも剥離等はありません。

また薄膜塗料なので施工単価も安くコスパも大変高く素晴らしい防塵・塗床塗装になります。

このように塗り替え専門店は営業年度の経験から多くの塗料から本当に素晴らしい物を選択する力があります。
創業56年のモリタ建装の経験からもお勧めできる商品です。

コンクリートやモルタル床の美観・衛生・防菌等気になる方はご相談ください。

興味のある方は[塗装業者が教えるDIY塗装方法]の最下段に説明していますのでご一読ください。

2020年11月23日(月)
コンクリート床面の防塵塗装

防塵塗料とはコンクリート等の床の専用塗料です。耐摩耗性、密着性に優れています。乾燥も速く、工期短縮が図れます。素地のコンクリート、モルタルの風化予防に効果的です。埃や汚れが付きにくく掃除も簡単、一般コンクリートやモルタル床用防塵塗装の弊社からの御提案です。
 
●防塵塗料の特徴

■優れた防塵性
素地のコンクリートやモルタルの風化を防ぎ、埃や汚れが付着しにくくなります。また付着した汚れは拭くだけできれいになり、お掃除が簡単です。

■耐摩耗性、密着性
耐磨耗性、密着性に優れています。

■乾燥が速い
他の溶剤型塗料に比べ、乾燥が速い。

■経済性
ローラー、刷毛、スプレー塗装ができ、工期短縮が計れ経済的である。

■補修が簡単
塗膜の損傷が生じた場合、簡単に補修塗装が可能。

■電気絶縁性
 

●防塵塗料の用途

■ガレージ床のコンクリートの補強に。

■病院、学校、商店、オフィス等などの床の防塵カラー塗装。

■精密機器、電気、光学機器工場など、埃をきらう工場の床面防塵塗装。

■一般倉庫の床面防塵塗装。

●水系防塵塗料
水性の為、臭い等が少なく場所を選びません。耐久性は溶剤の方が勝るようです。 
防塵塗料の種類

■水系1液形アクリル樹脂塗料
フロアトップ#1400(アトミクス)
水系ボージンテックスアルファ(水谷ペイント)
水性フロア-(東日本塗料)
カンペフロアー100(関西ペイント)
二ッペクリンカラーW(日本ペイント)
水系ボージンコート(大同塗料)

■水系二液形ウレタン樹脂塗料
アクアクリーンU(アトミクス)

●溶剤系防塵塗料

■溶剤系1液形アクリル樹脂塗料
フロアトップ#5000 グロスシリーズ(アトミクス)
ボージンテックス#1000(水谷ペイント)
ハイフローン(東日本塗料)
ボージンコート(大同塗料)
床コートアクリル(大日本塗料)

■溶剤系一液形ウレタン樹脂塗料
ボージンテックス#5400(水谷ペイント)
ボージンテックス#5500N 防滑剤既調合(水谷ペイント)

■溶剤系二液形ウレタン樹脂塗料
ボージンテックス#5000U(水谷ペイント)
ボージンテックスUワイド(ハイソリッド型・水谷ペイント)
ユータックR(日本特殊塗料)

■溶剤系二液形エポキシ樹脂塗料
ボージンテックス#2000(水谷ペイント)
ソルエポ90(東日本塗料)
レジフロアー(大日本塗料)
カンペフロア600(関西ペイント)
二ッペクリンカラーE(日本ペイント)
ユータックE40(日本特殊塗料) 

■水系二液形エポキシ樹脂塗料
水性アトムエポクリーン(アトミクス)

2020年11月16日(月)
塗料を選ぶときは-ビーズコートSi

●塗料の艶(つや)について

■つやがあると見た目がきれいで埃も付きにくい。

■つやは控えめのほうが落ち着いていて高級感も得られる。

■最近つや消しでも汚れに強いタイプの塗料も出てきたので一概につや消しは汚れやすいとはいえなくなっています。

■住宅の内部の場合は、なるべくつやを抑えたほうが落ち着いた雰囲気に仕上がりますのでおすすめですが、外部の場合はあくまで嗜好の問題で選択してよいでしょう。

●ビーズートSi

艶消し塗料は表面に微細な凹凸を付けて艶が出ないようにしています。このため凸凹に汚染がつきやすい為に 艶消し=汚染に弱い という事が塗装では常識でした。

そこでモリタ建装は艶消し材を調査・試用して㈱スズカペイントのビーズーコートという塗料と出会いました。この塗料はナノテクノロジーを使い、艶消し材でありながら汚染に非常に強いという特徴があります。
6-7年前にビーズートを使用した住宅を調査しましたがまったく汚染が見られませんでした。自信を持ってお勧めできる艶消し塗料になります。
 
●塗料を選ぶときは
見積りを依頼したときなど、よく塗料の製品名で提示されることがあります。
そのような時はカタログやパンフレットなどで次の5項目について確認していただければその塗料の特徴が良くご理解いただけるものと思います。
 
■樹脂のグレードは?

アクリル - ウレタン - シリコン - フッソ・無機 の順に高耐候になります。

■水系?  溶剤系?  1液? 2液?

一般的に 水性<溶剤 1液<2液になります。

■硬質タイプ?  弾性タイプ?

塗膜としては硬質の方が強いですが、モルタル下地で亀裂が気になる場合は弾性塗料を。

■つや有り?  つや消し?

耐候性・耐汚染性共につやあり塗料の方が高いですが、ビーズコートSiのような高機能つや消し塗装もあります。

■主な塗料の機能は?

弾性 結露防止 耐熱 遮熱 断熱 防音 等々色々な付加価値の付く高機能塗料があります。

2020年11月9日(月)
外壁塗装用塗料の種類と選び方

外壁塗装に使用される塗料は種類が多く、塗り替えを計画されている方にとってわかりにくい点も多いと思います。
このページでは、主に戸建て住宅の外壁塗装に使用される塗料について、その特徴、選び方のポイントなどをわかりやすく分類し紹介していきます。
 
●外壁塗装用塗料の種類

外壁塗装に使用される塗料はそのほとんどが合成樹脂塗料です。その中で主なものは次ぎの6種類です。

合成樹脂調合ペイント    3~5年  従来最も多用されてきた塗料。安価。
アクリル樹脂塗料      5~8年  油性ペイントより耐候性に優れ、色あせしにくい。
ウレタン樹脂塗料      8~10年  耐久性、耐候性、耐薬品性に優れ、多方面で使用されている。
アクリルシリコン樹脂塗料 10~15年  フッ素樹脂に次ぐ高耐候性。住宅の塗り替えに推奨品。
フッ素樹脂塗料            15~20年   高耐候性で塗膜はガラス質に近く、 汚れも付きにくい。高価なのが難点。
無機塗料                  15~年     開発されて日が浅いが高耐候性、防汚性は望める。

これらの中で水性・溶剤や1液硬化タイプ・2液硬化タイプに別れます。
基本的には水性より溶剤の方が、1液より2液の方が優秀な塗料になります。

耐用年数は過去の実績から推定される数値です。塗膜の劣化は紫外線の照射による影響が大きく、同じ建物でもその向き、部位によって異なってきます。
朝陽から西日まで陽射しを受ける南面と北面とでは同じ経年でも大きく劣化程度に差が出ます。

お金を出せば高性能な塗料を使うますが、コストパフォーマンスを考えるとアクリルシリコン塗装が一番すぐれています。
足場架設が困難や塗り替え工事を何度もしたくない場合などはフッソ以上の高耐侯塗料を使い、15年程度ごとに塗り替えを計画する場合はアクリルシリコン塗料が良いでしょう。

●水系塗料と溶剤系塗料
■それぞれの樹脂塗料に水性(水系)と油性(溶剤系)があります。水性だから油性より耐久性が悪いということではありません。大切なのは、何に塗装するのかということです。(DIYでご自身が塗装される場合は鉄部、屋根トタンなどには一般的な水性塗料の使用は避けてください。

■水性と油性を論ずるとき、耐候性の比較は正しくはありません。塗装しようとするものの材質によって水性と油性は使い分けなければなりません。

■最近の塗料の架橋技術やナノテクノロジーの発達は水系でも非常に強靭な塗膜を生成したり、光触媒塗料に代表される高度な付加価値を塗料にもたらしました。

■最近の溶剤系の塗料は環境に優しい弱溶剤系が多く使われるようになっています。今後、石油の消費量を極力抑えた環境型塗料が主流を占めるようになるでしょう。
 
●外壁用弾性塗料

■塗料には硬化した塗膜が硬質なタイプのものと弾性タイプのものがあります。被塗物(塗装しようとするもの)によってどちらかのタイプを選択します。

■外壁用の弾性塗料はモルタル壁の乾燥収縮から来る細かいクラック対策用ですが、ある程度の膜厚に塗り込まないとその効果は期待できません。したがって、この塗料の薄塗り仕上げは、ひび割れ対策にはほとんど効果がありません。

■各メーカーからいろいろな特徴を持った製品が出ていますので、パンフレットを取り寄せその特徴を検討するのも良いでしょう。


2020年11月2日(月)
部位・部材別の塗り替え時期2


●外壁
 
■モルタル 色あせ、汚れ、苔(藻)類の発生、特にひび割れに注意 ⇒ 塗り替えが必要です
横に走るひび割れは雨漏りにつながりやすいので特に注意が必要です。
ヘアクラック※が広範囲に見られたら⇒ 要塗り替え
■ALC ALC特有の巣穴が塗装で処理されているか ⇒ 要チェック
この処理が不適切ですとALCの風化を早めます。
合わせ目のシーリング材のひび割れ、痩せ ⇒ 要補修、塗り替え

■窯業系サイディング 色あせ、汚れの程度によって ⇒ 塗り替えが必要です
合わせ目のシーリングのひび割れ、痩せ ⇒ 要補修、塗り替え
鋼製、アルミ製サイディング 色あせ、汚れ、白錆に注意 ⇒ 塗り替えが必要です
白錆… 小さな泡粒のようなものが表面に現れ、触るとざらつく。
板張り 最近少なくなったが5年サイクルで定期的な塗り替えを推奨。
トタン 色あせ、汚れの程度、錆の発生が見られたら ⇒ 塗り替えが必要です

●窓枠等木部
塗装が剥れてきたら塗り替えが必要です。最近は戸袋と一体になったアルミ製がほとんどですが、築25年以上の住宅では木枠がいまだ健在です。
雨戸を閉めっぱなしの場合や北向きの窓などでは戸走り(一本引き)が腐ってしまうことがあります。簡単に交換できますのでご相談下さい。
 
●木製ドア

木目を活かした木地仕上げは、下地の程度によってその仕上がり具合は左右されます。あまり傷んでからでは塗り替えても仕上がりが悪く、見られたものではありません。ペイントで塗りつぶすしか方法がなくなります。早めの塗り替えをおすすめします。
特に紫外線の良く当たる下部の劣化が進みます。

 
●塀
埃や雨にさらされて汚れ、傷みと非常に厳しい条件下にあります。
車道に面していたり、地盤が弱いところではひび割れも起こりやすい。
早めの防汚対策やひび割れ対策の塗装体系での塗り替えを推奨いたします。
 また塀は汚れやすいこともあるので濃い色をお勧めします。外壁と比べて濃色だと建物全体に安定感も出ます。

2020年10月26日(月)
部位・部材別の塗り替え時期

建物の部位別、その部材別に塗り替えの時期の見極めポイントをまとめてみます。
 
●屋根
■日本瓦 瓦の割れ、ずれの有無。漆喰の剥れ、特に鬼瓦のずれに注意。特に塗装の必要性はなし。汚れ、色あせ、表層のひび割れが気になる場合は塗装もできます。

■セメント瓦・モニエル瓦 塗料の剥がれ、苔(藻)類の発生 ⇒ 要塗り替え

■コロニアルなど新生瓦 同上
トタン 塗料の剥がれや錆の発生が見られたら ⇒ 要塗り替え(早目が肝要)
 
●破風・鼻隠し
 
■モルタル 特にひび割れ※に注意。雨水の浸入に警戒。 ⇒ 要補修

■木板 妻側の傷み具合に注意。塗料の剥がれ ⇒ 要塗り替え
(風雨や日射によって建物の中で最も傷みやすいところ)

■窯業系ボード 張り合わせ目のコーキング個所のひび割れ、剥れ ⇒ 要補修
 
※雨水の浸入しやすい個所でモルタル仕上げの泣き所。内部のラス網やラス板の腐朽が外部から見えないので手遅れにならないように注意が必要。

●軒天(軒裏)
 
■ベニヤ 定期的な塗り替えをしていても部分的にめくれてくることがあります。
場合によっては部分的な張替えも必要。しみが出たなら ⇒ 要注意
■乾式ボード(珪カル板など) 塗料の汚れ、剥れがひどい場合は ⇒ 要塗り替え
■モルタル 同上
 
軒天にしみが見られたら屋根の点検が必要。雨漏りの可能性が大。痛みが進んでいると軒天井の板の交換が必要に。
 
●雨樋
 
■塩ビ製 塗装しなくとも良いが、外壁を塗り替えたとき、トイの汚れや色あせが目立ちます。きれいに塗りそろえる意味で塗装することが多い。古くなると材質に粘りがなくなり欠けやすくなるので注意。一度反ったりすると元へ戻りにくい。
■銅製 溶接個所の剥れに注意。半田付けは弱いので定期的な点検をおすすめします。
 
トイの「つまり」などの不具合は建物にとって思わぬ被害をもたらすことがあります。傷み具合によっては消耗品と考え、思い切って架け替えることをおすすめします。

2020年10月19日(月)
住宅外壁塗装のパターン(模様)の種類 モルタル外壁

外壁塗装において建物の保護とともに美観を向上することは大切なニーズです。塗料はその粘度調節と塗装方法、塗料の特殊性を活かして容易に平滑、凹凸模様などバラエティーに富んだ仕上がりを建物に与える事が出来ます。外壁塗装における塗膜のパターンは吹き付け塗装や色々なパターン専用ローラー、左官コテなどを使用して造られます。このページでは外壁塗装におけるパターンの種類とパターンがどのような方法で造られるか紹介しています。
 
■砂壁状模様(リシン)

パターンの仕上げ方法と特徴
アクリルエマルジョンに骨材(寒水石、硅砂、パーライト)を混入し、専用ガン(リシンガン)を使用して吹き付け塗装で造る。ノズル口径4~6mm。
以前はセメント系が使用されたが今はアクリルエマルジョンをベースに、いわゆるアクリルリシンが主流に使用されています。
左官の高級仕上げ「掻き落とし」に似たつや消しで落ち着いた雰囲気に仕上がります。
弾性タイプもある

 
■砂壁状模様(じゅらく)

パターンの仕上げ方法と特徴
アクリルエマルジョンに微粒子骨材を混入し、専用ガン(リシンガン)で吹き付け塗装で造る。ノズル口径4mm。
左官仕上げのじゅらく壁に似せて考案されたもので、骨材をリシンより微粒子にしたもの。
室内の壁仕上げにも使用できます。

■ゆず(柚子)肌模様

パターンの仕上げ方法と特徴
高粘度塗料をリシンガンなど専用ガンを使用して吹き付け塗装で造ります。
ガン口径を小さめにして、凹凸模様より小さな模様を造ります。

ローラーによるさざ波模様の上にトップコートを塗装すると模様が滑らかになり、さざ波というよりゆず肌模様になることがあります。
 

■さざ波(スチップル)模様

パターンの仕上げ方法と特徴
外壁仕上げ材の高粘度塗料を鎖骨ローラーを使用して造る。
ローラーによるさざ波状模様は凹凸模様のローラーによる仕上げの分類に入る。
スチップル模様ともいう。
ゆず肌と似ているが、ゆず肌は吹き付け機械にて、さざ波はローラーで塗装する。

■凹凸模様(吹き放し)

パターンの仕上げ方法と特徴
外壁仕上げ材を専用ガンで吹き付け塗装して造る。
外壁仕上げ材を厚塗り後、専用ローラーでパターン付け。

最近あまり使用されないが、クレーター(月面状)模様もこの分類に入る。
汚染に強い形状である。

 

■凸状模様(凸部処理)

パターンの仕上げ方法と特徴
外壁仕上げ材を吹き付け後、ローラーやコテで軽く押さえる。
外壁仕上げ材を吹き付け乾燥後、サンダーで凸部をカット。

外壁仕上げ材を厚塗り後、専用ローラーでパターン付け。
キャスト模様、ヘッドカット模様ともいう。
凸部にエッジが出来るため汚染がたまりやすい。

2020年10月12日(月)
錆止め・下塗り塗料

●錆止め塗料の種類(建築塗装用)
錆止め塗料の種類は多く、メーカー特許品も販売されています。錆止め(防錆)塗料はその性質上、含鉛塗料が多くなりますが、環境への影響を考慮して、無鉛塗料が使用される方向に進んでいます。
 
主な錆止め(防錆)塗料
■一般錆止めペイント : べんがらを主体としたもので、安価ですが、他の錆止めペイント比較して性能はやや劣ります。
現在は使われていません。
 
■鉛丹錆止めペイント : 鉛丹と乾性油を練り合わせたもの。鉛丹は光明丹とも言われ防錆力は強いが毒性も強い。
現在はほとんど使われていません。
 
■シアナミド鉛錆止めペイント : 鉛丹より比重も軽く防錆力も良く、一般鋼材の錆止め用として広く用いられています。
塩基性クロム酸鉛錆止めペイント : 比較的乾燥が速く貯蔵安定性も良い。一般構造物、車両用プライマーとして用いられています。

■エポキシ系錆止めペイント:エポキシの優れた密着力・耐薬品性などから錆にも強く、下地を選ばないため現在では最も使われている。鉄部だけでなく木部にも使用できる。
大変優れた錆止め塗料だが紫外線には弱いので、シリコンやウレタンなどの上塗りが必須。モリタ建装(株)の標準仕様。
 
■塩酸カルシウム鉛錆止めペイント : 付着性など塗膜性能はよいが、貯蔵性が悪い。ゲル化しやすい。鉄鋼、亜鉛メッキ面用として使用される。白色なので錆止めと着色兼用として使用されることもある。

■ジンクリッチペイント : 塗るメッキとして開発された高性能の錆止めペイント。防食性に優れ、没水部には強い。ショッププライマー、タンク内面、没水面、一般鋼材など広く使用されている。
 JIS規格による塗料の色見本
メーカーにより同規格品でも顔料の関係で、多少色が異なる場合があります。この見本色は一応の目安になりますが、実際とは多少異なる場合があります。
 
1種---乾性油のみビヒクルに使用したもの。
2種---乾燥性、耐候性を改良し、合成樹脂を少量混合したもの。乾燥性、作業性がよい。

●エポキシ系錆止め塗料
現在では密着力・密封力・錆止め効果の高いエポキシ系錆止め剤が主に使われています。


2020年10月5日(月)
アクリルシリコン塗料

現在、一般住宅の外壁・屋根の塗り替えには一番使われている材料です。耐紫外線などの耐候性が高い事、親水性によって汚染に強い事などの割に価格も安くなって来ていてコストパフォーマンスの優れた材料です。
たまにセラミックを謳ったものもありますが、イメージ上の事が多いです。

アクリルシリコン樹脂塗料の特徴
一般的には次のような特徴を持っています。シリコン塗料は厳密にはアクリルシリコン塗料と言います。
 
●下地に対する付着力が強い。
●光沢保持性、保色性が大きい。
●耐水性、耐薬品性(耐酸性、耐アルカリ性)、耐油性が大きい。
●耐汚性が大きい。元々汚れが付着しにくい樹脂である。
●耐候性が大きい。(塗膜性能は限りなくフッ素樹脂塗料に近い)
●フッ素樹脂塗料は亜鉛鍍金面に不適であるが、アクリルシリコン樹脂塗料は直接塗装が可能。

アクリルシリコン樹脂塗料の種類

■溶剤形アクリルシリコン樹脂塗料(強溶剤形、弱溶剤形)
■反応硬化形エマルジョン塗料
■アクリルシリコン系外壁仕上げ材 

●溶剤形アクリルシリコン樹脂塗料

打ち放しコンクリート生地仕上げの上塗り塗料として使用されています。(シリコンクリヤ)
既存塗膜が比較的しっかりしているとプライマーなしで塗装可能です。

屋根用塗料として遮熱塗料としても使用されています。

一液、二液タイプがある。最近は弱溶剤タイプが中心に使用されている。
耐候性、耐水性、耐薬品性、耐油性に優れている。


●水性反応硬化形アクリルシリコン樹脂系塗料

建築塗装では外壁用塗料として主にモルタル、コンクリート塗装やスレートなど屋根塗装にも使用されています。
耐薬品性が強く、耐油性もあります。低汚染性である。

 
●アクリルシリコン系外壁仕上げ材

■単層弾性シリコン系仕上げ材
透湿性がある。
クラックへの追随性が期待できる弾性能力が大きい。
吹き付け、ローラー仕上げ用がある。

■複層シリコン系仕上げ材
模様仕上げのトップコートとして使用される。
低汚染形としてセラミック変性アクリルシリコン樹脂塗料が使用される。
環境形としては水性反応硬化形アクリルシリコン樹脂塗料が使用される。

2020年9月28日(月)
塗料の樹脂について 5


●不飽和ポリエステル樹脂塗料

■特徴

主剤、硬化剤、促進剤の三液性のもの。量産塗装に使用されます。
促進剤は主剤の中に配合済みの二液性のもので少量塗装に使用します。
塗膜は硬く、肉厚で、耐薬品性、耐水性に優れています。
可使時間に左右されやすいです。
合板用、木製家具用、耐薬品用などに使用します。
 
 
●粉体塗料

合成樹脂の粉末を流動浸漬法、溶射法、静電気式吹き付け法、電気泳動電着法などにより被塗面に接着させて、加熱して連続塗膜を形成する塗料。
ポリエチレン、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂などが使用されます。
 
■特徴
1回で厚塗り塗膜が得られ、短時間加熱で硬化する。
塗料の改修、再利用ができ、塗料損失は少ない。
溶剤には溶けにくい樹脂も使用できる。
溶剤を使用しないので火災、中毒、公害の心配がない。
加熱装置を使用するため、大型の被塗物への塗装には不向き。
溶剤型塗料のような平滑な仕上がり面が得られない。滑らかではあるが細かなゆず肌、凹凸の仕上がり面になる。
ピンホールができると、塗膜性能が著しく低下するので細心の注意が求められる。

●ポリウレタン樹脂塗料

一般的にはウレタン塗料と呼ばれます。

■油変性ポリウレタン樹脂塗料
ウレタン化アルキド、ウレタン油などとも呼ばれます。
一液性で、成分中の乾性油の酸化重合により乾燥します。乾燥時間は短い。
耐候性、耐摩耗性に優れている。耐薬品性は他のポリウレタン樹脂塗料より劣ります。
床用などその用途は広い。

■湿気硬化形ポリウレタン樹脂塗料
空気中の湿気と反応して、架橋反応硬化するタイプの塗料。
高湿度ほど乾燥は速い。
塗膜が硬化する際、炭酸ガスを発生するので、厚塗りするとあわやピンホールを生じます。

耐摩耗性が大きいので学校、体育館の床、コンクリート床面などに使用されるます。

2液型と比べると形成される塗膜が弱い傾向です。

■二液形ポリウレタン樹脂塗料
主剤と助剤からなる二液タイプの塗料。
主剤にはポリエステル、ポリエーテル、ひまし油が使用されます。
助剤はイソシアネートが使用されます。
木工用、金属用、ゴム用、皮革用、コンクリート床面用などがあり、多方面で使用されています。
 

2020年9月21日(月)
塗料の樹脂について 4

●フッ素樹脂塗料

現在の住宅外装塗料では最高品質の塗料の一つ。耐用年数は15年以上みこめるが、施工単価が高いためコストパフォーマンスは下がります。
耐紫外線性能が高いが、親水性などの防汚染性能が低いので、塗料は長持ちするが汚くなるなど弊害があります。
しかし、高い耐紫外線性能を求められる屋根用塗材としては非常に優秀です。

フッ素樹脂にはポリフッ化エチレン、ポリ三フッ化塩化エチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、六フッ化プロピレンなどがあります。
 
■特徴
塗膜は不燃性で、耐溶剤性が高い。
合成樹脂の中で最も高価です。

■用途
電気絶縁塗料、耐熱性塗料、耐薬品性塗料、耐食塗装用などに使用されています。
最近の建築塗装においても、高耐候、低汚染塗料として使用されています。

●フェノール樹脂塗料
フェノール樹脂は価格も安い。自然乾燥、加熱硬化形があります。
 
100%フェノール樹脂塗料は耐薬品性に優れ、ダムの水門、橋梁、タンクの錆止め用に用いられます。
熱硬化性フェノール樹脂塗料はすずメッキ板のクリヤー仕上げ、電気絶縁ワニスとして使用。
 
●フタル酸樹脂塗料

■自然乾燥用フタル酸樹脂塗料
アルキッド樹脂塗料の一種であるフタル酸樹脂塗料は、乾燥時間は半日程度で光沢、強靭、耐候性、耐油性のある塗膜が得られます。
耐水性、耐アルカリ性に弱い。
車両、機械、建築、船舶用などに使用されます

■焼付け用フタル酸樹脂塗料
130度前後で焼き付け乾燥します。
塗膜は硬く、屈曲性、付着力、耐候性、耐油性に優れています。
少量のメラミン樹脂を添加して硬度と光沢を改良したものもあります。
電気器具、計器、金属家具、農業機械などに使用されています。

2020年9月14日(月)
ポリウレタン樹脂塗料

現在、木・鉄部などではデファクトスタンダードと言えるウレタン塗料です。
材料価格と効果・性能のバランスの良い商品です。

●ポリウレタン樹脂塗料
一般的にはウレタン塗料と呼ばれます。

■油変性ポリウレタン樹脂塗料
ウレタン化アルキド、ウレタン油などとも呼ばれます。
一液性で、成分中の乾性油の酸化重合により乾燥します。乾燥時間は短い。
耐候性、耐摩耗性に優れています。耐薬品性は他のポリウレタン樹脂塗料より劣ります。
床用などその用途は広い。

■湿気硬化形ポリウレタン樹脂塗料
空気中の湿気と反応して、架橋反応硬化するタイプの塗料。
高湿度ほど乾燥は速い。
塗膜が硬化する際、炭酸ガスを発生するので、厚塗りするとあわやピンホールを生じます。

耐摩耗性が大きいので学校、体育館の床、コンクリート床面などに使用されます。

2液型と比べると形成される塗膜が弱い


10年ぐらい前までは外壁に、現在でも木・鉄部に大変良く使われているウレタン樹脂系塗料。水性、溶剤系に別れそれぞれ1液タイプ、2液タイプに別れます。
ウレタン樹脂塗料は、耐候性があり、独特の肉厚感と光沢をもっています。また、硬度や耐摩耗性が高く、剥がれにくいという特徴もあります。また、柔らかい性質と密着性が高いので、曲面や細部の塗装にも適しています。トタンやアルミ、モルタル・コンクリートに塗装可能で、特に木部との相性が非常によい特性があります。
近年はさらに高耐久のシリコン系塗料に徐々にとってかわられています。
 
ポリウレタン樹脂塗料の特徴
一般的には次のような特徴を持っています。
 
耐摩耗性、たわみ性がよく、床材などにも使用されています。
耐候性、耐水性、耐薬品性、耐油性に優れている。
黄変性を生ずるものもあり、無黄変性ポリウレタン樹脂塗料もある。
鋼材、亜鉛鍍金面、アルミ、モルタル・コンクリートに塗装可能。木部との相性が非常によい。
 
 ポリウレタン樹脂塗料の種類
■一液型ポリウレタン樹脂塗料
■二液型ポリウレタン樹脂塗料
■水性反応硬化型ポリウレタン樹脂塗料
■弾性型ポリウレタン樹脂系塗料
■ポリウレタン系外壁仕上げ材


2020年9月7日(月)
塗料の樹脂について 5


●フェノール樹脂塗料
フェノール樹脂は価格も安い。自然乾燥、加熱硬化形とある。
 
100%フェノール樹脂塗料は耐薬品性に優れ、ダムの水門、橋梁、タンクの錆止め用に用いられる。
熱硬化性フェノール樹脂塗料はすずメッキ板のクリヤー仕上げ、電気絶縁ワニスとして使用。
 
●フタル酸樹脂塗料

■自然乾燥用フタル酸樹脂塗料
アルキッド樹脂塗料の一種であるフタル酸樹脂塗料は、乾燥時間は半日程度で光沢、強靭、耐候性、耐油性のある塗膜が得られる。
耐水性、耐アルカリ性に弱い。
車両、機械、建築、船舶用などに使用される。

■焼付け用フタル酸樹脂塗料
130度前後で焼き付け乾燥する。
塗膜は硬く、屈曲性、付着力、耐候性、耐油性に優れている。
少量のメラミン樹脂を添加して硬度と光沢を改良したものもある。
電気器具、計器、金属家具、農業機械などに使用されている。

●不飽和ポリエステル樹脂塗料

■特徴
主剤、硬化剤、促進剤の三液性のもの。量産塗装に使用される。
促進剤は主剤の中に配合済みの二液性のもの。少量塗装に使用。
塗膜は硬く、肉厚で、耐薬品性、耐水性に優れている。
可使時間に左右されやすい。
合板用、木製家具用、耐薬品用などに使用。
 
 
●粉体塗料

合成樹脂の粉末を流動浸漬法、溶射法、静電気式吹き付け法、電気泳動電着法などにより被塗面に接着させて、加熱して連続塗膜を形成する塗料。
ポリエチレン、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂などが使用される。
 
■特徴
1回で厚塗り塗膜が得られ、短時間加熱で硬化する。
塗料の改修、再利用ができ、塗料損失は少ない。
溶剤には溶けにくい樹脂も使用できる。
溶剤を使用しないので火災、中毒、公害の心配がない。
加熱装置を使用するため、大型の被塗物への塗装には不向き。
溶剤型塗料のような平滑な仕上がり面が得られない。滑らかではあるが細かなゆず肌、凹凸の仕上がり面になる。
ピンホールができると、塗膜性能が著しく低下するので細心の注意が求められる。

2020年8月31日(月)
塗料の樹脂について 4

●フッ素樹脂塗料

現在の住宅外装塗料では最高品質の塗料の一つ。耐用年数は15年以上みこめるが、施工単価が高いためコストパフォーマンスは下がる。
耐紫外線性能が高いが、親水性などの防汚染性能が低いので、塗料は長持ちするが汚くなるなど弊害がある。
しかし、高い耐紫外線性能を求められる屋根用塗材としては非常に優秀である。

フッ素樹脂にはポリフッ化エチレン、ポリ三フッ化塩化エチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、六フッ化プロピレンなどがある
 
■特徴
塗膜は不燃性で、耐溶剤性が高い。
合成樹脂の中で最も高価である。

■用途
電気絶縁塗料、耐熱性塗料、耐薬品性塗料、耐食塗装用などに使用されている。
最近の建築塗装においても、高耐候、低汚染塗料として使用されている。

●フェノール樹脂塗料
フェノール樹脂は価格も安い。自然乾燥、加熱硬化形とある。
 
100%フェノール樹脂塗料は耐薬品性に優れ、ダムの水門、橋梁、タンクの錆止め用に用いられる。
熱硬化性フェノール樹脂塗料はすずメッキ板のクリヤー仕上げ、電気絶縁ワニスとして使用。
 
●フタル酸樹脂塗料

■自然乾燥用フタル酸樹脂塗料
アルキッド樹脂塗料の一種であるフタル酸樹脂塗料は、乾燥時間は半日程度で光沢、強靭、耐候性、耐油性のある塗膜が得られる。
耐水性、耐アルカリ性に弱い。
車両、機械、建築、船舶用などに使用される。
■焼付け用フタル酸樹脂塗料
130度前後で焼き付け乾燥する。
塗膜は硬く、屈曲性、付着力、耐候性、耐油性に優れている。
少量のメラミン樹脂を添加して硬度と光沢を改良したものもある。
電気器具、計器、金属家具、農業機械などに使用されている。


2020年8月24日(月)
塗料の樹脂について 3

●塩化ゴム系塗料
■特徴
速乾性であり1日2回塗り作業が出来る。
低温時でも乾燥する。
厚塗り塗装ができる。厚塗りタイプで60ミクロン程度の膜厚を確保できる。
塗膜間の付着力が良く、剥離を生じることがない。
耐水性、耐塩水性、耐薬品性が良い。

■用途
橋梁、プラントなどの屋外構造物、船舶、コンクリート、耐油性塗料として使用されている。
 
●ケイ素樹脂塗料
■特徴
高温や低温でも安定である。
電気絶縁性に優れている。
耐候性、耐薬品性、耐熱性、耐水性が高い。
光沢性、保色性がよく、チョーキングしにくい。

■用途
ケイ素樹脂にアルミニウム粉配合のものは、耐熱塗料として優れている。
ヒーター、暖房機用に電気絶縁ワニスとしても利用されている。

●ビニル樹脂塗料

■酢酸ビニルエマルジョン塗料
壁用塗料として多用されている。
耐久力、耐水性に優れている。
水滴の発生するような場所の塗装に適し、通気性もある。
コンクリート、モルタル面に塗装できる。
金属面には錆が発生するので不適。

■塩化ビニル酢酸ビニル共重合体塗料
耐水性、耐薬品性に優れている。
密着性に乏しく、「やけ」を起こしやすい。
耐薬品、耐油用として建築物、機械類の塗装に使用。
コンクリート用塗料、難燃性塗料としても利用されている。

■塩化ビニル塗料
塗膜の「肉もち」がよく、金属に対する付着、光沢に優れ、強靭、難燃性である。
1種 : 屋内のコンクリート、モルタル、スレートなどの吸収面用。
2種 : 屋外の金属、木材など比較的非吸収面用。
3種 : 耐薬品塗装用。

■ブチラール樹脂塗料
塗膜が強靭で、弾性がある。
木材への付着性もよく、木材の目止め塗料、節止め塗料、ハードボードの下塗り塗料などに使用されている。

2020年8月17日(月)
塗料の樹脂について 2

●アミノアルキド樹脂塗料

■酸硬化形アミノアルキド樹脂塗料
酸性硬化剤を使用するので金属には適さない。
研磨性は良いが貯蔵安定性、耐候性は悪い。
木製品の塗装に使用されている。
 
■熱硬化形アミノアルキド樹脂塗料
アミノ樹脂としてはメラミン樹脂が多く使用される。
その性質は硬く、耐溶剤性、光沢、耐候性に優れている。
たわみ性、付着性に難あり。
熱硬化形は主に木材用に使用される。
 
●エポキシ樹脂塗料

防錆塗料・床塗料に良く用いられる。紫外線に弱いので外部で仕上げには用いられない。
 
■特徴
付着力が強い。特に金属、ガラス、木材への付着性が優れている。
耐水性、耐薬品性に優れている。
「やせ」が少ない。
硬度が高く、屈曲性、耐摩耗性が大きい。

●エポキシ樹脂塗料の種類
 

■熱硬化形エポキシ樹脂塗料
  耐薬品性、耐溶剤性、耐アルカリ性に優れている。
  タンク、パイプ、ドラム缶、チューブなどに使用。
■アミン硬化エポキシ樹脂塗料
  厚塗りが出来るが塗膜はややもろい。
  船のバストラタンク、石油タンクなどに使用。
■エポキシエステル樹脂塗料
  付着性、耐薬品性、耐摩耗性に優れている。
  タンク、機械プラント、プラスチック用など多方面で使用。
■タールエポキシ樹脂塗料
  タールとエポキシ樹脂を組み合わせたもの。
  
エポキシ樹脂塗料より耐水性、耐酸性が向上する。
可とう性、付着性が優れ、硬度の高い塗膜が得られる。
鋼管内外面、港湾など腐食の烈しい環境の構築物などに使用。

2020年8月10日(月)
塗料の樹脂について

石油化学の発展とともに合成樹脂の塗料化が進み、それぞれの合成樹脂のポテンシャルを活かした塗料が製品化されています。現在、塗料のほとんどが合成樹脂塗料といっても過言ではないほど多用されている塗料です。
その種類と特徴を簡単にまとめてみました。
 
●アクリル樹脂塗料
  
新築工事によく使われている。現在では安価な材料。
水性・油性があります。

■特徴
クリヤは無色透明で、高温でも変色しない。
光沢保持性、保色性が高い。
耐水性、耐酸性、耐アルカリ性が高い。
石油系溶剤、植物油、グリースに対しても抵抗性がある。
電気絶縁性がある。

■種類
アクリルラッカー : 金属、木工、コンクリート、プラスチックなどに使用できる。航空機、車両、自動車、家電製品などに用いられている。
焼付けアクリル : 溶剤熱硬化性アクリル樹脂塗料のことをいう。家電器具類、自動車、家具、事務機器、非鉄金属など用途は広い。
水溶性アクリル : 水溶性熱硬化形アクリル樹脂塗料のことを言う。自動車、電気器具類などの浸漬塗装(電着塗装)用に使用されている。
エマルジョン形アクリル樹脂塗料 : 自然乾燥型塗料で建築塗装では多用されている。
アクリル化アルキド : アクリル変性アルキド樹脂塗料のことを言う。アルキド樹脂塗料より耐候性、光沢保持性、保色性、耐湿性などが優れている。

現在、一般住宅の塗り替えの外壁・屋根で最も使われている材料です。
水性・弱溶剤系・1液・2液型と多種ありますが、基本的には弱溶剤2液型がいちばん優秀なシリコン塗料です。

●シリコン樹脂塗料 

一般的にシリコン塗料と呼ばれている。塗り替え工事では一番使われている。
水性・油性があります。

■特徴
下地に対する付着力が強い。
光沢保持性、保色性が大きい。
耐水性、耐薬品性(耐酸性、耐アルカリ性)、耐油性が大きい。
耐汚性が大きい。元々汚れが付着しにくい樹脂である。
耐候性が大きい。(塗膜性能は限りなくフッ素樹脂塗料に近い)
親水性があり雨水とともに汚染が落ちる。
フッ素樹脂塗料は亜鉛鍍金面に不適であるが、アクリルシリコン樹脂塗料は直接塗装が可能。
その価格と塗膜性能の面で優れているので建築塗装、特に外壁塗装では多用されている。

2020年8月3日(月)
一戸建て住宅塗装での注意点3

コロニアルやモニエル瓦などはセメントなどを圧縮し、表面を守るために塗装が施してあります。この為、表面の塗装が劣化・剥離・苔の発生などがあると本体のセメント層が直接ダメージを受け劣化し、割れ・裂け・剥離などが起こります。
和瓦の場合は基本的に塗り替えはしません。
モニエル瓦は洋瓦とも言われますが、見た目が綺麗なら塗り替えの必要はありません。表面の塗装膜が劣化していたら塗り替えましょう。

■コロニアル屋根

コロニアル屋根は厚さ数mmの板で出来ています。大変薄いので塗装で守ってやらないと亀裂や欠けが生じやすいです。また苔や藻などが生じやすく、それらの根張りによって基材が壊れてしまうので注意が必要です。
一戸建て住宅の場合、大屋根を直接見ることは難しい場合が多いです。その為、玄関上の庇やベランダ下の屋根は大屋根と同じ屋根材の事が多いのでおおよその劣化具合を調査することが出来ます。

ただし大屋根と違い1日のうち影が出来る時間が多いので、大屋根よりも比較的劣化具合が軽いです。

コロニアル屋根の劣化は、艶が消え白っぽくなる → 苔等がまばらに発生する→ 部分的に表面塗膜が剥離する → 
コロニアル自体の裂け・剥離が始まる と進行します。

■コロニアル屋根の塗装

現状:コロニアルに苔が生じ部分的に既存塗膜が剥離している。コロニアル自体の裂け剥がれはない。

対処法
高圧水洗浄(15Mpa)で、既存塗膜の苔やチョーキングの粉を除去するのが大切です。高圧水洗浄は屋根塗装において必須の工程です。これを行わないと塗装後数年で新規塗装がはがれてきます。

洗浄後は屋根専用のプライマーを塗り、仕上げには耐紫外線性の高いシリコン系以上の専用塗材を塗布します。
外壁と比較して屋根は3倍程度の紫外線に晒されるので、外壁以上の性能の塗料が必要です。
また夏場の2階部屋の高温に困っている方には遮熱タイプの塗料がお勧めです。
一般のコロニアル塗装より1~2割程度高価ですが、光熱費削減なども望めますのでお得になります。

モリタ建装では屋根コロニアルには全て日本特殊塗料(株)「遮熱塗装パラサーモシリコン」を使っています。

■金属屋根

最近の住宅ではあまり金属屋根は使われませんが、瓦棒板金製のものなどたまに見ます。金属屋根で問題なのが錆で、放置しておくと穴が置くなど大きなトラブルに繋がります。
また断熱効果も弱いので夏場には大変高温になり室内も熱くなります。

■金属屋根の塗装

現状:塗装膜が劣化しところどころに赤錆が見受けられる・

対処法
錆びや劣化した部分を充分にケレンして落とします。錆防止の為、エポキシ系の錆止め材を下塗りとします。

仕上げには耐紫外線性の高いシリコン系以上の専用塗材を塗布します。
外壁と比較して屋根は3倍程度の紫外線に晒されるので、外壁以上の性能の塗料が必要です。
また金属屋根は断熱効果が無い為、遮熱タイプの塗料がお勧めです。
一般のコロニアル塗装より1~2割程度高価ですが、光熱費削減なども望めますのでお得になります。


2020年7月27日(月)
一戸建て住宅塗装での注意点2

■チョーキング(白亜化)
状況
外壁などを手でこすると手のひらに白い粉が付きます。これはチョーキングと言って塗料の寿命を示すものです。
塗料にとって最大の敵は、太陽の紫外線で、それとの戦いに敗れ粉化していきます。
チョーキングすると外壁を守る鎧としての塗装の役目が出来なくなり、次第に粉化が進み下地の破壊へとつながっていきます。

対処法
粉の付いたまま塗り替えても、新しい塗料が付着しないので、全面を高圧水洗浄(15Mpa)してから行います。新規の塗料については、耐紫外線の強い物、雨水による汚染の少ない物を選定しましょう。
モリタ建装では微弾性フィラーの上、弱溶剤2液型シリコン塗料または水性シリコン塗料をお勧めしています。
シリコン系塗料は耐紫外線性能が高く、親水性から汚染にも強い塗料です。

■亀裂(クラック)
状況
モルタル又は鉄筋コンクリート造の開口部(窓等)の四隅に発生しやすく、これは壁の構造的に弱い部分に歪が集中する為です。
亀裂にはモルタルやコンクリートの特性である乾燥収縮過程に起因するものと、構造的な歪に起因するものがあり、前者は4-5年すると亀裂の発生が止まりますが、後者はズーッと広がり続けます。
亀裂が出来ると外壁内部に水が浸透し内部から劣化が始まるので、破壊が早く進んでいきます。

対処法
モリタ建装ではクラックスケールを用い巾0.3mm未満は微弾性フィラーの摺り込み、0.3mm以上はUカットシーリングで対応しています。Uカットシーリングするとある程度の亀裂の広がりに対応できます。
木造住宅の場合は、Uカットシーリングは壁にダメージを与えるので、エポキシ樹脂を注入するエポシール工法を取ります。
他にも鉄筋造には高圧・低圧注入などの補修法もあります。

現在ではあまり使われなくなりましたが、古い建物だと鉄材を使った建物が多いです。
安価で造作しやすいうえ、強靭で構造物としても使えるので、鉄は古来から良く建築に用いられてきました。ただ錆びるという欠点から近年は使用を避けられます。

■外部鉄骨階段天井部
症状
天井部デッキプレートの塗装がはがれ錆が進行している。
特に壁側が劣化の酷いことが多く、これは上の廊下土間に溜まった雨水が、壁との隙間を通して天井に浸水する為で、上階廊下の防水の問題になることもしばしば見受けられます。
既存塗膜の剥けがバラバラと酷く、下地にはシルバーの物が出ている場合は、下地が溶融亜鉛メッキプレートで、その上に未処理で塗装した施工ミスが考えられます。
以前アパートの鉄骨廊下全体が落下するという大きな事故がありました。街を歩くと落っこちそうな鉄骨階段・廊下は多く見ますので大変危険です。

対処法
サンダー等を使い剥離した旧塗膜を除去します。活膜は残します。これはRB種ケレンと言われます。
密着性と防錆力の高いエポキシ系錆止め材を前面に塗布したうえ、2液弱溶剤ウレタンまたはシリコン塗材によって仕上げます。
下地が溶融亜鉛メッキプレートの場合は、最初に脱脂処理が入ります。

■外部鉄骨階段段裏
階段部の鉄材は、出っ張り・引っ込みが多く、このようなエッジ(角)の多い部分は、平場と比べ塗膜厚が均一でなく、著しく薄い部分が出来てしまいます。
これはローラーやハケで塗装するので、角部分はどうしても擦れて塗膜が薄くなってしまうからです。これが原因で鉄骨階段は錆びやすい部分です。
階段段裏の塗膜の劣化は、階段表面からの雨水の漏水による場合が多いです。

対処法
予算があれば、階段の上面は塩ビシート防水を施工します。予算が無い場合は階段状面の入隅部を全て変性シリコンシーリングし漏水を止めます。
塗装に関しては上記の階段天井と同じです。仕上げの塗布には吹付で塗装します。
エッジでも吹付塗布なら均一な塗膜厚になります。

鉄部塗装ではRB種ケレンの上に、密着性・防錆性の高い弱溶剤2液エポキシ系の防錆材を使う事が肝心です。
エポキシは密着性があり強靭な塗膜を形成しますが、紫外線には極端に弱いので、仕上げ材には耐紫外線性の高い仕上げ塗料を使う必要があります。

2020年7月20日(月)
一戸建て住宅塗り替え工事での注意点

一戸建て住宅で注意するポイントをお話しします。
塗り替え工事ではポイントを押さえた工法が重要になります。

■シーリング回り
状況
サイディング一戸建て住宅の外装で一番注意が必要なのは、サイディングと窓回りの目地シーリングの劣化です。
サイディングは寸法の決まった板を張り合わせていく構造上、合わせ目の目地のシーリングのかかせない工法です。
ところがこのシーリングの寿命は10年程度で、サイディング外壁自体は綺麗なのに目地部の劣化が先に始まってしまうのです。

対処法
既存のシーリング材を全て撤去し、新たに新規シーリングを打設します。この時シーリング材の上に塗装するならポリウレタンシーリング、塗装しないなら変性シリコンシーリングになります。
シーリングの上に塗装すると、塗料がシーリングを守ってくれて、露出より長持ちするのでお勧めです。旧シーリングを全て撤去することがポイントです。



■雨戸板・戸袋板
状況

雨戸板・戸袋板も外装塗り替えの場合は塗装しましょう。材質が金属で新築時に焼き付け塗装してますので耐久性は高いですが、放置しておくと汚染が進み、錆などが始まります。
また外壁が綺麗になっても、雨戸板・戸袋板が汚いままだと大変目立ってしまいます。

対処法
弊社では十分にケレンを行った上で2液ウレタン以上の材料を吹き付け塗装しています。

■破風板
状況
木部を守るべき塗装が劣化し、剥げ落ちてしまったものを良く見ます。
こうなると木部が直接ダメージを受け続けるので劣化のスピードは加速します。
特に紫外線の強く当たる破風板はどちらのお宅でも劣化があります。

対処法
一刻も早く、木部を守る塗装の塗り替えが必須です。既存塗膜を丁寧に剥離ケレンし、エポキシ系木部下塗り材の上、ウレタン又はシリコン塗装します。

■霧除け
状況
窓の上にある小さな屋根を霧除けと言います。屋根は金属製の板で、下部は木で作られていることが多いです。
鉄部は焼付塗装されていて耐久性が高いですが、15年以上たつと劣化が始まり錆びだします。
木部は5年程度から劣化が始まり、チョーキングから剥離と進んでいきます。

対処法
屋根金属部はエポキシさび止めの上ウレタンまたはシリコン塗装が必要です。
木部は破風板とおなじです。

2020年7月13日(月)
塗料の機能-生物学的特性

本日は塗料の色々な機能を持つものを紹介します。

■生物学的特性

●防カビ塗料・防藻塗料

防カビ材を塗料に添加したものが多く、その効果は経年とともに薄れて行く。
その点、無機質塗料はその特性からカビや藻が生えにくい。各塗料メーカーから色々な種類のものが製品化されている。
光触媒塗料は光触媒体の強力な分解能力により、防カビ・防藻効果が期待できる。

一般的にシリコン系塗料は防カビ・防藻性能が高いようです。

●抗菌塗料.

抗菌剤を塗料に添加したものが多いが、光触媒塗料はその光触媒体の働きにより菌類は分解され効果が大きい。
 
表面が緻密な塗膜を形成する塗料だと、カビ・藻が根を張れないため防カビ塗料・防藻塗料を謳っているものが多いようです。

建物の北面など常に湿潤な環境だと、外壁面などにカビ・藻が繁茂する事があります。
根が塗膜を貫き塗装の劣化を早めますので、防カビ・防藻塗料を意識して使いましょう。

■電気的機能を持つ塗料

●帯電防止塗料

建築塗装では、主に床用に使用される。もともと床用に使用される塗料は塗膜に電気絶縁性が強く、電気が伝わりにくい性質を持っています。帯電防止塗料は塗膜に導電性を持たせ、静電気の帯電を防止する機能を持たせた塗料です。
 
■熱学的機能を持つ塗料

●断熱塗料

塗料の断熱性を利用して外気温と壁内温度の格差を和らげ、壁内結露の予防効果得られる。
 
●耐熱塗料

耐熱塗料はその要求される耐熱温度によって区分され塗料材質も異なってくる。顔料としてはアルミニウム粉が多く用いられ、耐熱温度によってアクリルシリコン、ブチルチタネートなどが使用される。
 
●耐火塗料

塗膜が難燃性のタイプと火災による加熱によって塗膜が発泡し、断熱層を形成するタイプがある。発泡タイプの防火塗料で薄膜タイプもある。

2020年7月6日(月)
シーリング悪い所だけ打ち直しはダメです!

■サイディング壁の住宅でシーリング工事に手を抜くような工事なら、ヤラナイほうがマシです。

先週合い見積もりにした市内のお客様のお宅はサイディング住宅で、シーリング工事の金額が随分違うので説明してほしいと尋ねられました。
そして合い見積もり業者の見積書を見るとシーリング工事だけで15万円違いました。
しかしその内容はシーリングの劣化部ノミ(悪くなったところ)打ち替えとあります。

シーリングは亀裂などにより劣化が確認できますが、建物全体のシーリングは同じ程度の劣化度なので、現在亀裂などが無い場合でも数年で亀裂が発生する恐れがあります。
古いシーリングを残すという事は、真っ当な業者には理解できない判断で塗って綺麗にすれば良いという物ではありません。

特にサイディング壁はサイディング目地だけで壁面の防水を担っているので、シーリング工事を中途半端に行うくらいなら改修工事自体の意味がありません。

また増し打ちやブリッジ工法とうたわれた見積書も見ますが、要は古いシーリングをそのままで、その上から新しくシーリングした見た目だけ工事です。
先日のblogでも書きましたが、シーリングメーカーは5mm以上の厚みが無いと性能が発揮できないとアナウンスしています。
増し打ちでは1mmも確保できないのですぐに亀裂が発生します。

またホームセンターではカートリッジ型のシーリング材が売っていますが、役所などの公共工事では2液性シーリングの使用を求められます。
上の写真のようなシーリング混合器で混ぜ合わせて使いますので判断できます。

1液型のシーリングカートリッジでは自然乾燥・硬化になるので、弾性力や硬化状態にムラが出来ます。
化学的に硬化させる2液型シーリングですと性能にムラの無いシーリングになります。

古い塗装屋だとシーリングを軽く見ている業者がいます。塗り替えて綺麗になれば良いとの考えから、とりあえず亀裂が消えれば良いと工事しています。
しかし建物にとってシーリングは非常に大事な工事で、漏水に繋がったり、硬くなったシーリングの為にサイディング板自体が割れてしまったり大きなトラブルにつながります。

モリタ建装では防水工事も施工しているのでシーリング工事の重要性は理解しています。
ただシーリングをキチンと撤去し打ち直しすると結構な金額になり、塗替え工事全体の20%程度にはなります。

あまりに安いシーリング工事には注意が必要です。


2020年6月29日(月)
サイディング壁のシーリング撤去は確実に

サイディング壁のシーリング打ち替えは必須です。
その中でも旧シーリングの撤去は最重要な工事です。

シーリングメーカーによるとシーリングは厚さ最低5mm以上を確保しないと性能が発揮できないとの事です。
5mm以下のシーリングではすぐに亀裂がでたり、剥離してしまう恐れがあるためです。

上記写真のように旧シーリングを撤去すれば厚さ1cm以上は確保できるので安心です。
この撤去した旧シーリングの総量は100m以上になるので大量のシーリングゴミが発生するので撤去を確認する事が出来ます。

シーリングゴミが発生しないようであれば要注意。
撤去しないで増し打ちやブリッジ工法などと言い訳をして、1mm弱のシーリングをして完了などというヒドイ業者もいます。
見た目は綺麗ですが1mm以下のシーリングでは意味がありません。
1年もしたら亀裂が発生し防水効果もなくなってしまいます。

塗り替え工事全体に占めるシーリング工事金額は20%程度になり高額に思うかもしれません。
しかしサイディングの塗り替えで最重要な工事なので、必要な金額と認識ください。

逆に見積書でシーリング工事が10万円程度であったなら、旧シーリングを撤去しない工事との認識が必要です。
そのような工事はやっても意味の無いものになってしまうので注意が必要です。

また最近は相見積もり、見積合わせと数社から見積を取るお客様もいますが、シーリング工事金額が極端に安い業者は即排除したほうが良いでしょう。

塗り替え工事で使うシーリングは主に、ポリウレタンと変成シリコンを使います。
以下特徴を書きます。

■ポリウレタンシーリング
比較的低価格である
紫外線に弱いので、塗装が必要。
塗料との密着性は高い。

■変成シリコンシーリング
工事価格は高い
紫外線に強く未塗装で可。
塗装する事もできる。

などです。
こう見ると塗装でも未塗装でも良い変成シリコンシーリングを全てに使えばよいじゃないかと思われるかもしれませんが、変成シリコンシーリングは高いので塗装するのならポリウレタンシーリングの方がお得になります。
また塗料との密着性ならポリウレタンシーリングの方か高いので、モリタ建装では塗装する部位にはポリウレタンシーリングを使います。

変性シリコンシーリングと書く業者もいますが、変成シリコンシーリングが正しいです。化学の先生のお宅を工事した時に聞きました。
またシーリングをコーキングと書くこともありますが、同じものです。

2020年6月22日(月)
塗料の機能-物理的特性

■物理的機能を持つ塗料

本日は塗料の物理的機能を持つものを紹介します。
使用目的に合った塗料を使う事が出来ます。

●結露防止塗料

室内の結露を防ぐとともに、その吸放湿機能によって室内の湿度を調節することでカビやダニの繁殖を抑える効果が期待できます。
 1mmの塗膜厚で、1m2当たり最大600ccの水分を吸収し、結露の防止に役立ちます。木造家屋の柱一本でコップ1パイの水分の吸放湿を行なうといわれています。
密着性、耐湿性、耐アルカリ性に優れ、たわみ性に優れている。


●貼り紙防止塗料

落書きや貼り紙の被害が多く、社会的問題になっています。落書きや貼紙を消したり除去するのは大変な手間と時間とコストを必要とします。
そのため、これらを簡単に除去できるのがこの塗料の特長です。落書き、貼り紙防止塗料の特長は
 
ラッカースプレー、水性スプレー、マジックインクなどの落書きを簡単に除去することが出来る。
貼紙防止成分により、貼紙も容易に剥がすことができる。
長期耐候性と落書き・貼紙除去性を維持します。
雨筋汚れや油汚れが付きにくく、初期の美観をいつまでも保ちます。
色々な被塗物に塗装でる。


■化学的機能を持つ塗料

●低汚染塗料

大気汚染や酸性雨は塗装面の汚れや耐久性の短縮をもたらしています。塗装時の美しさを保持し防汚効果の高い塗料がますます望まれています。
そうしたニーズに対応した、低汚染機能をもつ色々なタイプの塗料が開発されています。

セラミック複合技術により塗膜表面にセラミック層を造膜し親水性とともに防汚効果をねらったもの。
超微粒子塗料による緻密な塗膜構造による親水性を持たせたもの。
光触媒の分解、親水性を利用したもの。などがあります。

●光学的機能

遮熱塗料
遮熱塗料は特殊顔料によって赤外線を効率よく反射し、遮熱効果により室内温度を下げるなどを期待するもの。


●蛍光塗料

蛍光塗料は、安全・防災、船舶、消防車、大型構造物まで、幅広く使用されています。
アクリル樹脂系、アクリルウレタン樹脂塗料などが使用され、コンクリート、鉄部やプラスチックなど、様々な被塗物に塗装することが出来ます。シンロイヒ株式会社は国産初の蛍光塗料メーカーです。
 
●紫外線吸収塗料

紫外線吸収剤と光安定剤(HALS)を組み合わせることによってポリマーに紫外線抵抗性を持たせた塗料。
クリヤー、有色塗料があり、その用途も多様です。
 

2020年6月15日(月)
塗料の機能による種類

塗料の環境対策への取り組み

環境問題が重要視される今日、石油製品が主材の塗装・塗料業界の環境への影響力は大きなものがあります。
塗料の環境対策として主に次のような取り組みがなされています。
 
●弱溶剤への移行 : 強溶剤型のものから、より環境に優しく低臭の溶剤型の塗料へと移行しています。NAD塗料、ターペン可溶型とも呼ばれます。

●溶剤型塗料からエマルジョン塗料への移行 : 架橋技術の進歩により溶剤型に劣らない耐候性を持つ反応硬化型エマルジョン塗料へと移行しています。

■機能付加塗料の進歩 : 塗料そのものに環境への対策機能を付加価値として取り入れたものが次々と開発されています。光触媒塗料、遮熱塗料、断熱塗料などに代表される。

●エコ塗料の出現 : エマルジョン塗料は溶剤型塗料に比較して石油の消費量は少なくなります。さらに使用樹脂量を押さえながら非常に優れた塗膜を生成するエコ塗料が出現しています。
 
環境対策機能

■低VOC塗料
VOC規制法案の大気汚染防止法によってその対策は年々改正され、より厳しいものになっています。
塗料業界でも日本塗料工業会を中心として色々な企業努力がなされています。
 
法規制位前の平成16年から塗料メーカーの業界の取り組みとして製品の「低VOC塗料」の自主表示が行われています。
低VOC塗料の製品表示についての詳細は日本塗料工業会・VOC規制関連情報のページを参照下さい。

■光触媒塗料
環境浄化作用の機能を持つ光触媒体を塗料に混入したもの。元々光触媒を均一にコーティングする技術は難しく、それを容易にしたのが塗料への混入という方法です。
しかし混入できるその量は数パーセント(3~5%程度)にしか過ぎません。光触媒体の連続膜は得られないのが今後の課題です。
 
光触媒は照射される紫外線にその酸化力は比例します。建物の場合にはその構造、方角によって効果は左右されやすい。
光触媒の親水性は光線の照射によって生まれるので、建物全体で考えると、塗膜そのものに親水性を持つものより低い。
親水性の問題点 : その親水性の機能により、汚れは雨で洗い落とされるというのが光触媒の特長とされている。ところが雨の日は曇り空のため塗膜の親水性はあまり機能しない。
 
■低臭塗料
従来、強靭な塗膜を生成する塗料といえば溶解力、揮発性の高い強溶剤型のものが中心でした。強溶剤型のものから、より環境に優しい弱溶剤型への移行によって塗料のより低臭化、低VOC化が計られています。
室内壁用に使用される塗料は低臭、低VOCであることが要求されます。従来の9分の1に抑えた超低臭塗料でVOC成分もほとんど含んでいいないエマルジヨン塗料なども開発されています。 


2020年6月8日(月)
塗装の欠陥-2

前回同様塗装の欠陥についてお話しします。

●塗膜の艶に関する欠陥
 ・艶斑(つやむら)
  予定の艶が出ていない。

 ・白化(ブラッシング)
  塗面が白くにごり艶が無くなる

●色に関する欠陥
 ・色別れ(色むら)
  一部の色が分離して斑点や縞模様ができる。

 ・色違い
  色が同一でない。

 ・にじみ(ブリード)
  既存塗膜や下塗りの塗料の色がにじみ出して上塗り塗膜の色が変色する。

 ・やけ(黄変)
  白色、淡色が黄色っぽくなる。


●塗膜の不良欠陥
 ・乾燥不良・硬化不良
  塗膜表面がべたつき、なかなか乾燥しない。

 ・もどり
  一度乾燥した塗面が再び軟化する。
  
 ・白亜化(チョーキング)
  塗膜表面が白く、粉っぽくなる。

 ・剥れ(はがれ)・剥離(はくり)
  塗膜が付着力を失い剥れ落ちる。

このように塗装には色々な欠陥がありますがモリタ建装はこれらを熟知していますので安心してお任せください。

塗膜の欠陥
2020年6月1日(月)
塗膜の欠陥について

■住宅塗装における塗膜の欠陥について紹介します。わかりやすく症状を分類しました。素人目には解りづらいものもありますが、モリタ建装では完成時の社内施工検査でチェックしています。

■塗膜欠陥の分類
塗料の持つ特性を完全に発揮させるには、塗装時の環境や作業的な問題などの諸条件が影響します。よりよい条件で正しく塗装されて初めて、美装と保護の塗装の目的が果たせるわけです。欠陥の原因を明らかにすることで、欠陥の予防と対策に効果を上げることが出来ます。
塗装の欠陥には施工時の気温・湿度などの環境要因と、作業者の施工ミスによる技術要因、建物の下地に起因するものなど様々です。

塗装の欠陥を上げていきます。

●塗膜の表面の欠陥
 ・刷毛目(はけ目)
  はけの塗り方向に刷毛筋が残る。

 ・流れ(ながれ)
  塗膜に塗料の流れができ波紋状の模様になる。

 ・縮み(ちぢみ)
  塗膜がちりめん状のシワになる。

 ・柚子肌(ゆずはだ)・ガン肌
  塗膜表面がゆず肌模様になる。

 ・糸引き(いとひき)
  塗膜面に網目状の塗料の結晶ができる。

 ・リフティング
  塗膜が縮み状になる。

 ・はじき
  塗料が均一に付着せず、部分的にはじかれる

 ・ミスト
  塗装面にぶつぶつができる。

 ・膨れ(ふくれ)
  塗膜の一部が膨れ上がる。

 ・ひび割れ(クラック)
  塗膜にわれを生じる。

●塗膜の艶に関する欠陥
 艶斑(つやむら)
 白化(ブラッシング)

●色に関する欠陥
 色別れ(色むら)
 色違い
 にじみ(ブリード)
 やけ(黄変)

●塗膜の不良欠陥
 乾燥不良
 もどり
 白亜化(チョーキング)
 剥れ(はがれ)・剥離(はくり)

塗料
2020年5月25日(月)
塗装計画-2

■塗装設計における金額的要因

高額のお金をだせばいくらでも良い塗装が出来ます。高額を出してフッソ塗料を使ってもフッソの耐用年数以前にシーリングや鉄部塗装などが劣化してしまうので、再塗替工事が必要になります。
大切なのは建物の塗り替えサイクルの年数を考えて、コストパフォーマンスの良いものを選択していくことです。
モリタ建装では塗り替えサイクルを10年から15年程度に設定しています。

工事で使用する塗料選定上、経済的な側面から捉えた要因をまとめてみました。

■どの程度の耐久性を望むか

塗り替え工事では長期を見込んだ耐久性を決めることが大事です。
あまり足場が掛かる工事はしたくないという場合には、フッソや無機をふんだんに使った高額な工事になります。
また、10年弱のサイクルで塗り替えを行い常にきれいな住宅を望む場合は、耐久性も10年持てばよいシリコン系の塗料の選択になります。

一般的にはコストパフォーマンスの塗料での塗り替えになります。当サイトの[目的別おすすめ塗料で]レーダーチャートなど見てお選びください。
一つ注意な点が、耐久性が高いといって汚染に対しても高性能とは限らない事です。
フッソ塗料は塗料の耐久性は高いですが汚染に関しては一般の塗料とかわらないので、高級塗料なら無機塗料の方をお勧めします。
塗装膜が持っても汚い外観になってしまうと本末転倒ですね。


●塗料の価格 : 石油製品高騰の折、塗料の価格も大事な塗料選定の考慮要因です。 

●塗料の使用量 : 単位面積当たりの塗料使用量も塗料決定時の大切な要因となります。 

●耐用年数 : メンテナンスコストと共に大切な経済性の要因になります。
 
●メンテナンスコスト : 塗料の価格面と同程度に重要な要因です。 
 
塗装設計の要因・塗膜厚

塗り回数 : 塗料によって必要塗り回数は異なります。1回で十分なものから4~6回必要なものまであります。塗料によって異なりますので確認が必要です。 
塗料使用量 : 塗料によっては単位面積当たりの使用量が大きく違うことがあります。使用量は塗り回数によっても変わってきます。 

塗装設計における塗装工程・塗装作業上の要因
塗装の単独工事以外の場合、他の工事と塗装工事との兼ね合い、養生の必要性など作業工程を決定する上で大切になります。これを誤ると仕上がりにも影響し、トラブルの元にもなります。経験と総括的な視野が要求されます。

塗装計画で大事なことは何年程度の耐久性があり、それにたいして予算はどの程度あるかで決まります。
希望する耐久年度になるべく少ない予算で行えるコストパフォーマンスの高い工事を目指しましょう。


塗装計画とは
2020年5月18日(月)
塗装計画とは

■住宅塗装は計画的に

住宅塗装工事の計画には、塗料の選定・塗装方法・足場の問題・経済性・耐久性などを総合的に考慮しなければなりません。このような要因を総合的に検討、判断をして一つの塗料と塗装方法を決定し、適切に施工されるように計画する事が塗装計画です。
本来、これは建築設計士の領域です。新設工事の場合ですとテキストどおりの標準仕様で問題ない場合が多いですが、塗り替え工事の設計となりますと、被塗物の現状・程度により適切な下処理方法を選定しなければなりません。それにはそれなりの現場経験が要求されます。
そこで知識が豊富でノウハウのある改装専門の塗装店の出番となります。

塗装計画は実際に建物を調査し、その建物に合った計画立案が重要です。建物も見ないで一式いくらというわけにはいきません。

■塗装の要因
1)塗装に要求される条件

・被塗物の種類は何か(モルタル、木部、鉄、スレートなど)
・被塗物の塗装素地としての状態は(さび、ひび割れ、塗膜の浮き、剥れなど)
・施工方法、作業工程との関連は

2)経済的な要因
・工事費の予算上、単価的にはどうか
・耐久性はどの程度必要か

現場・塗装部位の上記の状態から、どのように足場を掛け、どのようなケレンをし、どのような下塗りを選定し、どのような上塗りを選定するか。
そしてそれら選定工程は経済的に見てコストパフォーマンスの高い物であるかを設計する事が塗装計画になります。

モリタ建装ではこれらを、「建物診断書」により部位ごとの写真付きで塗装設計をお客様に提示します。

■塗料選定の計画

数多くの塗料の中からどの塗料を選定するか。その際の考慮すべき要因をまとめてみました。

・耐用年数 : 要求される耐用年数はどの程度か。 

・被物塗物の素材の種類 : 塗料は被塗物の素材に応じて設計されるのが一般的です。素材別に適した塗料を選ぶ必要があります。 

・遮熱効果や防水効果など特殊機能が必要かどうか。

・既存塗膜の種類(塗り替えの場合) : ブリードなどの問題を起こさないよう、既存塗膜を考慮した塗料やアンダーコートの選定が必要です。 

・塗装工程(工期的な問題) : 周辺工事との兼ね合い、塗装工程と工期との兼ね合いなども考慮が要求されます。 

・塗装の仕上がり感 : 艶の有無、パターンの必要性などどのような仕上がり感が望ましいのか検討する必要性があります。 

■塗装方法の選定計画

塗料をどのような塗装方法で施工するか、塗装方法の選定に考慮しなければいけない要因を簡単にまとめてみました。

・被塗物の形状 : 形状によっては刷毛塗りではきれいな仕上げが困難な場合があります。そうしたときはスプレー塗装を採用したり、広い面積の場合はエアレス塗装を選定したり、飛散が問題なときはローラー塗装にしたりと考慮が必要となります。 

・環境汚染、安全 : 塗料の飛散、溶剤の臭い、毒性など特に都市部での工事には住宅が密集しているので近隣への配慮が必要になります。なるべく環境型、無公害塗料の選定が大切になります。 

・塗膜厚 : メーカー規定の塗膜圧を塗装施工するのは当然ですが、仕上がり感の要求で塗膜に重量感が必要な場合、複層吹き付け材を使用します。スッキリ感を出したい場合は薄塗りで耐久性のあるエナメルを選定したりします。 

・足場 : 塗装方法によって足場の必要性、足場の種類も変わってきます。

■塗装方法の種類
ここでは主に建築塗装で、現場施工の際に用いられる塗装方法を紹介しています。

・刷毛塗り 
・ローラー塗り 
・スプレー塗装 
・エアレススプレー塗装 
・ガン吹き 
・コテ(左官コテ、パターン付けコテなど)塗り

以上の項目を現場の環境・状態から最適な物を選定していきます。

目地シール撤去
2020年5月11日(月)
タイル外壁住宅の改修工事

■タイル外壁の最重要ポイントは構造目地シーリングの改修です

本日より川口市内のS様邸の外部改修工事に取り掛かりました。
S様邸は外壁がタイル貼りの鉄骨3階建てで立派な建物です。

焼き物である磁器タイルは大変耐候性が高く、数十年の寿命があります。
焼き物の壺や皿など数百年たったものでも、艶があり耐久性の高さはご存じの事と思います。

外壁全面にタイルを貼り一枚壁とすると、建物の変動によりドコに亀裂が入るかわからなくなります。
ですのでタイル壁には構造目地と言って等間隔で縦横に目地シーリングが施されています。そこに亀裂を誘発させます。
また窓などの開口部廻りも目地シーリングがあります。

●タイルの耐久性は高いですが目地のシーリングは10年程度と言った所なので、タイル壁と言えど10数年に一度のシーリングの打ち替えをしなくてはなりません。
シーリングの劣化を放置するとタイル目地からタイルの裏側に水が回ってしまい、タイルの剥がれや外壁の浮きなどの障害が出ます。
また漏水が構造体である鉄骨や木材まで達すると、それを腐食させ建物に大ダメージを与えてしまいます。

タイル目地には変成シリコンシーリングを使いますが、新築時に耐久性の無いウレタン系やアクリル系のシーリングが使われた建物もあり障害が発生してる建物もあります。
これらの目地は
1)硬くなって弾性力が無い
2)表面に微細な亀裂がある
3)ボロボロになり剥がれてしまう
などといった障害から防水を目的とするシーリングの役割を果たせなくなっています。

改修工事ではアクリル系は耐久性の面から使用しません。ポリウレタンシーリングは優秀な材料ですが、紫外線に弱い為表面を塗装などで守ってやらなくてはならないため、表面が露出するタイル目地シーリングには向きません。
表面が露出するシーリングは変成シリコンシーリングを使用します。

今回工事するS様邸は新築時に適正なシーリング材が使われていて、通常の経年劣化からの工事になります。

●シーリング工事は撤去して新たに打ち直す
劣悪な業者だと現在のシーリングを撤去せず、上から新しいシーリングを増し打ちしてしまいます。見かけは新しくシーリングしたように見えますが、厚さは薄くシーリング本来の機能が果たせません。
シーリングメーカーによると新規のシーリングは厚さを5mm以上確保しないとシーリング材の性能が発揮できないと言っています。

増し打ちだと厚さ5mmを確保できないので、シーリング工事では必ず既存シーリングを撤去してから打ち直さなくてはなりません。
シーリングを撤去すると1cm角程度の古いシーリング材が100m以上でますので確認してください。

磁器タイルの外壁では変成シリコンシーリングでの全面的な打ち直しが必要です。

外壁塗装単価とは
2020年5月7日(木)
塗料単価について

■小面積の住宅塗装では塗料設計単価通りにはいきません

塗料メーカーのサイトやカタログには設計単価と言う基準単価が掲載されています。
[商品名 単価]で検索すれば大抵の塗料は出てきます。

一般的に塗装面積は大きければ多いほど仕事の伸び、進捗が効率的に行くので大面積ほど面積当たりの単価は安く施工できます。
10㎡と1000㎡だと1000㎡の方が㎡単価は安く施工できるという事です。
逆に10㎡でも塗装準備などは変わらないので、経費等が高くなってしまいます。

そこで塗装の設計単価表では、だいたい300㎡以上の塗装面積を基準に積算されています。
設計単価が2000円/㎡で塗装面積が10㎡の場合、2万円で出来るとは限らないという事になります。
また塗装しない部分つまり養生する部分が多かったり、役物が多い場合も設計単価より高くなることがあるので、正確な金額が知りたい場合は、現場調査の上見積書を取るのが良いでしょう。

設計単価を参照する場合は注意が必要になります。

A塗料とB塗料の価格の比率はわかるのでどちらの単価が高いという事はわかります。

色々なメーカーの塗料を比較する場合は、

●樹脂(シリコン・フッソ等)が同じである事 
●水性と油性(溶剤)が同じである事 
●1液型と2液型が同じである事
●下塗り材の性質も同じである事 を注意して比較することが大事です。

水性塗料の制作技術に秀でたメーカー、油性塗料の制作技術に秀でたメーカー、防音や遮熱などが優れている等々メーカーにもカラーがあります。

■塗料の相場が知りたかったら数社から合い見積もりを

数社から合い見積もりを取れば塗料の相場(単価)という物がわかります。
ここで注意が上記●を統一して見積もらないと、かたやフッソでかたやウレタンで積算した見積が出てきても、元々単価が違うので判断材料として使えません。
仕様を統一した見積だったら価格の高い安いは一目瞭然なので、相場より極端に高い価格を提示されたらすぐに判断が付きます。
逆に相場より極端に安い単価の場合は注意が必要です。違った材料や使用期限切れの塗料を使われてはたまりません。

また下地補修や下地調整なども各社独自のカラーが出るので、不明たところがあれば尋ねてみましょう。


防音一番オトナシート
2020年4月27日(月)
防音振動対策

■防音や振動対策には「防音一番」オトナシートを

クーラー室外機の振動、鉄骨階段の歩行音、霧除けトタン屋根の雨だれの音など、低周波系の騒音に悩んでいる方は多いようです。
普段はなんて事ないのですが一度気になるとわずらわしくなるようです。
また常に低周波の環境だと鬱になる等の健康障害もあるようなので是非対策が必要になります。

そんな時には日本特殊塗料の「防音一番」オトナシートが活躍します。
アスファルト系の素材で、自動車の防振・防音で培った技術により開発しました。
接着剤付のシート状で、形状も自由になるのであらゆるものに貼り付けられます。

以下の騒音対策には「防音一番」オトナシート
●小庇の雨だれの音が気になる
●鉄骨階段の踏み音が気になる
●クーラー室外機の振動・騒音が気になる
●流し台シンクの騒音が気になる
●冷蔵庫、洗濯機等の異音が気になる


本体は黒いシートですが、水性の塗料によって塗装も可なので目立たなくすることも出来ます。
また最初から色や柄がプリント避けているものもできました。
自動車好きの若者が車のオーディオに凝ってスピーカーを沢山つけたりしていますが、振動だらけで音が濁ってしまいます。これの防振材として「防音一番」が人気でかなり使われているようです。
パソコンもファンなどの振動から雑音を発生していますが、ケースの側面に貼って音を消す事も出来ます。

私は若いころからのオーディオファンでアンプやスピーカーに凝って収集しています。スピーカーが大きくなると問題なのが「音が混じって濁る」事があります。
スピーカーの後ろの壁面が振動して異音を混じらせたり、家具が音で振動して雑音の元に成ったりします。
そこでスピーカー背面の壁に「防音一番」オトナシートを貼った所、いらない反響音が無くなり良い音になった気がします。
オーディオはスピーカーコードでウン万円とオカルトじみた商品もありますが、「防音一番」オトナシートは価格も安いのでコスパに優れます。

日本特殊塗料は自動車の底に塗ってある黒い防音・防振動の塗装材でシェアNo1のメーカーですので技術は折り紙つきです。

また金属屋根の異音などの大きなものについては、塗料で防音・制振効果のあるものをお勧めします。
さすがに大きな面積や外部の物に「防音一番」オトナシートは使えませんのでモリタ建装に工事をご依頼ください。

プラスターボード
2020年4月16日(木)
塗装する素材について-3

■素材ごとに最適な塗装を選択します

現在では住宅の内壁にはボード類古い建物では塗り壁が使われています。部位や効果によって色々なボードや塗り壁があり、適正に対応する塗料があります。

●ボード類
けい酸カルシウム板(ケイカル板)
セメント、けい砂、石灰、消石灰が主成分になります。 
アルカリ性はほぼ中性です。 
もろく、粉化性で吸い込みが非常に大きいです。 

木毛セメント板
木材を木毛状にしたものにモルタルに付着させ、圧縮して板状にしたもの。 
多孔質で吸音性、断熱性が良く内装用などに使われます。 
含水率、アルカリ性も低いので、中和処理をせず直接塗装出来ます。 

繊維板
アスベスト板ともいわれ、石綿とセメントに水を加え混練したもので、高い耐熱性に優れ、硬く耐水性もあるので建築に多用されてきました。 
近年のアスベストの健康被害の問題から、現在は使用されていません。 

石膏ボード
石膏にのこくずや短繊維を加えて水練りしたものを難燃処理をした厚紙でサンドイッチし、圧縮して平板状にしたもので難燃建築材料として多用されています。 
穴あきボード、テーパーボード、防水ボード、平ボード、ラスボードなどがある。 
ラスボードは内壁のモルタル仕上げの下地材として用いられている。 
穴あきボードは吸音穴に大小の二種類があり、吸音建築材として使用されている。 

●塗り壁類
石膏プラスター
石膏だけを単独で使用することもあるが、炭酸カルシウムや川砂を練り込み、さらに結合材としてすさ(麻の繊維)を加えて塗り壁に使用します。 
炭酸カルシウムを加えた場合。弱アルカリ性を示します。 
石灰を加えた場合は強いアルカリ性を示します。 
塗装はしやすい素材であるが、表面が劣化してくると塗料の付着力が問題になってきます。 

ドロマイトプラスター
酸化カルシウム、酸化マグネシウム、それに天然鉱石を粉砕したものを混練して造られます。 
収縮率が大きく、割れができる欠点がある。アルカリ性を示し、塗装素材としては注意が必要です。 

漆喰
消石灰(水酸化カルシウム)が主成分で、これにふのり、すさ(麻の繊維)、川砂などを加え、混練りして塗り壁材としたもの。 
日本古来から使用されている塗り壁材で、アルカリ性が長期に渡って残り、塗装素材としては厄介です。 
表面は滑らかで、その点では塗装素材としてはよいです。 
    

木材
2020年4月13日(月)
塗装する素材について-2

■素材ごとに最適な塗装を選択します

塗装業者といえども塗装物の特徴や物性など注意点を知らないと、塗装して剥がれたり思いもよらないトラブルに会ったりします。
素材の種類、金属・木材などの知識も必要になります。

現在の建築にはベニヤ合板が多く取り入られていて、柱など単一の木材で作っていたものも、今では合板が使用されることもあります。これは単一の木材よりも合板の方が強度が高い、安価で安定した材料が使えることからです。

■合板の構造
単板(ベニヤ) 三枚の貼り合わせを基本として五枚合わせ、七枚合わせなど奇数枚で構成され、単板の繊維が直行するよう、交互に重ねて貼り合わせてあります。
合板の塗装には経験が必要で、ノウハウがないと思っても見ない不具合が発生します。

JAS規格による分類
1類合板 : 長時間の外気、湿潤状態に耐える合板。
2類合板 : 多少の湿潤状態の露出に耐える合板。
3類合板 : 耐湿性の重要でない部分に用いられる合板。

特殊合板
単板を二枚だけ接着して作ったものや、心板(コア)に単板以外のものを使用した心持特殊合板などがあります。

表面特殊合板
表面に特殊な処理や加工を行った合板。溝付き合板、形押し合板、有孔合板などがあります。

プリント合板
表面に天然材の木目やいろいろな模様を印刷した合板。

オーバーレイ合板
単板オーバーレイ合板 : 表面に美しい化粧単板(突き板)を接着したもの。

プラスチックオーバーレイ合板 : 木目などの模様を印刷した合成樹脂のフィルム、またはプラスチック板を圧着したもの。

繊維板
木材の不足と木材の変形など、加工面の問題から生産されるようになりました。

ファィバーボード
木材をチップ状にしたものを薬品処理した後、接着剤を混入し熱圧したもの。繊維方向が一定でないので変形に強く、建築内装用、車両、家具、電気製品などに使用されています。

パーティクルポード
原料をチップ状にしたものを接着剤を混入し加圧したものでファィバーボードより軟質である。二層、三層、多層ボードとして重ね貼りすることで、いろいろなボード板が作られている。木工製品、ドア、間仕切りなどに使用されています。

■鉄筋コンクリート(RC)

現場打ち鉄筋コンクリートやPCコンクリート板など、コンクリートは他の塗装素材とは違った補修・塗装が必要になります。

■コンクリートの種類

ポルトランドセメントに骨材と水を加えて、よく練ったものを型の中に流し込み、硬化したもの。骨材の種類によって普通コンクリート、軽量コンクリート、重量コンクリートに分けられます


●コンクリートの中性化

コンクリートは強いアルカリ性を示すが、水分が蒸発、乾燥に伴ってアルカリ度が低下します。硬化してから長期間放置すると大気中の炭酸ガスや亜硫酸ガスなどの酸性物によって中和され、アルカリ分が減少します。養生期間約1ヶ月でPH9程度まで弱ります。

プレキャスト鉄筋コンクリート
工場で型に流し込み加圧、養生、乾燥などの一定の管理をして生産され、現場組み立て式建築方法として広く使用されている。骨材を工夫することで、いろいろな柄、模様のものが生産されている。コンクリートよりも含水率が低く、アルカリ性も低く管理されているので、現場塗装がしやすい。吸い込みが大きいので下塗り材の選定に注意が必要です。

モルタル
ポルトランドセメントと骨材の砂に水を加えて練ったもので、アルカリ性もコンクリートより弱いので塗装しやすい。
建築構造物の上塗りとして、コンクリート、木ずりやラス張り、穴あき石膏ボードなどに左官材料として用いられます。
ブロックやレンガの組積みの結合材や上塗りとしても使用されます。
骨材の砂の粒子大きさや量によって、仕上がり表面の凹凸、粗さが決まる。セメントの量が多いと表面は滑らかになるが、乾燥とともに細かな亀裂が入りやすくなります。

ALCパネル
発泡剤を混入して泡立たせて造る発泡軽量コンクリートで、その成分はセメント、けい砂、石灰、発泡剤からできています。
吸水性が大きいので注意を要する。下塗材の選定と塗装方法にも要注意。
アルカリ性をほとんど示しません。表面強度が低く、損傷を受けやすい。

コンクリートブロック
セメント、砂、砂利が主成分。アルカリ性です。表面は粗く、部分的な吸水むらを生じます。 


木材塗装
2020年4月5日(日)
塗装する素材について

■素材ごとに最適な塗装を選択します

塗装業者といえども塗装物の特徴や物性など注意点を知らないと、塗装して剥がれたり思いもよらないトラブルに会ったりします。
素材の種類、金属・木材などの知識も必要になります。


[金属]
金属はその重さ(質量)によってナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)など軽いものは軽金属といわれています。
これに対して質量の重いものは重金属といわれ、鉄(Fe)、銅(Cu)、金(Au)、鉛(Pb)などがあります。

■鉄鋼
鉄鋼は空気中の酸素と化合し、黒色の厚い酸化膜(黒皮又はミルスケールともいう)Fe3O4をつくり、大気中の酸素や水分に徐々に酸化されて錆(Fe3O4)になりやすい性質を持ちます。

■炭素鋼
炭素鋼は錆が発生しやすく、塗装に際してはその前処理が重要です。
リン酸塩皮膜処理を施したものは作業中など短期間の防錆効果を目的としています。

鋳鉄(銑鉄)
砂型に溶融した鉄を流し込んだもの。表面には巣や酸化皮膜で覆われている。凹凸が多く、その表面は粗いのが他の金属との大きな相違点です。
塗装に際してはその辺の前処理が課題になります。

■ステンレス鋼
鉄、ニッケル、クロム、炭素の合金鋼。それらの含有比率によっているいるな種類がある。錆の発生がないので、塗装素材として取り扱われなかったが、最近では装飾的な目的で塗装されることが増えてきた。よく研磨して(目粗し)から塗装することが必要。


[木材]
塗装素地としての木材は、木目や年輪の形、色調、肌が全く同じものはない。それぞれ特有のもので、その美しさは塗装することでより美しさをまします。


木材の特徴

・塗装することで耐久性が増し、木目を浮き立たせたり、電気絶縁性を持つなどの特徴があります。 
・春材(春から夏の成長期に、比較的大きな細胞でできた部分)と秋材(夏から秋に成長した比較的細かい細胞でできた部分)によってできた年輪が切り口に現れます。 
・年輪の模様は切り口の方向によって板目と柾目(まさめ)に分かれるます。 
・樹皮に近い部分は材質が柔らかく、水分が多い。心に近い部分は硬く、用材に適しており心材といわれ、赤みを帯びています。 

■広葉樹
植林は針葉樹中心であり、乱伐によって生産量は極端に少なくなっています。 
なら、けやき、さくら、かば、しおじ、かつら、ほうなどがあります。 
材質は硬く比重も大きいのが特徴。 強度は強い。 
家具、建築用材、什器、工芸品など広く使用されています。 

■針葉樹
生産量も多く、植樹といえば杉、檜、ひばが主流です。 
檜、杉、松、さわら、ひばなどがあります。 
材質は柔らかく、導管がなく木目はきわめて小さい。 
塗装では木目や木肌が美しいことから、透明塗料で仕上げられることが多い。 
主に建築用材として広く使用されている。 

ブリージング
2020年3月30日(月)
サイディング住宅の塗り替え工事-2

シーリングはノンブリードタイプの低モジュラスを使用しましょう

前回もお話ししましたが、サイディング住宅の塗り替えで一番重要な工事はシーリング工事です。

サイディング板自体からは漏水は無いのでサイディング目地・窓回り目地をしっかりシーリングしておけば外壁からの漏水はありません。

■ブリージング汚染
塗り替えした建物で目地の部分が黒っぽくなっているものがあります。あれはブリージング現象と言ってシーリングに含まれる可塑剤が塗装の上まで漏れ出して、汚れを吸い寄せて汚染しているからです。

可塑剤はシーリングを柔軟にするためのものですが、シーリングの上に塗装してもその塗装膜を突き抜けて表面に漏れ出て、糊のような効果でホコリなどを吸い寄せます。

サイディング住宅を塗り替えても数年後に目地が全て黒っぽく汚染してしまったら目もあてられません。
シーリングはノンブリードタイプのものを使いましょう。このタイプの物はブリージングしません。

■モジュラス
何故サイディングには目地があるのかというと、大きな一枚壁だと構造体の揺れなどによって生じる亀裂が、サイディング板面のドコに入るかわからず、亀裂だらけの壁になるからです。
そこで一定の間隔で目地をいれ、そこに亀裂を誘発させてコントロールしています。

公共の建物などは鉄筋コンクリート造のものが多いですが、これの外壁にも亀裂誘発目地があります。

モジュラスとはシーリングの弾性力強度の事で、柔らかい輪ゴムと自転車のチューブの用に伸び易さ違いです。

柔らかいシーリングと硬いシーリングを低モジュラス・高モジュラスと表しています。

先ほど話した鉄筋コンクリート造の建物には高モジュラスのものが使われます。

ところがサイディング住宅の目地に高モジュラスを使うと、亀裂を誘発すべき目地のシーリングが硬いので、サイディング板自体が割れてしまいます。
サイディング住宅で目地には亀裂は無いのにその付近の板自体に亀裂がある物は、高モジュラスシーリングを使った懸念があります。

ですので一般住宅のサイディングのシーリングには低モジュラスタイプを使わなくてはなりません。

モリタ建装は全て低モジュラスのノンブリードのシーリングを使用しています。


シーリング劣化
2020年3月26日(木)
サイディング住宅の塗り替え工事

■サイディング目地に青いものが見えたら大注意です

先日より川口市内でH様邸サイディング壁住宅の塗り替え工事が始まりました。
築13年でサイディング板自体はそんなに劣化していませんが、サイディング目地に青い物が見えるとのお話から工事になりました。
この青いものはサイディング板の間に設置されたジョイナーと言う物で、目地シーリング無くなると見えてきます。
青いジョイナーが見えたらシーリングの防水効果が無くなり、サイディング板の裏に雨水が回り込みサイディング板自体を変形させます。
またこの雨水は鉄骨や木製の構造物を錆や腐らせますので、早急にシーリング工事のやり直しが必須です。

■シーリングは撤去して打ち替える
シーリング工事で注意が必要なのが、サイディング板間シーリングは撤去して打ち替えるという事です。
シーリングメーカーの説明によるとシーリングは厚さ5mm以上は確保しないと耐久性が極端に短くなるとの事です。
劣悪な業者になるとシーリングを撤去しないままその上からシーリングするところもありますが、これだと厚みが1-2mmしかならずに数年で再度亀裂が入るので意味がありませんのでご注意を。
シーリングを撤去すると1cm×1cmの旧シーリングが数十m廃棄物として出るので、これをご確認ください。

塗り替え工事で使われるシーリングには2種類あって[ポリウレタンシーリング]と[変成シリコンシーリング]になります。

■[ポリウレタンシーリング]
ポリウレタンシーリングは弾性力・接着力・耐久性がありますが、紫外線に弱い為上から塗装して守る必要があります。
シーリング後に塗装をするならポリウレタンシーリングです。

■[変成シリコンシーリング]
変成シリコンシーリングは弾性力・接着力・耐久性がありその上紫外線にも強いので、タイル目地などのように上から塗装しない場所に打ちます。上に塗装も出来るので万能型と言えます。
それならば何故全ての部位に[変成シリコンシーリング]を使わないかというと、単価が高いことと塗装との接着にはポリウレタンのほうが優れているからです。
変成シリコンシーリングは多色あるので、イメージに合ったカラーを選ぶことが出来ます。
豆知識で変性と書いている業者もいますが、変成が正しいです。化学の先生に聞きました。

住宅のシーリングの打ち替え工事には全面足場が必要になります。
この機会に屋根コロニアルと壁サイディングの塗装も依頼されました。
たとえば全面足場を掛けシーリング工事だけでも50万円近くかかります。屋根壁の塗装をいれても100万円弱なので全面的な塗り替えになりました。

サイディングには石調・タイル調・木目調などの高級感ある柄のものがあり、それを塗装で単一色にすると高級感や質感が無くなってしまうので紫外線カットクリヤ(透明)で仕上る場合があります。

今回のH様邸は柄の無い単一色のサイディング板なのでシルビアNADシリコンによる塗り替えになりました。
壁がピカピカになるのは嫌との事で3分艶仕上げとしました。
一般的に艶有が100%として艶を30%におさえたマットでしっとりした仕上げになります。


水性シリコン塗料
2020年3月23日(月)
塗料の基礎知識-2

DIYでの塗装時の注意点と水性塗料なら架橋型を

塗料は購入してそのまま使用できず、溶剤やうすめ液(水を含む)などで希釈してから使用することが多いです。またエナメル(不透明塗料)は顔料が沈殿している場合が多いので使用前に、よく撹拌してから使用することが必要です。
特にDIYで使用するためホームセンター、家庭用品店、金物店などで購入した場合、在庫期間が長く顔料とがビヒクル分離していることが多いので注意が必要になります。

ビヒクルとは?
塗料の構成要素のうち、主要素(天然樹脂、合成樹脂など)と副要素(塗装作業性や塗膜性能を向上させるための添加剤)を溶剤に溶かしたもの。顔料を含まない物。

◎溶剤系塗料の場合
■調合のポイント
・貯蔵期間が長いものは顔料が沈殿している可能性が大きいので、缶を逆さまにして良く揺するように振ってから開を開ける。 
・缶の底まで届く長い棒などで、底から上にすくい上げるようにして撹拌する。 
・錆止め塗料、アルミペイントなど顔料の重いものは、沈殿していることが多いので念入りに撹拌し顔料の分散を均一にしてから使用することが重要。 

■希釈のポイント
・その塗料専用のシンナーを使用すること。
不適当なシンナーを使用すると塗料とシンナーが溶け合わない。見かけは希釈されたようでも、塗膜生成過程で分離が起きる。完全乾燥が妨げられる。などの障害を起こす原因になる。 
・一般的に油性系の塗料は塗料用シンナー、ラッカー系はラッカーシンナー、酒精系はアルコールで希釈する。 
・合成樹脂塗料系は専用シンナーを使用する。 
・使用する分だけ、分けて採り、希釈すること。 

◎二液性塗料の場合
■調合のポイント
・基材(主剤)と硬化剤(促進剤)の混合比率を正確に調合すること。(二液性塗料では最も重要!) 
・混合比率を間違えると、乾燥不良、塗膜の欠陥が出るので注意。 
・使用量を間違えると一方の成分が足りなくなり塗料のロスが出る。 
■二液性塗料の使用注意点
・均一に撹拌する。パテなど高粘度のものは、特に均一になるよう練り合わせることが必要。 
・可使時間と使用量を考慮し、一度に必要以上に調合しないこと。特に可使時間の短いものは作業速度を考えて調合する。 
・撹拌に使用したヘラや棒をうっかり使用しない基材に入れない。 
・成分によっては高温、湿気を嫌うものもあるので密閉し、冷暗所に保管する

◎エマルジョン(水性塗料)
乳濁液。互いに混じり合わない液体が界面活性剤の働きで、一方が他の液体中に微粒子状で分散しているもの。

エマルジョンは水性系の塗料につかわれています。以前は水性塗料は溶剤系に比べて作られる塗膜が弱かったのですが、近年は以下に話す架橋型の登場以来、強い塗膜を形成できるようになりました。

◎エマルジョン塗料の硬化メカニズム

■融着融合による塗膜硬化
塗料分子が水中に浮かんでいたものが自然乾燥により塗膜を形成するタイプ。以前の水性塗料はほとんどこの形でした。

■架橋による塗膜硬化
水性塗料の中に反応基を持つ分子と反応剤分子があり、化学的架橋反応により塗膜を形成するタイプ。融着結合より強い結合になり強固な塗装膜ができます。


2020年3月19日(木)
塗料の基礎知識-2

うすめ液・水性塗料の説明

■塗料とうすめ液
塗料の溶剤は液体にして塗れるようにするためのもの。うすめ液は塗装するときに塗料を薄めて、塗りやすい粘度に調整するためのもので、溶剤とうすめ液は基本的には同じです。

うすめ液は、塗料が濃すぎて塗りにくいときに薄めたり、塗装用具を洗うときまた塗料がこぼれたり手や衣服についたときに落とすのに使います。水性塗料には水を、溶剤塗料にはペイントうすめ液を、ラッカー系塗料にはラッカーうすめ液を使いましょう。塗料容器には、適したうすめ液が表示されているので、間違えないこと。なおペイントうすめ液は揮発性の有機溶剤で、ラッカーうすめ液はペイントうすめ液よりも揮発性が強く、溶解力も強い混合有機溶剤です。

またシンナーという言葉をよく聞きますが、シンナーは英語でTHINNER、つまりうすめるものという意味で、シンナーとうすめ液とは同じものです。したがってペイントうすめ液のことを塗料用シンナー、ラッカーうすめ液のことをラッカーシンナーと呼ぶこともあります。ひとくちにシンナーといっても2種類あるので、注意してください。

水性塗料は基本的には薄めないで塗るが、塗りにくいときには水で薄める。
手についたときや、塗装用具を洗うときなどは、付着後すぐであれば水で洗える。

乾燥時間がたち造膜すると水では洗えなくなる。
この場合はシンナーを使って洗浄する。

■水性塗料は水に濡れても大丈夫? 

近年は臭いや環境影響や防火の考えから一般住宅の塗り替えには水性塗料を使うことが多くなってきました。

水性塗料は手などについたら水で落とせるというと、水に濡れるところに塗っても大丈夫かしらと考えてしまう人もいると思います。もちろん水のかかるところに水性塗料を塗っても大丈夫。浴室用塗料や屋外に塗る塗料も、みんな水性のものがあります。

塗料は、樹脂と顔料と溶剤からなっています。この溶剤は、弱溶剤塗料はペイントうすめ液で、水性塗料は水です。塗料を塗って乾くということは、溶剤が揮発したり、蒸発することで、乾いたときに残るのが油性塗料、水性塗料ともに塗膜(樹脂と顔料)ということになります。弱溶剤塗料も水性塗料も乾いてしまえば塗膜が残り、性能は基本的にはほとんどかわりません。

したがって、水性塗料は乾く前の状態のときに水がかかると塗料が流れてしまいますが、いったん乾いてしまうと水がかかっても大丈夫なので、安心して使ってください。

水性塗料も油性塗料も塗ると溶剤(水、ペイントうすめ液)が蒸発し揮発します。
完全に乾いて水、溶剤がなくなると樹脂と顔料が残り、その粒子がたがいにくっつき合ってフィルム状になると、水性も油性も同じで、もう水に溶けません。

2020年3月16日(月)
塗料の基礎知識-1

■住宅塗装の目的は「守る事」「綺麗にする事」

塗料を塗る目的は、大きく分けて2つあります。一つは「塗装するものを守る」ということ。塗料は部材の表面に塗ることによって、丈夫な塗膜をつくり部材を保護します。屋外ならば雨や風、太陽光線などから守るなどの耐候性を持ち、また鉄をサビから守り木は腐るのを防ぐ、プロックやコンクリートは風化するのを防ぎ、あるいはカビ止め、防虫防腐などの効果を持つものもあります。

もう一つは「綺麗ににすること」。古い塗膜がはがれているところを塗りなおして綺麗にする。汚れたところに塗ってきれいにするなど、塗装して美しく仕上げることができます。それに加えて、色を塗ることによってイメージを変える、色の組み合わせを考えるなどの、カラーコーディネートを楽しむことができるのも塗装の魅力です。
また苔や藻類が繁殖すると根が壁面をつらぬいて塗膜を痛めたり、衛生的にも問題があるので塗装する事によって防ぎます。

■塗料は何で出来ているか?

塗料は「塗膜になる成分」と「塗膜にならない成分」から出来ています。

塗膜になる主成分は樹脂で、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂などの合成樹脂が使われています。
塗膜になる成分のもうひとつは、色を出す顔料で、塗膜に厚みをもたせる役目もしています。
そのほか、顔料の沈澱防止剤、色分かれ防止剤、防腐剤、防カビ剤など、それぞれの塗料に必要に応じて添加剤が入っています。

塗膜にならない成分は溶剤で塗料を液体にして塗り易くし、塗膜が乾くと揮発や蒸発してなくなってしまいます。溶剤系ならシンナー、水性系なら水がこれにあたります。

■水性塗料と油性塗料とラッカー系塗料

ひと昔前までは、塗料というと油性塗料というイメージがありました。ところが今ホームセンターなどの塗料売場に行くと、ほとんどが水性塗料で、油性塗料は数えるくらいしかありません。なぜ水性塗料が増えてきたかというと、ひと言でいえば使いやすいからです。

油性塗料はまず強いシンナー臭(有機溶剤の臭い)がするので、家の中で塗ると、いつまでも臭いに悩まされます。油性塗料をうすめるにはペイントうすめ液を使いますが、うすめるだけでなく手についたときもうすめ液でなければ取れませんし、使った塗装用具を洗うのも基本的にはうすめ液を使うので不経済です。またほとんどの油性塗料は、乾燥に何時間もかかります。

水性塗料はベースが水なので臭いがきつくありません。といっても以前の水性塗料は、水性独特の臭いがありましたが、最近の水性塗料は技術革新によって無臭と表示されている塗料が出現し、ほとんど臭いがなくなっています。
またうすめ液が水なので、手についても水で洗えば取れ、塗装用具も水でジャーと楽に洗うことができますし、乾燥時問は30分から1時問ぐらいと、油性塗料よりも速いのも使いやすいところです。
 
ラッカー系塗科は乾燥時間が5~10分と極端に速いのが特徴です。ラッカー系はスプレー塗料が主で、ラッカーうすめ液はうすめるためには使いませんが、手などについたときに拭き取るときに必要です。ただしクリヤーラッカー、ラックニス、速乾ニス、などの場合には、うすめるためにも使います。

シンナーを使う油性塗料は溶剤系で、強溶剤と弱溶剤に別れていますが、危険性や臭いの少ない弱溶剤が主流になって来ています。弱溶剤系の塗料は「塗料用」シンナーを使いターペン可溶型とも言われています。
現在住宅に使う物はこの弱溶剤系か水系がほとんどです。

艶有・艶消し
2020年3月12日(木)
マットなつや消し仕上げをお勧めします-2

艶けし仕上げなら艶消しに設計された塗料を!

先日艶消し仕上げの記事を書いたら、数件の質問メールが来ましたのでお答えします。

普通 屋根や外壁を塗り替えるとピカピカの艶あり仕上げになります。
ただ建物の形状にはピカピカに光ると安っぽく見えたり、いかにも塗り替えましたと言う仕上がりなので嫌う方もいます。
また現在ジョリパッド・ベルアート壁の場合は艶けしによって高級感や質感を表しているのでピカピカになると雰囲気がガラりと変わってしまいます。

また新築住宅のコロニアル屋根を見てもピカピカの物はありません。大抵の新規コロニアルは半艶程度です。


緻密で平滑な塗装面だと艶がでます。汚れも付きづらく塗料としては艶ありが理想と言えます。
艶消し仕上げは塗装表面に微細な凹凸を作り、反射光を乱反射させる事によって艶けしとしているのでその凹みに汚れが付着しやすく、汚れやすい形状をしています。艶けし塗装は大変汚れやすい塗装と言えます。

1.艶消し仕上げの塗料の場合最初からつや消しとして設計され、つや有が無い場合。
2.艶あり塗料にフラットベース(艶落とし材)等で無理に艶を落とすもの。

があります。

艶あり塗料にこのフラットベースを添加すると艶が落ち、艶けしし仕上げになります。
しかしこのフラットベースは添加限界量が決まっていてあまり多く入れないよう注意書きがあります。
という事は塗料の質を落として艶けしにしているので、私が良く言う無理して艶けしにしている艶けし塗料になります。

艶ありの表面を無理して細かい凹凸を付けているので艶ありと比較して汚染しやすく、その上耐久性も落ちています。

■艶けし外壁には[ビーズコートSi]しかない!

弊社が外壁に使用している[ビーズコートSi]は最初から艶けし塗料として設計されています。
蓮の葉はピカピカ艶が無いのに水が玉になって弾かれます。
これに着想を得て超撥水なのに艶けしという表面形状に設計しているため、汚染に強い艶けし塗料を実現しています。

弊社で5年前にやったビーズコートSi現場は、外壁がまったく汚れていません。雨だれ汚れや変色もありません。
これは塗装屋としては驚くべき性能で、以前なら艶けし塗装は汚れやすいという常識が吹き飛びました。

ビーズコートには無印からフッソまで色々な樹脂バージョンがありますが、コスパから見て弊社ではシリコン(Si)を選定しています。

■艶けしコロニアル塗装には[快適サーモWSi]を

屋根コロニアルの艶消し塗料としては水谷ペイント(株)の[快適サーモWSi]を選択しています。
やはり耐候性からは艶あり塗装の方が有利なので、コロニアル屋根用塗料は艶ありがほとんどです。

しかし塗り替えてから屋根がピカピカな事に違和感を感じるお客様もいます。
屋根を艶けしで仕上げたい場合は水谷ペイント(株)の[快適サーモWSi]をお勧めします。

水谷ペイント㈱は一般の方にはあまり聞きなれないメーカーですが、プロの中では水性塗料は水谷と言われるほどほどです。

艶けし塗料は水系の方が製造しやすいので水性塗料を。水性塗料は対候性に問題があるので水性に強い水谷ペイント製品を選んでいます。

ピカピカに光る塗り替えが嫌なハイセンスなお客様にお勧めします。


2020年3月9日(月)
マットなつや消し仕上げをお勧めします

ジョリパッド・ベルアート外壁には艶消し塗料の塗り替えをお勧めします。

先日よりジョリパッドの外壁の住宅の工事が始まりました。
ジョリパッドやベルアートはメーカーが違いますが同じようなものです。以下ジョリパッドで統一します。
南欧風の扇型や串目など凹凸の多い模様を得意とする仕上げ材です。

サイディング壁に飽きた方には人気も高く、艶消しで重厚感のある良い仕上げ材です。

欠点は凹凸の多い模様と艶消し材の宿命で汚染に対して非常に弱いです。
またモルタル壁なので亀裂も入ります。

艶消し塗料は表面に微細な凹凸があり、光が乱反射するので艶消しになります。
その微細な凹凸に汚染が絡み付きやすい上に模様自体凹凸の大きい物なので汚れやすい仕上げ材になってしまいます。

今回着工したお宅も窓下やベランダ手摺笠木の下が雨染み汚れが目立ちます。
また窓などの四方に亀裂が入っています。

ジョリパッドには専用の塗り替え材ジョリパッドフレッシュと言う物があり、以前に使った事がありますがこれが大変塗りづらい製品でした。新築時に使うジョンパッドを薄めたような製品で、コテ塗りや吹付塗装なら綺麗に仕上がるのでしょうが、ローラーや刷毛では大変塗りづらいものでした。

また新築時と同じジョリパッドなので汚染には相変わらず弱く、塗り替えで機能・性能アップにはならない製品です。モリタ建装の考えでは、塗り替えには機能・性能アップを求めています。
塗り替えても同じようなことになると何の為に改修したか判らなくなりますものね。

かといって汚染に強い艶有り塗料で仕上げると、いたるところがピカピカてかってしまい、独特の重厚感や質感が無くなり安っぽくなる傾向があります。
せっかく高いお金を出して新築時にジョリパッドを選んだのですから、その当時の質感は大事にしたいものです。

このため色々と汚染に強い艶消し塗料を探していました。
そして見つけたのがスズカファインというメーカーのビーズコートSiという塗料でした。

蓮の葉は池に浮かぶ大柄なものですが、表面に無数の突起がありそれが水を弾いて汚染に強いそうです。
このことに着想を得てナノテクノロジーを駆使し汚染に強い艶消し塗料という、ある意味矛盾した商品を完成させました。
3-4年前からこの製品を使っていますが、驚くことにほとんど汚れません。

外壁ジョリパッドのお宅にはほとんどビーズコートSiをお勧めして使用していますが、皆さん質感は変わらないのに汚れが付かなく驚いたと言われます。

素敵なジョリパッドなどの艶消しの外壁にはビーズコートSiをお勧めします。

錆止め下塗り
2020年3月5日(木)
鉄部の錆止め塗装

鉄部錆止めは弱溶剤2液型ハイボンファインプライマーⅡを

鉄の塗装には先日説明したRB種ケレンののち、錆止め材を塗装しなくてはいけません。
錆止め材に期待する役割は、気密性・密着性が一番求められます。

錆とは鉄の酸化現象なので、鉄と酸素を結びつけない気密性があれば錆は起こりません。
また錆止め塗料は一般的に耐候性が低いので、耐候性の高い上塗塗料が必須なので密着性のあるものがもとめられます。

錆止め剤の種類
■鉛丹錆び止め
鉛は錆びないのでその特徴を生かした鉛系の塗料ですが、乾燥が極端に遅く密着性にも問題があるため近年は使われません。

■油性錆止め
膜厚があるため気密性は高いですが乾燥時間がかかり作業性が悪い為近年は使われません。

■合成樹脂錆止め
乾燥が早く作業性も良く、近年でも使われますが防錆力はややおとります。

■エポキシ系錆止め
1液性と2液性があり、エポキシ特有の密着性と気密性に優れ乾燥も早い為、現在の塗り替え工事ではこれが主流です。弱溶剤2液性が一番良いものになります。

木部や樹脂などは錆びませんが、密封性と密着性の良さからエポキシ系錆止め剤を下塗りとして使っています。

以前ですと錆止め塗料は赤サビ色が主流でしたが、現在は仕上げ色によってホワイトやグレーなど数種類あり適宜使い分けています。

施工の注意としては、少しでも塗り残しがあると密封性が損なわれ錆が発生するので、錆止め下塗りとは言え塗膜厚のある綺麗な塗装が求められます。錆止め塗装の段階でカスレや塗り残しがあると意味が無いので注意が必要です。

またエポキシは紫外線に弱いので耐候性の高いシリコン塗料などの上塗材が必要です。その場合は上塗塗料の密着度など相性も問題になるのでノウハウと経験が必要になります。

これらの事からモリタ建装では錆止め塗料には日本ペイント(株)のハイボンファインプライマーⅡを使用しています。これはエポキシ系弱溶剤2液型錆止め塗料になります。

ただし室内に使ったり臭いの問題などがある場合には水性系のさび止め材も販売されています。
耐久性は少し劣ります。

2020年3月2日(月)
鉄製品の錆

鉄部のケレンはRB種ケレン

鉄は強度も高く加工がしやすく安価な為、昔から建築には良く使われてきました。
しかし、1点錆び易いという致命的な欠点があり近頃の建物には使われなくなりました。

逆に言うとこの錆さえなんとかなれば鉄製品は大変優秀な建物部材です。

錆びた鉄を塗装するには錆を全て除去しなければなりません。錆が残っているとまたすぐに錆びてしまうし、新たな塗装膜も簡単に剥がれてしまいます。

理想を言えば錆や旧塗装膜を完全に撤去して再塗装が良いのですが、工事金額が高額になってしまうので全てを撤去する事はあまりありません。

日曜大工で自宅の鉄柵を塗装される方もいますが、大抵数年で塗料がボロボロにはがれてしまいます。
これは鉄の下地調整であるケレン作業に問題があり、プロとの差はケレンが大きいです。

■ケレン
鉄部の錆を落とす作業をケレンと言います。錆だけでなく剥がれる旧塗膜の除去も含まれます。
先ほど話したように旧塗装膜を全て除去すると高額になってしまうので、一戸建ての塗り替え工事のケレン作業は活膜(しっかり付着している塗装膜)は残します。

ケレンとは手作業のケレン器具・紙やすりなどをから電動工具を使ったり、サンドブラスター等の専用機械を使ったり多種にわたります。

一般住宅では手作業のケレンが多いですが、モリタ建装は電動工具を使って入念にケレンします。

公共工事のケレンでは以下のように区分を設けています。

RA種ケレン
電動工具やを使い全ての錆と旧塗膜を除去する

RB種ケレン
電動工具を使いケレンし全ての錆は除去し活膜は残す

RC種ケレン
手作業のケレンでサンドペーパーやワイヤーブラシなど手工具にて錆を除去する

■ケレンの要らない錆止め材

鉄の錆は赤サビと言って赤茶ですが、黒サビと言い真っ黒になる錆があります。黒錆はそれ以上錆が進行しないので鉄を黒錆で覆えば腐食しなくなります。
このような化学反応を錆止め剤で起こして赤サビを黒サビに変化させる錆止め剤もあります。

道具が入らなかったりどうしてもケレンの出来ない部手の錆にはこれを使い今以上錆の進行を止めるのも良メンテナンスです。これは現在錆びている上からそのまま塗れるので一般の方にも使い安い商品です。


2020年2月27日(木)
■木部の塗装にはご注意を

木目塗装早め早めの塗り替えを

近年は減りましたが住宅建築で設備器具が木材で出来ているものは大変多くありました。
屋根のすぐ下の破風板\ベランダ手摺・窓木枠・木製雨戸・玄関扉と多くの木製品が使われています。

ただ木材の塗装は大変難しく何を塗装しても10年持つものはあまり無く、結果木材が腐ってしまうため次第に使われなくなりました。

新築の時は木材を多用した住宅は風情もあり格好良いのですが、10年ぶりに見てみると木部は全て腐って見る影もない建物を良く見ます。

今では見た目は木製でもアルミ製品に木目シートを貼ったものやプラスチック樹脂製で木に似せてできた製品が多く見られます。これらは木製品より高価ですが、いかに外部に木製品を使うのが難しいか判りますね。

■着色塗装

破風板や窓木枠など塗装は剥離しているが木部はまだしっかりしているものは着色塗装します。
以前は木部の下塗りは水性の薄い塗膜の物を使用していましたが、モリタ建装では2液エポキシ系の下塗り材を使います。しっかり接着させ強固な膜を作り木材を外気から密封します。

木材は呼吸しているで塗装は剥かないと聞きますが製品になった木が呼吸するはずもなく、要は気温や湿度によって伸縮するので塗装膜が追従できなくなり剥離します。
そこで硬い膜を作る2液エポキシ下塗りで封じ込めてしまうわけです。

その上からシリコン塗装しますと10年以上は持っています。

■木目塗装

木製品の良さはひとえに木目にありますね。オイルステインクリヤは木目を生かすように、木を茶系の染色剤で染め上げ透明のウレタンクリヤ膜で保護する塗装です。

玄関扉や居間の床板などに良く用いられますが、むかしのウレタンクリヤは耐久性が無く特に紫外線に弱いので、紫外線の良く当たる玄関下部や窓際の床板などはすぐに劣化し汚くなってしまいます。

劣化した部分を良く見るとクリヤが剥がれ落ちそこに汚れが染みついてしまいます。

この木目を生かした塗装をするには、汚染を全て取り除かなければなりません。これが大変難しく一度ついた汚染は中々とれないためクリヤ塗装が困難になります。
強く汚れがついた木部には着色塗装をお勧めします。

木目を生かした塗装をする場合は、木部に汚染がしみこむ前に塗り替えをしなくてはなりません。

■自然塗料・最新塗料

オスモやキシラデコールは着色と防腐効果のある染色剤です。一般の方でも気軽に塗れる商品ですが、耐久性がありません。数年ごとに塗り続ければ気も長持ちしますが、そのたびに業者に頼んだら高額になってしまうのでDIYでオーナー様が塗るのであれば良い商品です。

その中でも日本特殊塗料の「ニューシールステイン」は木目仕上げの耐久性の高い塗料です。
外装に木製品がありどうしても木目にこだわりたい方にはお勧めの商品です。


京都の清水寺の舞台の構造物を見ると、外につきでた50cm程度の梁にまで銅板の屋根が付いています。昔の人は木に雨を当ててはいけないと知っていたのですね。古い木造建築をみると木と雨との戦いのあとが見受けられます。

2020年2月24日(月)
■塗床塗装にはユータックRを

一戸建て住宅ではあまりないですが、アパートやマンションだと廊下の床を塗装しているものがあります。また工場の床も防塵や衛生面から綺麗に塗装しています。

新築のマンションなどですと廊下とベランダ床にエンビシートのタキロンが貼ってある物件が多いようです。弊社もタキロンは良く工事しますが、エンビ製で柄の模様が付きノンスリップでもあるため高級感があり耐摩耗性も高く優れた商品です。

しかしタキロンは工事価格が高いので、戸数の少ないアパートやマンションですと中々使えません。
そこでソコソコ防水性能もあり見栄えを良くしたいとの事で防塵塗装いわゆる塗床塗装が使われます。

廊下の塗床塗装で一番の問題が耐摩耗性です。歩行者が廊下を歩くことによって床の塗装には大きな負荷がかかり続けるので、塗膜が剥離したり摩耗で薄くなりがちです。

質の悪い塗床塗装している物件も見ますが、剥がれて汚い上に剥けたところが汚染が進む・漏水が進むので塗らない方がましの物もあります。

ただ廊下床がなにも塗らないコンクリのままですと、汚染はヒドイし衛生面にも問題があり漏水により下階に水漏れしたり、鉄骨の廊下・階段ですと下の階の鉄骨が錆びてしまいます。

そこで小規模のアパート・マンションの廊下・階段の床はやはりなんらかの塗床塗装したいという要望があります。

弊社も以前には塗床塗装しても数年で剥がれるなどトラブルが多かったので敬遠していましたが、15年程前に日本特殊塗料のユータックRという塗り床材をメーカーから推奨され使っています。
この商品はすこぶる優秀でまず塗っても剥離しませんし、耐摩耗性も高くスリ減りがほとんどありません。
一番良いのが工事価格が安いことです。タキロンの1/5程度で施工できますので賃料物件でも使う事が出来ます。
このユータックRと隅々のシーリーングをキチンとやれば防水効果も期待できます。完全な防水材でないので絶対漏らないとは言えませんが実用上は充分です。

日本特所塗料は塗り床材に秀でたメーカーで工場の床などで使うエポキシ系や駐車場床に使える高硬度系や超速乾性のオリゴマー系など優秀でシェアの高い商品が揃っています。

機会があれば商品も当ブログで紹介していきます。


2020年2月20日(木)
■サイディング壁のシーリング

■シーリングの打ち替え工事

最近はサイディング壁の住宅が多くなり、体感では8割がたの新築住宅がサイディング壁な感じです。
新築でサイディングを選ぶと塗り替えが必要ないと思っているお客様も多いです。

しかし、サイディング板の劣化はあまり目立たなくとも、サイディングの板と板の間や窓回りのシーリングが劣化しますので打ち直しが必要になります。
シーリングの打ち直しには全面足場が必要なので、この際なので壁も塗り替えたいとの要望が多いです。
サイディングのシーリングが劣化すると、弾性力が無くなり亀裂が入ってきます。このまま放置し怖いのが、サイデング板の裏に水が浸水してしまう事です。
サイディングの裏が浸水すると温度変化によりサイディング板が反ったり波打ったりしてきます。

こうなると見かけも悪いですし建物の防水機能も著しく劣るので、サイディング板の貼り替えが必要になり大きな工事金額が掛かってしまいます。

サイディング住宅の改修で一番大事なのが、シーリングの打ち替え工事になります。


■サイディングの塗り替え工事

単色のサイディングでしたら着色塗装すれば綺麗になりますが、石調・タイル調・木目調のサイディングですと単色に塗ってしまうと印象が大きく変わり安っぽくなりがちなのでクリヤ塗装する事もあります。

サイディングの劣化は太陽の紫外線によるものが多いので、現状より劣化しないようにUVカットクリヤ(透明)で守ってやる工事をすれば現状の模様・質感のまま仕上がるので、高級感のある模様・質感のサイディングにはお勧めです。

サイディング板自体がチョーキングして粉を葺いた状態の場合は、クリア仕上げは出来ないため着色仕上げになります。

■内部断裂するサイディング
1990年代にアスベストの健康被害から使用を禁じる法律が出来ました。当時のサイディングや屋根コロニアルには断熱性と接着効果からアスベストが使用されていましたが、この法律によって使用が出来なくなりました。

アスベストは断熱性と接着性の富んでいて安価なため多くの建築資材に使われていました。
しかし健康被害があるアスベストの使用は禁止になりましたが、急に代替えの素材が見つからなかった時期に製品化されたサイディングや屋根コロニアル商品に劣悪な物が生まれた次第です。

このころ作られた製品はサイディング板自体の接着力がないため内部破断してしまいます。現状でサイディングが少し欠けた状態で治しても同じところがまた欠けてきます。

これらは塗り替えできない商品で、改修にはサイディングの張り替え工事が必要になります。

2000年以降に建てられたサイディング住宅では良い商品になったので問題はありません。


2020年2月17日(月)
■外壁の剥けた建物

古い建物で外壁の旧塗装が剥けた物があります。
見た目も悪いですし、剥離箇所が紫外線によって劣化が進んでしまいます。
剥けた外壁を手で引っ張るとドコまでも剥けてしまいます。
剥がれた外壁材が近隣に飛散してトラブルになる事もありますし、壁が剥けたら至急補修する事が必要です。


主な原因は●下地処理が適正でなかった●下塗り材の選定ミス●そもそも下塗りをしていない
等々考えられますが、リシンという砂壁状の外壁材で良く見られます。

築20年以上前のリシン壁の建物ではプラスターリシンと言う脆弱な壁があり、これは爪等で押すと簡単に潰れてしまいスカスカな壁塗装です。

スカスカの上にどんな高価な塗装をしてもプラスターリシン層が剥けてしまうので、下地の強化をしてからの塗り替えが必要です。

サイディングでも表面が爪で凹むものがあり、これも下地の強化が必要です。
このような場合は浸透性プライマーを使います。

■浸透性プライマー
浸透性プライマーは字の如く下地に吸収され同時に下地の強化を期待できる下塗り材です。
高浸透性成分により下地の奥深く入り下地を強固なものにします。
カチオンというイオン結合で接着力は抜群のものがありますが、厚みはなく下地の凹凸を無くすことには向きません。
ですから亀裂の多いモルタル壁には亀裂の埋まる微弾性フィラーを使います。

浸透性プライマーによって下地を強化したのちに塗り替えをすれば新外壁塗装が剥けてくることはありません。

通常のプライマーでは微細な穴まで浸透できずに表面だけに膜を作るため、下地の強化にはつながりません。

■サイディングにも浸透性プライマー
モリタ建装ではサイディング壁の塗り替えにも浸透性プライマーを使っています。
サイディング壁で求められる下塗り材の性能は1にも2にも接着力です。サイディング自体に亀裂が入る事はあまりないので、微弾性フィラーのような厚みのあるものは必要ないですし、蓄熱による水蒸気によって微弾性フィラーが膨らむトラブルので使用しません。

またサイディング板は微妙な凹凸の模様がはいっているので、下地の模様を生かすためにも薄い下塗り材を使用しています。

2020年2月13日(木)
艶消し塗料による塗り替え

近年モルタル壁のジョリパット・ベルアート(同等品でメーカーが異なります・以下ジョリパットで統一します)仕上げが多くなりました。コテを使って扇状や串目をだしたり、吹付もでき艶消しで重厚感ある外壁塗装材です。

■ジョリパット仕上げの問題点

凹凸の激しい質感と艶消しという汚染しやすい材料で、どちらのお宅も10年もたつと雨水汚れや排気ガスなどによる汚染が見られます。
またモルタル壁の性質上亀裂が入りやすい材料でもあります。

艶消し塗料は表面に微細な凹凸を付け、光を乱反射させることにより艶消しになります。
その微細な凹凸に汚れが溜まりやすいので汚染に弱い性質があります。

■ジョリパットの塗り替えについて

一般的な艶有りシリコン塗料で仕上げると艶が出てしまい、独特の質感の重厚感や高級感が消えてしまう傾向があります。塗料は艶有の方が汚染には強いので悩ましい所ですが、現状の雰囲気を消したくない場合は艶消し塗料をお勧めします。

■塗り替え時の下塗りについて

ジョリパットの塗り替え時の下塗りについては塗膜が厚く付く微弾性フィラーを使用します。
浸透性プライマーなどの薄い塗膜の下塗り材はお勧めできません。
これは下塗り材が厚いことによって亀裂を消すことができる事と、激しい凹凸を多少なだらかにして汚染しづらい質感にするためです。

■ビーズコートSi
ビーズコートという塗料がありこれは艶消し塗料です。
蓮の葉の撥水力に着目し、艶消し塗料なのにナノテクノロジーによって驚異的な撥水性のある塗料を製造しました。

これにより艶消し塗料でありながら非常に汚染に強い塗料となっています。
またチョーキングに強いシリコン樹脂を使ったビーズコートSiが高機能です。

ジョリパット外壁にお住いのお客様が塗り替えを考えてられてたら、微弾性フィラーとビーズコートSiをお勧めします。

2020年2月10日(月)

■結露防止塗料

寒い冬の朝に住宅の内壁や窓回りや押し入れの中がビッショリに塗れて、雨漏りかと思ったら結露だったという事が良くあります。

この「結露」は放っておくと家を腐らせてしまう大変怖い現象ですし、ジメジメして健康面の被害も予想されます。

■結露はどうしておこる?

結露は外部気温と室内温度の差から、空気から水滴が生じる現象です。
天気予報で湿度何%と発表されますがこれは「相対湿度」で気温により変わり、暖かいと多くの水蒸気を含むことができます。

暖かい空気が急激に冷やされると結露が起こりますが、ビールをジョッキに注ぐと周りに水滴が付きますが、これはジョッキ周りの空気が急激に冷やされたためおきます。

住宅の場合は冬季は室内は暖かく外気は冷たいので、相対湿度の高い室内温度が急激に窓や壁を通し外気温度によって下がると結露します。

そのためサッシ窓を二重にしたり壁の断熱を高めるなど、抜本的な解決には大きな費用が掛かってしまいます。

■ダニやカビが大好き「表面結露」

住まいの結露は「表面結露」と「内部結露」があり、表面結露は天井や壁など見える部分の結露で、内部結露は壁面内や基礎部分など目に見えない部分の結露です。

表面結露は常に壁などがジメジメしているためダニやカビの繁殖の温床になりやすく、ぜんそくやアレルギーなど健康面で大きく問題が生じます。

■住宅にとって恐ろしい「内部結露」

目に見えない部分の内部結露はもっとおそろしく、壁内の木部や鉄部を腐らせ脆くします。
基礎内部で起きるとコンクリートの基礎の鉄筋を腐食させ爆裂現象が起き基礎を破壊していきます。

■「ケツロナイン」で結露レス

菊水化学工業の「ケツロナイン」は名前が表す通り結露防止塗料です。
珪藻土を主剤として湿気を吸い取り湿気を排出するという調湿機能と高い防苔・防カビ性能があり、その機能を持続する塗料です。

■ケツロナインの特徴

1.塗膜厚1mmで1㎡当たり600gの結露水を吸収します。

2.調湿性があり、湿度が高いときは湿気を吸収し、湿度が低いときは放湿し、室内の湿度の急激な変化を和らげます。

3.防カビ・ダニ性に優れています。

4.耐水性にも優れていますので、浴室の壁天井にも使用できます。

5.防火性に優れています。

塗装で結露を防げますので、鉄板など多くの下地に塗ることが出来、塗料ですので比較的安価に工事が出来ます。
モリタ建装でも多くの結露現場に使用していますが好評を得ています。

2020年2月5日(水)
モリタ建装ドットネット リニューアル

この度モリタ建装ドットネットをリニューアルしました。
今までと変わらないご愛顧をお願いいたします。

今回も自分で全て作成しましたが、参考に色々なサイトを見て回れました
最近の傾向は1)すごくおしゃれなサイト 2)チラシのようなサイトが多いですね。

外装塗り替えでアパレルのようにおしゃれなサイトは似合わないし、チラシのようなサイトも違うなぁと試行錯誤していました。

1998年に弊社の最初のサイトを作ったころは業者も少なく、サイトがあれば依頼が来るような状態でしたが、現在では塗装店のサイトは大変多くなりました。

他と似たサイトを作っても仕方ないので自分のカラー(作りやすい、、、、)デザイントなりました。

自分で作れば隅々まで目が行き届きますし、お客様の反応で更新作業も楽ですしページの責任者として覚悟もできますしね。

ただスペル間違いなど些細なことでサイトが変になりますし、気を抜けませんがコツコツやることは性に合っているので苦ではありません。

これからはお客様にわかりやすい表現を心がけ、誠意ある仕事が伝わるようにサイト運営とこの日記を続けていきますのでよろしくお願いします

2020年2月3日(月)
現地調査

お見積で一番大切なことは現地調査になります。
住宅はそれぞれ異なるので、そのお宅に適した下地調整や仕上げ塗料、近隣の工事への障害等を考えて調査します。

外壁や塗装部位ん屋根などの適正な数量を測る事も重要な作業です。
その数量によって材料を用意したり、作業員の人数を調整します。

私は週の半分程度は現場調査に回っています。弊社で行う工事はすべて私が現場調査しお見積を作成します。

その時に使う道具のお話をします。

①打検ハンマー
見た目では解らない下地の具合はハンマーの打撃音によって判断します。
下地補修が必要な場合等も解ります。

②LEDライト
室内の漏水調査などでは暗い屋根裏なども見る時に使います。

③メジャー
細かい物や詳細な寸法が必要な場合はメジャーを使います。
利便性からも小型の物を常備しています。

④クラックメジャー
モルタル壁の場合0.3mmの上下でヘアークラックとクラックを分けています。
補修方法も異なるため亀裂の幅を測る物です。

⑤レーザーメジャー
これが出来て現地の寸法を測るのが格段に楽になりました。
cm単位の詳細な数値がわかるので正確な見積には必須のものです。

⑥小定規
壁の平滑度や隙間に刺して厚みを測ったり色々使えます。

他にもデジタルカメラや赤外線カメラも常備しています。

今はドローンを調査に使えないか検討中ですが、市街地での使用に制限が掛けられていたり本格的に使用するには機体が高価なため強風等で屋根上に墜落などしたら回収が困難な事など問題点があります。

ドローン調査専門業者も現れていますので依頼するのも手ですが、調査費用がかかる為に無料で行っている[お見積り・住宅診断書]になじまなくなりますね。


2020年1月31日(金)

本日までこのブログは毎日更新してきましたが、写真の追加や内容の充実を図るために、来週より週に1-2回の更新に切り替えます。

来週よりの充実した内容のブログにご期待ください。

2020年1月30日(木)
塗装下地の種類

塗装する下地によって、塗装目的や下塗り材量が変わってきます。適正な選択が必要になります。

■サイディング壁
サイディング壁の塗装の主な目的は、目地シーリングの保護とサイディング板への密着です。
そこでシーリングには塗料の密着性の高いポリウレタンシールを使い、板面には浸透性のカチオンプライマーを使用します。

微弾性フィラーなど塗膜の厚みのあるものは、蓄熱障害によって膨らむトラブルがあるので使用してはいけません。

■モルタル壁
モルタル壁の塗装の主な目的は、亀裂への対応になります。
モルタル壁は必ず亀裂が生じますので、亀裂をふさぎ追従できる微弾性フィラーを使用します。

また吹付や左官仕上げが多く表面が凸凹しているので、膜厚のある下塗りによって平滑に近づけます。
 

2020年1月29日(水)
塗料の攪拌について

塗料は顔料とうすめ液が主成分ですが、缶に入ったまま長期保管しているとこれらが分離します。

また顔料自体も多くの成分で色を作っているため分離します。

これらを混ぜるために塗料を攪拌しますが、マゼールという攪拌機械を使い充分に混ぜます。

攪拌が不十分なまま塗装すると、色にムラができたり塗膜の厚みに凹凸ができたりします。

その攪拌時にローラーやハケで塗りやすいように、うすめ液で粘度を調整する事も攪拌の大事な役割で